これまでの放送内容
2024年4月~6月
山口・北九州特集
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- 2024年6月2日放送
- 福岡県北九州市
- ぬか炊き
- 小倉の名物料理は100年受け継いだぬか床が味の決め手!
- 「くいしん坊!万才」は今月で放送開始から50年目に突入!「長年愛され続けたい」という願いも込めて、この地で昔から愛されてきた「ぬか炊き」という惣菜を求めて、”北九州の台所”小倉の旦過市場にやって来ました。宇佐美商店では、サバやイワシなどの青魚をしょうゆ・砂糖・みりん等の調味料でじっくり煮込んでいるのですが、最大の特徴が、仕上げに漬物のぬか床を入れること。まず、定番だというサバを頂くと、味噌煮のような見た目とは裏腹に、さっぱりとした優しい味で、骨まで丸ごとおいしいんです。ぬか炊きがいつから食べられるようになったか定かではありませんが、昔、小倉のお殿様が日持ちしない青魚を長持ちさせようと考えた生活の知恵ともいわれているそう。宇佐美商店のぬか炊きは、親子三代100年にわたって守り継がれてきたぬか床を調味料として利用しています。普通はそのままでは食べませんが、気になってちょっとだけ「100年モノのぬか」を味見させてもらったところ・・・体が発酵しそうに(笑)最後にイワシを頂くと、ふんわりとした身と甘辛い味にうっとり。長く愛されてきた総菜だというのも納得です。
- 福岡県北九州市小倉北区魚町4-1-30
「百年床 宇佐美商店」
宇佐美 雄介さん
TEL:093-521-7216
- 2024年5月26日放送
- 山口県下関市
- くじらステーキ
- 高タンパクで低カロリー
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- 下関はかつて北前船の寄港地として様々な物資が集まる中で、くじらの食文化が根付きました。「おばんざい屋 永(とこしえ)」の女将・藤本さんも小さい頃からくじら料理に親しんできた1人。学校給食では竜田揚げがよく出ますが、家庭ではステーキや焼き肉などシンプルな調理で食べる事が多いのだそうです。そこで、まずはくじらの赤身を使ったステーキからいただくことに。ステーキを焼くときに大切なのは、火の入れ方。手早く両面を焼いてレアで食べるのが一番おいしいのだそう。程よい噛み応えで、馬肉にも近いクセのないおいしさです。くじらの赤身は高たんぱくで低脂肪、低カロリーなため、良質な動物性たんぱく源でもあります。続いていただいたのは「自家製くじらベーコンの燻製」。くじらの「ウネス」という部分を塩漬けにした後、ウィスキーオークのチップで1日燻製にします。食べると燻製とくじらの香りが幾層にも口の中で広がりました。家庭的な雰囲気のお店で、まるで実家に帰ってきたような心休まるひと時でした。
- 山口県下関市細江町1丁目4-18
「おばんざい屋 永(とこしえ)」
藤本 法子さん
TEL:083-223-3355
- 2024年5月19日放送
- 山口県宇部市
- お茶中華ちまき
- 日本茶の香りと旨みを包み込んだ逸品
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- 「山口茶」は濃厚な甘みと程よい渋みのある香り高いお茶。あまり知られていませんが、宇部市はお茶の名産地なんです。そんな地元の特産品を使った料理として考えられたのが「お茶中華ちまき」。山菜、しいたけ、豚肉、ピーナッツなどをしょうゆや中華だしで味付けした具材にもち米を加えて炒め、米が透き通ったところに山口茶の茶葉をそのまま加えて竹皮で包んで蒸しあげた料理です。おいしさのポイントは、料理に使う茶葉の量。特産だからといってたっぷり使えば良いという物ではなく、ハーブのように適量に留めることが重要です。今回作ってくれた秋本さんによると、この味にたどり着くまでに7年近くかかったんだそう。一口食べると、ちまきのおいしさをお茶の香りとほんのりとした苦みが引き立て、サッパリしているのでいくらでも食べられます。秋本さんたちは、今ではイベントなどがあると集まってちまきを作っているのですが、「世界一の味だ」という褒め言葉をもらったことが誇りだといいます。「茶葉を食べる」という料理はありましたが、「日本茶をハーブのように使う」という発想は新しくて新鮮でした。
- 山口県宇部市
秋本 喜代子さん
- 2024年5月12日放送
- 山口県下関市
- 瓦そば
- 家でも楽しめる下関の味
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- 下関市の代表的な郷土料理のひとつ「瓦そば」。地元ではホットプレートを使い、家庭で作って食べるのが当たり前なんだそうで、「店で食べるのは、自宅で作っている瓦そばの味が間違っていないか確認するため」なんだとか。今回は”瓦そばが好き過ぎる”という永富さんに作り方を教わりました。まずホットプレートにサラダ油を引いて茶そばを焼いていくんですが、この段階から「麺の量をもう少し多めに」とか「均一に敷くように」と、永富さんからこだわりの指導が入ります。具は味付けした牛肉と錦糸卵、刻み小ねぎ、刻み海苔が一般的。この具材の並べ方でも「幅」や「順番」などチェックが細かいんです・・・。最後にスライスレモンを並べ、もみじおろしを乗せて出来上がり。ご指導のお陰でその仕上がりは、自分で作ったとは思えないほどの美しさです。温かいつゆにつけていただくと、茶そばの香りとパリパリとした食感が面白く、箸が止まらないおいしさ!簡単で失敗しない、更に財布に優しいとあって、パーティー料理としても喜ばれそうな一品でした。
- 山口県下関市
永富 敬吾さん
- 2024年5月5日放送
- 山口県宇部市
- 焼きねぎ
- 栄養たっぷり!丸ごととるおいしい料理
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- 山口県宇部市で2009年に新規就農した埼玉県出身の才木誠さんと妻で山口県出身の祥子さん。白ねぎとトマトの生産をはじめ、季節に応じてキャベツやスナップエンドウなどの野菜も作っています。山口県を含む西日本では青ねぎが主流の中、あえて白ねぎ栽培を始めたのは「おいしい食べ方を提案していけば喜ばれるのでは」と考えたから。ということで、まずはこの白ねぎを一番シンプルにおいしく食べる方法「丸焼き」から。見た目もインパクトがあり、炭の上で真っ黒になったねぎを見るのは初めてでビックリです。ところが表面の皮を一枚むくと中から真っ白でキレイなネギがこんにちわ。熱々を頂くと、その甘さにまたビックリ。表皮の下で「ねぎの水分だけで蒸されている」状態になるため、旨みが凝縮しているのだそう。焦げた部分の酸味も加わり未体験のおいしさです。続いて祥子さんが作ってくれたのは「豚巻きの甘辛風味」。豚肉を巻いた白ねぎを焼いて、仕上げに砂糖・しょうゆ・みりんで味付け。特に栄養の多い緑の部分も全部巻くので、余すことなく丸ごと摂れますし、口の中に広がる甘辛ジューシーがたまりません。お二人が丹精込めて育てた白ねぎを、嬉しそうに笑うお二人の前で頂ける最高のひと時でした。
- 山口県宇部市
才木 誠さん
Instagram: @macocconouen
- 2024年4月28日放送
- 山口県下関市
- ワンパンBBQ
- 簡単はおいしい!キャンプ飯
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- 関門橋を望む絶景のグランピング施設「グランドーム下関」でキャンプです。キャンプインストラクターの上野さんは調理師免許、発酵食スペシャリストなどの資格を持つキャンプの達人。下関市を中心にキャンプ初心者の親子や女子にアウトドア料理を教えています。大事にしているのは「簡単に作れて、洗い物が少ない事」。特にお母さんには、せっかくキャンプに来たのだから炊事に時間を取られず、自分の時間を楽しめるようにとアドバイスしているそう。そんな上野さんが今、キャンプ料理に欠かせないというのが「マルチグリドル」という万能鉄板。一般的な鉄板やフライパンと違うのは、調理できる面の広さとゆるやかな傾斜。焼く、炒める、煮る、揚げると様々な料理に対応できるそう。この便利グッズを使って最初に作ったのは、アスパラのジュワッと焼き。アスパラを焼いて鍋肌にしょうゆを回しかけると、マルチグリドルの傾斜で自然にアスパラとしょうゆがからみます。瑞々しいアスパラの甘みと焦がししょうゆの香りがたまりません!続いては、いのししを使ったBBQライス。火の強く通る面と弱い面を使い分けてワンパンで仕上げます。あっという間に出来上がったのですが、味には深みがあり、おこげご飯も絶品。青空の下いただくキャンプ料理は格別で、「簡単はおいしい」を実感しました。
- 山口県下関市
上野 憲子さん
Instagram: @sora.ki.tchen
- 2024年4月21日放送
- 福岡県北九州市
- 豊前裏打麺
- ベストな茹で上がりを見逃さない!人生を賭けた一杯
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- 「豊前裏打会」はうどん好きの間では名の通ったグループ。その総本山が北九州市にある「津田屋官兵衛」です。ご主人の横山和弘さんは、讃岐うどんのようなコシを残しつつ喉越しの良さを追求し、ギリギリまで細くした麺を生み出しました。オーストラリア産や国産など3種の粉をブレンドし、熟成にも工夫を重ね、温かいうどん用の麺は太さ3mm、冷たいうどん用の麺は約2.5mmとたった0.5㎜の太さにまでこだわります。さらに茹でている間に何度も麺を持ち上げ、指先で触り、ベストな茹で上がりを探ります。我流でここまでの麺を作り上げた横山さん。自分にはこれしか無いと腹を決めて毎日茹で釜と向き合っているそう。そんな情熱を注ぎこんだうどん、まず冷たい「ざる」は食べた途端に「ツル」「モチ」「シコ」が口の中に広がる、経験したことのない食感です。温かい「ごぼ天うどん」はまず天ぷらの大きさにビックリ。どんぶりからはみ出しています。滑らかな麺と、シャキシャキとしたごぼうの組み合わせは鉄板のおいしさ。横山さんが人生を賭けた一杯を、しっかり味わいました。
- 福岡県北九州市小倉南区津田新町3-3-20
「津田屋官兵衛」
横山 和弘さん
TEL:093-475-7543
- 2024年4月14日放送
- 山口県宇部市
- ゆうれい寿司
- 山口県宇部市に伝わる怖い?郷土料理
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- 「ゆうれい寿司」とは何とも怖そうな、不思議な名前。いったいどんなお寿司なのか・・・。ご用意いただいたのは、大きな木枠。上蓋をとると「ゆうれい」が出てくるというし、開ける寸前に「気を付けて」なんて言われるものだからドキドキです。思い切ってふたを開けると・・・中は真っ白。ゆうれい寿司の正体は、お米だけで作った押し寿司だったんです。作っていただいた井上さんによると、宇部市の山間部は良質な山水に恵まれ、お米と水がおいしいと評判だったので、柚子酢で風味をつけたご飯で押し寿司を作り、特別な日の御馳走としてふるまわれてきたんだそうです。その歴史は古く江戸中期には作られていたといわれ、井上さんも小さい時から親しんでいて「今日はゆうれいしいようか」と言われるのを楽しみにしていたそう。時代と共に形は変わり、今は白い酢飯の下に地元の野菜や山菜、魚のミンチなど具材をたっぷり敷いた、ごちそう寿司になっています。まず酢飯だけ食べてみると、甘みのあるお米の美味しさに唸りました。続いて具材と一緒に頂くと、初めてなのにどことなく懐かしい味。この「ゆうれい寿司」、名前にもおいしさにもびっくりな一品でした。
- 山口県宇部市
井上 清美代さん
- 2024年4月7日放送
- 福岡県北九州市
- 焼きたけのこ
- 皮ごと焼いておいしさを丸ごと味わう
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- 北九州市の竹林面積は約1,900ヘクタールと全国有数の広さを誇り、美味しいたけのこが生産されています。中でも合馬たけのこは関西市場で極上品として取引されています。今回はタケノコ堀りに付いて行ったんですが、どこにあるのか全く分かりません。ところが、一緒に行った名人は次々と大きなたけのこを掘り出してしまうんです。どうやって見つけるのか聞いたところ、たけのこが「ここだよ、ここだよ」と教えてくれるというんですが・・・。掘りたてのタケノコは、皮ごと丸焼きにします。中に火が通ったところで皮をむいて熱々にかじりつけば、サツマイモにも似た、何とも言えない甘みが口の中に広がりました。更にわさびじょうゆをつけてたべると、想像以上の美味しさにまたびっくり。合馬のたけのこは、寒暖差が激しい気候と粘土質の赤土のおかげで、やわらかく、えぐみが少ないと言われていますが、本当に甘みがすごいんです。次にいただいたのは、イカとたけのこの木の芽和え。香りと酸味が清々しく、まさに春の訪れを告げるような一品でした。合馬たけのこの旬は3月終わりから5月初めまでの約2か月。この時期は毎年命がけでたけのこを愛するという皆さんの熱い思いと共に産地ならではの味を堪能しました。
- 福岡県北九州市小倉南区合馬644
「合馬茶屋」
西 優衣さん
TEL:070-2384-6639