松岡修造のくいしん坊!万才

毎週日曜 ごご5時25分

これまでの放送内容

202311月〜20241
香川特集

真鯛の骨でだしをとる漁師メシ in キャンプ
2024128日放送
香川県丸亀市
キャンプの魚だしカレー
真鯛の骨でだしをとる漁師メシ in キャンプ
キャンプの魚だしカレー
魚の魅力や魚食文化を発信している「本島さかな部」は、塩飽本島の魅力を広める“島おこし団体”としての一面も持ち合わせています。レンタサイクルを手配したり、漁船で瀬戸内海を案内したり、釣り道具を貸し出したり、と本島に来たお客さんにとって島全体が遊び場です。キャンプ道具の貸し出しもその1つ。手ぶらで来ても、瀬戸内海を望むビーチでキャンプが楽しめます。そこで今回は、若手漁師さんたちのグループ「本島さかな部」の皆さんとご一緒させていただきました。キャンプめしの定番と言えばカレーですが、漁師さんが作ればひと味違います。前々回、僕が捌いた真鯛の骨でだしを取り、玉ねぎや人参を炒めた鍋に加え、真鯛の身とカレールウを入れて煮立たせます。ルウが溶けたらごはんに盛り、軽く炒めた鯛の身をトッピングしてできあがり。鯛のだしで作るカレーは、ブイヤベースのカレー版のような深い味わい。トッピングとは別に鯛の身を鍋に入れることで、身が溶けてとろみになり、そこからも旨みがよく出ます。島の浜辺キャンプは、波の音が心地よいBGMになり、ゆったりした時間を楽しめます。そして島の食材を使ったキャンプめしと、五感で本島を味わえる最高の贅沢。魚を自分で捌けるようになると、1匹鯛を買ってくれば刺身や炙りはもちろん、アラで煮付け、そして今回のように骨でだしを取って他の料理にも使えるんですね。この楽しみを多くの人に知ってもらい、日本中でもっと魚食が広まれば良いなと感じました。
香川県丸亀市本島町泊494-6 
「本島さかな部」
大石 一仁 さん
TEL:090-7576-7847
2024121日放送
香川県丸亀市
絶対失敗しない煮つけ
どんな魚でもこの分量でおいしくなる!
どんな魚でもこの分量でおいしくなる!
絶対失敗しない煮つけ
瀬戸内海に浮かぶ塩飽本島で、「本島さかな部」部長の大石さんに魚の捌き方を教わっていると、そこにマネージャーの佑紀さんが登場。そこで、得意料理を振舞っていただくことになりました。前回、僕が捌いた真鯛のアラがあるので、それを使って煮付けを作ってくれるというのですが、「絶対に失敗しない」作り方があるんだそう。ポイントは、しょうゆ:酒:みりん:砂糖を1:1:1:1で煮付けること。一般的に「しょうゆと酒」「しょうゆとみりん」「しょうゆと酒と砂糖」など、家庭によって加える調味料は様々ですが、酒は魚のくさみを消す効果があり、みりんは荷崩れを防ぎ、砂糖は硬い具材を柔らかくしてくれる効果があります。ならば余計なことは考えず、黄金比率を守って全ての調味料で煮付ければ、どんな魚もおいしくなるといいます。ところが、佑紀さんはかなり大雑把。”同じ分量”と言いつつ調味料を鍋に「い~ち、に~い…」と目分量で回し入れていきます。こんなに雑でも大丈夫なのかと心配でしたが、「焦げ付かなければ大丈夫」とのこと。その妙な自信の裏にある理由は、「絶対に失敗しない」もう1つのポイント。それは、骨付きの魚を使うことです。煮付けで失敗しがちなのは、「ちょっと味が薄いかも」といってしょうゆを足したり、砂糖を足したりしているうちに味が濃くなってしまいますが、骨付きの魚を使うと、骨から出るだしが旨みのベースになり、物足りなさを感じさせないんだそう。完成した真鯛の煮付けを恐る恐る食べてみると、濃くもなく薄くもなく、真鯛のおいしさがきちんと出ている「料理屋さんの煮付け」でビックリ!こんなに簡単に(そして大雑把に)作れるなんて、まさに「目からウロコ」です。本島では、煮付けを作ったときはその煮汁にそうめんを入れて食べるそうで、試しに僕も一口いただいてみることに。真鯛の旨みを吸った煮汁がそうめんによく絡み、これがもう絶品!島では「そうめんを食べるために煮付けを作る人もいる」とう話も納得です。と、ここで部長から「キャンプ好きですか?」と突然の質問が。なんでも、今、浜辺でさかな部の部員がキャンプをしているんだそう。・・・ということで、次回は本島さかな部の皆さんと、浜辺でキャンプ!「魚だしのカレー」を作ります。お楽しみに!
香川県丸亀市本島町泊494-6 
「本島さかな部」
大石 一仁 さん
TEL:090-7576-7847
2024114日放送
香川県丸亀市
真鯛の炙り
自分でさばけばメリットだらけ!
自分でさばけばメリットだらけ!
真鯛の炙り
丸亀港からフェリーで30分。瀬戸内海に浮かぶ塩飽本島は、およそ250人が暮らす小さな島です。この島に住む漁師さんたちが中心となり、SNSやYouTubeの発信など精力的に活動しているのが「本島さかな部」の皆さん。島で三代続く「大石水産」の若手漁師・大石一仁さんが部長を務めます。島を訪れたお客さんに人気なのが「漁師が教えるやさしい魚の捌き方体験」。今回は大石さんに教わりながら、釣りたてピチピチの瀬戸内の真鯛を一緒に捌きました。まずはウロコを取り、腹側を切って内臓や浮袋、血合いを取り除き、頭から腹にかけて斜めに切ってから頭を断ち切ります。そして、腹→背→(ひっくり返して)背→腹の順に骨まで包丁を入れて三枚に卸し、腹骨をすいて血合い骨を取り、皮を引いて、好きな厚みの刺身に切り分けます。ただ、刺身として食べるには2~3日寝かせて熟成させた方がおいしいとのことで、捌きたては皮目を炙ると脂が浮き出ておいしく食べられます。冬の真鯛はまさに旬。プリっとした食感と炙った皮の香ばしさ、そしてほんのり甘い脂の乗りが最高です。魚を自分で捌けるようになると様々なメリットがあり「①魚は捌いた瞬間から鮮度が落ちていくので、鮮度の良い魚を食べられる」「②切身や刺身よりも1匹で買う方が安い」「③アラまで食べられる」とメリットだらけ。「大人が魚を食べなくなると、自然と子どもたちも魚を食べなくなってしまう」と考える大石さんは、「日本人の魚離れを防ぎたい!」と皆さんに捌き方を教えています。真鯛の炙りに舌鼓を打っていると、本島さかな部のマネージャーが登場。・・・ということで、次回は本島さかな部のマネージャーに「絶対失敗しない煮つけ」を教わります。お楽しみに!
香川県丸亀市本島町泊494-6 
「本島さかな部」
大石 一仁 さん
TEL:090-7576-7847
202417日放送
香川県
香川のお雑煮
おもちの中からサプライズ!
おもちの中からサプライズ!
香川のお雑煮
明けましておめでとうございます。今年で49年目を迎えた当番組ですが、新年1回目はお雑煮からスタートです。全国各地で個性豊かなお雑煮が受け継がれていますが、その中でも香川の「あんもち雑煮」は異彩を放つ存在です。白味噌仕立ての汁に丸もち、「丸く一年を過ごせますように」と願いを込めて輪切にした大根や人参などを入れたものですが、最大の特徴は丸もちの中にあんこが入っていること。その理由は、昔、砂糖が貴重だったことに起因します。江戸時代、日本ではサトウキビは鹿児島県の薩南諸島や沖縄県の琉球諸島でしか生産されておらず、黒砂糖が主でした。その折、温暖で雨の少ない香川県では、殖産振興の一つとしてサトウキビ栽培が奨励され、高松藩が白砂糖の製造に成功。綿や塩と並び「讃岐三白」として一躍藩を代表する特産品となりました。以後盛んに砂糖の製造が行われるようになりましたが、実際に砂糖を作っているのは藩内の農民です。自分たちで作っているとはいえ、藩に納める大事な砂糖ですから、普段は口にすることができません。とはいえ年に一度の正月くらいは贅沢したい、甘いものが食べたいということで生まれたのが「あんもち雑煮」といわれています。藩の役人の目を避けて一目では砂糖を使っているとは分からないように、砂糖をあんに入れてもちで包み、更に雑煮にするといった具合に見た目では全く分からないように工夫したのです。お雑煮を作ってくれた北川さんは、他県から香川に移住したこともあって今回初めて「あんもち雑煮」を作ったそう。白味噌やあんもちはご自身で作り、人参や大根は仲の良い農家さんからいただいたと聞き、「人とのつながり=輪」を感じました。まさに「丸く」一年を過ごせるよう、新年スタートの回にふさわしい料理でした。
香川県
北川 弘美 さん
20231224日放送
香川県丸亀市
骨付鳥
かぶりつきたくなるおいしさ!
かぶりつきたくなるおいしさ!
骨付鳥
香川県といえば讃岐うどんが有名ですが、他にもたくさんの名物料理があります。丸亀市発祥のご当地グルメ「骨付鳥」もその1つ。骨付きの鶏もも肉を丸ごとカリッとジューシーに焼き上げたスパイシーで豪快な料理で、誕生は1950年代まで遡ります。戦後、多くの欧米文化が日本に流れ込んできた時代。市内のある飲食店の店主が何気なく観ていたハリウッド映画で、俳優が大きく骨のついたままのローストチキンを豪快に口へ放り込むシーンがありました。それは、何気なく流れてゆく映画のワンシーンとはいえ、まさに欧米の「豊かさ」の象徴。「あんな豪勢な食べ物を、ぜひお客さんに味わってほしい!」そう考えた店主は試行錯誤を重ね、現在の骨付鳥を完成させたそうです。骨付鳥には2種類あり、ふっくらと柔らかい肉質で食べやすい「若どり(通称:わか)」と、しかっりした歯ごたえが特徴的な「親どり(通称:おや)」。若どりは一般的なローストチキンに近い分、初めて食べる人にも親しみやすく、親どりは、肉質が硬めで噛みづらい反面、味わい深く旨みが強いツウ好みの逸品。今回訪れた「骨付丸亀鳥」の大将・亀岡さんは、骨付鳥に惚れ込み、焼き続けて40年。塩、胡椒、ガーリックスパイスで味付けし、鶏の油を閉じ込めながらオーブンでじっくり焼き上げます。焼いたときに肉から出る油“鶏油(ちーゆ)”においしさが含まれているので、オーブンの鉄板の中に落としておき、後でそれをかけて染み込ませることでコクのある味わいになるんだそう。パンチの効いた強烈な味付けと、鶏の旨みを最大限に引き出す職人技が常連客の胃袋をガッチリ掴んで離しません。
香川県丸亀市通町87-2 
「骨付丸亀鳥」
亀岡 久雄 さん
TEL:0877-21-2501
20231217日放送
香川県丸亀市
本島のおもてなし料理
築218年の古民家に泊まれる贅沢と瀬戸内の幸
築218年の古民家に泊まれる贅沢と瀬戸内の幸
本島のおもてなし料理
香川県の塩飽本島の周辺は潮の流れが速く、腕利きの船乗りが多く育ったことから、戦国時代には塩飽水軍が活躍。信長、秀吉、家康の3人の天下人に重用され、自治を許されていました。海運業の発展とともに船大工の技術も高まり、「塩飽大工」と呼ばれる人々は船だけでなく宮大工でも腕を振るい、善通寺の五重塔をはじめ全国各地の寺社仏閣を手がけました。彼らは島の民家も数多く手がけ、いまも昔のまま残る街並みは国の「重要伝統的建造物群保存地区」に選定されています。そんな趣のある街に佇む「民宿 やかた船」は、築218年とこの島で一番古い建物。歴史的にも価値のある古民家に泊まれる贅沢が旅行客に人気です。夕食は瀬戸内の幸をふんだんに使った会席料理で、季節ごとの刺身や天ぷらなどがずらりと並びます。中でもアコウの煮付けは嬉しい一品。アコウはクエと同じハタ科の魚で、上品な脂と身の弾力が特徴的。全国的に水揚げが極めて少なく、超高級とされる天然魚です。こだわりは、素材の味を活かすために砂糖は使わないこと。しょうゆと酒、みりんで30分かけてじっくり煮付けます。汁物には瀬戸内らしいメバルの味噌汁。素朴な味付けながら、メバルから良いだしが出て、鼻をくすぐる海の香りがたまりません。素材を活かしたやさしい味付けの料理たちは、旅人の心を癒してくれます。
香川県丸亀市本島町笠島302 
「古民家民宿 やかた船」
髙島 八重美 さん
TEL:080-3886-9819
20231210日放送
香川県三豊市
讃岐うどんでEAT TO WIN!
全国クラスのハンマー投選手の体を作るパワーフード
全国クラスのハンマー投選手の体を作るパワーフード
讃岐うどんでEAT TO WIN!
香川県の四国学院大学はハンマー投の強豪校。中でも秋山玲二郎選手と垂井祐志選手は、高校時代に日本一になった実力者です。そんな彼らの強さを支える料理が、三豊市「三好うどん」の「肉ぶっかけ(とり天トッピング)」。讃岐うどん特有のこしと喉ごしに加え、この店のうどんは太めで噛めば噛むほど小麦のほんのりした甘さを感じられます。そもそもハンマー投は、直径2.135mのサークルから、3~4回転のターンで加速して投げる競技。元ハンマー投日本記録保持者で、世界を舞台に戦ったアスリートでもある綾コーチによると、遠心力に振られない強靭な体幹とそれを支える体重、そして一気に投げ飛ばす瞬発系の筋肉が必要です。うどんは、アスリートに必須な炭水化物を手軽に摂れることに加え、牛肉やとり天で筋肉のもとになるタンパク質も補えます。秋山選手は食が細く、綾コーチも「食べないと勝てない」と頭を悩ませていますが、うどんなら食が進むそう。秋山選手は3玉、垂井選手は4玉をぺろりと平らげました。店主の三好さんは、「うどんを打っているときは僕もアスリートの気持ちでやっている」と語るように、こしのある麺を作り上げるには全体重をのせて丁寧に生地を足踏みする作業が必要です。うどんもハンマー投も「こし(腰)」が大事!讃岐うどんで目指せ未来の日本代表!
香川県三豊市高瀬町比地1583-1 
「三好うどん」
三好 達雄 さん
TEL:090-1000-7908
2023123日放送
香川県丸亀市
たこのイリコめし
しょうゆ糀でおいしさワンランクアップ!
しょうゆ糀でおいしさワンランクアップ!
たこのイリコめし
香川県は古くから続く糀屋さんが多くあり、自宅で手作りの味噌や甘酒を作る文化が今も受け継がれています。ということで、今回は丸亀市の料理教室「発酵料理セラピー つむぎ」の藤田先生に教わりながら“ヘルシーで、元気になれる料理”「たこのイリコめし」を作りました。作り方は超簡単。一般的な炊き込みごはんの要領で、研いだお米の上に人参、ごぼう、ぶなしめじ、たこ、イリコ、油揚げをのせて炊くだけ。ポイントは米1合に対し、大さじ1杯のしょうゆ糀を加えること。これだけで、普通の炊き込みごはんとは比べ物にならないくらいおいしくなるんだそう。実は、しょうゆ糀は塩糀に比べて旨み成分であるグルタミン酸を10倍以上含むといわれ、料理に少し加えるだけで旨みを大幅にアップさせることができるんです。また、少量で良いので減塩にもつながります。炊き上がったごはんは、たことイリコのだしをたっぷり吸いこんでいて食欲をそそります。たこの食感とごぼうやしめじのシャキシャキ感も楽しく、何杯でも食べられそうです。ここに「追いしょうゆ糀」で、しょうゆ糀を少しのっけて食べるともう最高。しょうゆ糀には疲労回復、免疫力アップ、ストレス軽減、美肌効果、ダイエットサポート効果が期待でき、食べるだけで元気になれる一品です。
香川県丸亀市飯山町東坂元824−3 
「発酵料理セラピー つむぎ」
藤田 直子 さん
TEL:0877-98-0233
20231126日放送
香川県善通寺市
精進フレンチ
大豆ミートで肉や魚を超えるおいしさに
大豆ミートで肉や魚を超えるおいしさに
精進フレンチ
香川県善通寺市のレストラン「ル ペイザン」は、フレンチのコース料理がメインメニューでありながら、おいしさはもちろんのこと、一般的なフランス料理からは考えられない低カロリーとヘルシーさが魅力のお店。店名の「paysan(農民)」の通り、食材の中心は野菜で、肉や魚などの動物性食材を使わない完全ビーガンを実現していることに加え、「五葷(ごくん)」と呼ばれる(ねぎ・ニラ・らっきょう・にんにく・玉ねぎ)も取り入れないスタイルで、「精進フレンチ」というジャパニーズフレンチの新境地を開拓しました。そもそも精進料理は、中国に渡った空海(弘法大師)が持ち帰った料理法を、日本の風土に合わせて確立したもの。シェフの小瀧さんはそこにフレンチの技法を掛け合わせ「空海が生きていたらこんな料理を作るんじゃないかな」という発想のもと、斬新な料理を生み出しています。今回いただいたのは、「代替肉」としてメジャーな大豆ミートをコンフィ(油で煮込む調理法)したものとじゃがいものガレット。一般的に大豆ミートが実際の肉より物足りなく感じる理由は“旨み”が足りないからだそうで、大豆ミートが低脂質な分、上質な牛肉に多く含まれるオレイン酸をオリーブオイルやあまに油、えごま油等で足すことで実際の肉に負けない旨みを感じられます。また、特有の「大豆臭さ」を消すためにしょうゆを使うのもポイント。もはや「肉の代替」ではなく、「肉や魚に負けない別の食材」として味わえます。さらにもう一品は、卵も乳製品も小麦粉も使わないモンブラン。納得のいくおいしさに辿り着くまでに10年かかったという逸品で、豆乳と栗で作ったクリームにオーガニックシュガーで甘さを出しています。体にも良くてこんなにおいしいなんて最高です。
香川県善通寺市金蔵寺町1114-1 
「ル ペイザン」
小瀧 裕己 さん
TEL:0877-63-5570