これまでの放送内容
2023年4月〜5月
佐賀特集
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- 2023年5月28日放送
- 佐賀県神埼市
- 神埼そうめん
- 生麺みたいなそうめん
- 脊振山の麓、佐賀県神埼市には「神埼そうめん」というそうめんが伝わっています。今から400年程前、小豆島から行脚遍歴して来た雲水(禅宗の修行僧の呼称)が病に倒れたとき、神埼の住民が厚く看病してくれたお礼にと、そうめんの製法を伝えたことが始まりといわれています。以来、脊振山系の良質な水と佐賀平野が生んだ小麦を活かし、製麺業が盛んになりました。神埼そうめんの特徴は、小麦の旨みと香りがしっかりとしていることに加え、コシの強さ。その理由は製麺方法にあります。元々は手延べそうめんを作っていましたが、明治初期に佐賀の発明家がロール式の製麺機を開発したことにより、全国に先駆けて本格的な機械製麺の生産が始まりました。その最大のメリットは「油を使わない」こと。手延べだと麺をそうめんの細さにするまでに強度を保つため、熟成させる必要があります。その際、麺がくっつかないように油を塗ってコーティングするんだそうですが、「神埼そうめん」はその必要がないので、油の酸化した香りが付かずに小麦の香りを感じられ、油のコーティングがないことで小麦の旨みもダイレクトに感じることができるんです。さらに茹で時間にもこだわりが。「そうめんは秒の料理」と豪語する社長のこだわりは、1分50秒。さっと茹で、さっと水で締めることで、生麺のようなおいしさが味わえます。
- 佐賀県神埼市神埼町的1779
「井上製麺」
井上 義博さん
TEL:0952-52-2625
- 2023年5月21日放送
- 佐賀県鳥栖市
- 手作り豆腐
- 人気のカフェで学ぶ!もちもち豆腐
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- 佐賀県は全国有数の大豆の産地。嬉野をはじめ、豆腐が名物の地域も多い土地柄です。鳥栖市の「おもてなしごはん。OYOBARE」でも、ランチで提供している手作り豆腐が評判。今回はオーナーの古川さんに人気の手作り豆腐の作り方を教えていただきました。この店の豆腐は、「にがり」を使う一般的な豆腐ではなく「ごま豆腐」に近いもちもち食感が特徴です。材料は豆乳、くず粉、生クリームの3つ。これを鍋で加熱しながら、焦げないようにひたすら混ぜるだけ。10分程するととろみが付いてきて、15分も混ぜれば出来上がりです。本来はこれをタッパーに移して冷蔵庫で冷やすと味がなじむそうですが、そのまま食べてもおいしいということで、今回は出来立て熱々をいただくことに。口に入れるとトロっとしていて大豆の味が強めに感じられます。砂糖は使っていないのに、甘さもあってデザートのよう。しょうゆをちょろっとかけて食べてもまた美味。どちらも大豆からできているので、相性はバツグン!ナイスコンビネーションです。試しに古川さんが作った豆腐も食べてみたんですが、これがまたビックリ!同じ材料、同じ工程、同じ時間で作ったのに全然違うんです。鍋で混ぜるときにダマにならないようダイナミックにヘラを動かすことが、滑らかさを生むポイントなんだとか。ちょっとしたことでこうも味が違うんですね。料理の奥深さを感じた体験でした。
- 佐賀県鳥栖市蔵上4-120 2F
「おもてなしごはん。OYOBARE」
古川 美紀さん
TEL:090-9490-3332
- 2023年5月14日放送
- 佐賀県白石町
- 須古ずし
- 白石町の愛と感謝に溢れた郷土料理
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- 佐賀県の白石町は自然豊かな平野に恵まれた米どころ。今日はこの地域に古くから伝わる「須古ずし」をいただきました。これは、「もろぶた」と呼ばれる木箱に酢飯を詰め、へらで四角形に切り目を入れて甘辛く煮た椎茸やごぼう、奈良漬け、かまぼこ、錦糸卵、きゅうり、紅しょうがなどを飾った箱ずしです。特徴的なのは、有明海で獲れたムツゴロウの蒲焼きが乗っていること。全国広しといえども、ムツゴロウを使った寿司は他ではお目にかかれません。食べてみると、ムツゴロウの甘み、奈良漬けの塩味、紅しょうがの酸味がそれぞれ個性を出してくるんですが、それを酢飯がうまくバランスを取って1つにまとめているような感覚です。そこへ椎茸に含まれた煮汁がしみ出してきて、「ジューシーな寿司」という表現がピッタリ。おいしくてかなり珍しいです。言い伝えによれば500年以上前、白石町須古地区の領主は農民をとても大切にしており、米の品質改良に尽力しました。その甲斐あって白石の米は「すし米」「酒造米」として全国で名声を博すほどの評判になりました。そんな領主の愛情に感謝し、領民たちは地元でとれた海の幸、山の幸を使ってすしを作り、献上したと言われています。現在もお祝い事には欠かせない逸品で、見た目も味も華やかで明るい気分になれます。
- 佐賀県白石町
江口 智子さん
- 2023年5月7日放送
- 佐賀県佐賀市
- 有明もん
- 全国的に珍しい魚のオンパレード
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- 日本最大の干潟を誇る有明海には珍しい姿・形をした魚がたくさんいて、日本でここにしかいないものもあるんだそうです。そんな魚介を地元の人は親しみを込めて「有明もん」と呼びます。この時季の有明もんの代表格といえば、卵を持った「クチゾコ」。これは舌平目の一種で、名前の由来は「靴底(くつぞこ)」に似ていることから。佐賀では訛って「クチゾコ」と呼ばれています。一般的な食べ方は煮付け。舌平目だけあって、とろけるような口あたりのふっくらとした身が最高です。続いて、日本では有明海にしかいないという「ワラスボ」。これを炙って熱燗に浸した「スボ酒」は、エイリアンのようなグロテスクな見た目からは想像出来ない程ものすごく味が出ます。「ヒレ酒よりも味が出る、という人もいる」そうですが、まさにその通り。このスボ酒のアテに出してくれたのが、また変わった料理。有明海に棲息する「シオマネキ」というカニを殻ごとすり潰して塩辛にし、豆腐にのせた「よこばい豆腐」。かなり塩気があるんですが、豆腐の甘みと合わさると丁度いいから不思議。しかも殻がガリっと砕ける感じと、豆腐がぐにゅっとやわらかく潰れる食感が同居する初めての体験です。日本にも僕がまだまだ知らない食材や料理があるんだなぁと、嬉しくなりました。
- 佐賀県佐賀市水ヶ江2-16-53
「古川料理店」
古川 真浩さん
TEL:0952-23-4259
- 2023年4月30日放送
- 佐賀県佐賀市
- 手作り玉ねぎパン
- 先生に従わず自分流を貫いた結果…
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- 佐賀県は全国有数の小麦の産地。ということで、今回は佐賀市の「パン教室リボン」で裕子先生と一緒にパン作りに挑戦しました。既に一次発酵を済ませたパン生地を触ってみると、ふわっふわな感触に思わずテンションが上がります。北海道産の小麦はパンにしたときに「もっちり」系の食感が楽しめるのに対し、佐賀県産は「ふんわり」が特長なんだそう。伸ばして広げた生地にのせていくのは、佐賀県産の玉ねぎ。実は佐賀県は全国第2位の生産量を誇る玉ねぎの産地でもあるんです。玉ねぎを巻き込みながら丸め、棒状にしたものを「カップに入るように8分割して下さい」と言われたのですが、せっかくなら大きいパンを食べたいのがくいしん坊。先生を説き伏せて、僕のパンは2分割にさせてもらいました。ここへ更に玉ねぎをマヨネーズと黒胡椒で和えた具と、チーズをトッピングしてオーブンにIN!15分待てば、こんがり焼き色の付いた特製玉ねぎパンの完成です!熱々をほおばると、ふわっと小麦の香りが鼻に抜けます。ここに玉ねぎのシャキシャキ感とトロトロ感。水分が溶けだして生地が吸収することで、玉ねぎと小麦のそれぞれの甘さが引き立ちます。あまりに大きいパンに先生はなかば呆れていましたが、結果的に大成功!やっぱり大きいパンが一番です!
- 佐賀県佐賀市
「パン教室リボン」
西 裕子さん
Instagram:@torip527
- 2023年4月23日放送
- 佐賀県太良町
- 竹崎のコハダ
- 銀座の高級すし店で扱われる極上ネタ
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- 江戸前寿司に欠かせないコハダ。銀座の高級店で扱われるネタの多くは、佐賀県太良町の竹崎で獲れたものなんだそうです。今回はこのコハダを猛プッシュする謎のグループ「竹崎コハダ女子会」に接触しました。「コハダ食うなら銀座か佐賀!」をキャッチフレーズに活動するこの女子会は、30~40代の漁師さんの若嫁7名程からなるグループ。コハダを料理しながら、女子会のノリで竹崎のコハダの素晴らしさを前のめりに説明してきます。そもそも竹崎コハダの獲れる有明海は干潟の海で干満の差が激しく、干潮時に太陽の光をたくさん浴びて海においしい栄養分をたくさん与えてくれます。クセもなく形がよく、伝統の投網漁で獲れたバツグンに鮮度の高い竹崎のコハダですが、とにかく足が早くて豊洲市場以外にはなかなか流通に乗りません。しかも一般的には酢〆した物しか食べる機会がありませんが、ここでは生の刺身をいただけます。この地域ではワサビではなく柚子こしょうで食べるそうで、一口食べるとそのおいしさに病みつき必至。酢〆のコハダは「さっぱり」のイメージですが、生のコハダは「トロくらい脂が乗っているときもある」というほど甘い脂に驚いてしまいます。これを握り寿司にしてバーナーで炙ると、刺身以上に表面に脂が現れ、皮目を焼いた香ばしさと相まって最高!塩と白だしで味付けしたつみれ汁も、上品な甘さと弾き返すような弾力がたまりません。今までのコハダのイメージを覆す、魚だけに「目からウロコ」な出会いでした。
- 佐賀県藤津郡太良町
「竹崎コハダ女子会」
舩口 直子さん
- 2023年4月16日放送
- 佐賀県佐賀市
- シシリアンライスでEAT TO WIN!
- ご当地グルメが佐賀の高校生アスリートを勝利へ導く
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- 佐賀県から世界へ挑戦するアスリートを育てるため、昨年、県がバックアップして高校生アスリートのための寮が建てられました。通う高校や競技種目もバラバラの男子・女子合わせて30名ほど。彼らに共通する目的はただ1つ。それぞれが試合で勝つことです。そんな高校生アスリートを支えるのが、管理栄養士の永渕さん。EAT TO WIN(食べて勝つ / 勝つために食べる)の料理として「シシリアンライス」を挙げてくれました。これはごはんの上に炒めた肉と生野菜を乗せ、仕上げにマヨネーズをかけたご当地グルメ。昭和50年頃、市内の飲食店でまかない料理として出されたのが始まりで、現在は家庭料理としても親しまれています。名前の由来は諸説ありますが、当時流行していた映画「ゴッドファザー」の舞台であるシチリア(sicilia)島からシシリアンライス(sicilianrice)と名づけられたというのが有力で、なぜシチリアなのかは今も謎のままです。たぶん今なら「WBCライス」とかになっていたかもしれません。牛肉は筋肉を作るタンパク質を、ごはんはスタミナの基になる炭水化物を補えることに加え、野菜嫌いな高校生もこのシシリアンライスならおいしく食べられると一石三鳥。さらに、炒める前の牛肉をスチームで蒸して余分な脂を落とすというひと手間をかけているそうで、競技によっては体重制限がある生徒のことも考えたスーパーメニューです。佐賀東高校に通う女子水球部の下さんが、永渕さんに感謝の気持ちを伝えると、佐賀龍谷高校に通う女子空手道の福﨑さんは日本一を目指すことを宣言。来年、佐賀で開かれる国スポが楽しみです!みんな、頑張れ!!
- 佐賀県佐賀市天祐1-14-3
「ADmiS ON SAGA」
永渕 久美さん
TEL:0952-60-2186
- 2023年4月9日放送
- 佐賀県神埼市
- アスパラごはんと一本焼き
- 春到来!モデル兼農家オススメのアスパラ料理
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- 佐賀県のアスパラガスの生産量は北海道に次ぐ全国第2位。今まさに収穫の最盛期を迎えています。今回訪れた「よしこちゃんの畑」は、モデル活動をしながら農業に勤しむ奥園淑子さんが農園主。有機肥料と近くの渓谷から引いた清浄な水にこだわって丁寧にアスパラを育てています。朝採れの新鮮なアスパラのおいしさを感じるには、そのままこんがり焼いた一本焼きが一番。塩やマヨネーズも用意して下さったのですが、何も付けなくても十分においしい!何より新鮮な水分と蓄えられた甘みが口中に広がります。実はアスパラは穂先より根本の方が甘みが強く、新鮮なものは筋っぽさも感じません。続いてオススメの「アスパラごはん」を淑子さんに教わりながら僕が作ってみました。生のアスパラを小口切りにして、オリーブオイルや塩、黒胡椒、コンソメを加えて混ぜ、レンジで3分ほど加熱します。アスパラごはんにする場合、茹でたり焼いたりするよりレンジでチンの方が、ほどよく水分が飛ぶんだそう。これを炊いたごはんに混ぜるだけ。食べてみると驚くのは、かなり洋風な料理だということ。オリーブオイルと黒胡椒が、ピラフとはまた違いますが、似た雰囲気を感じさせます。ほどよく絡んだオリーブオイルがほろほろと米粒を独立させ、シャキシャキのアスパラが良いアクセントになっています。春の香りが食欲を掻き立てる逸品です。
- 佐賀県神埼市神埼町田道ヶ里1963-2
「よしこちゃんの畑」
奥園 淑子さん
TEL:0952-52-0189
- 2023年4月2日放送
- 佐賀県太良町
- 竹崎カニ
- 有明海が育んだ驚異の旨み
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- 佐賀県の名物と言えば呼子のイカや佐賀牛が有名ですが、知る人ぞ知るおいしいカニの産地でもあるんです。「ガザミ」といわれるワタリガニの一種で、太良町の竹崎地区近海で獲れるものは特に「竹崎カニ」と呼ばれて珍重されています。通年を通して漁が行われ、夏~秋にかけてはオスの甘みが強く、冬~春にかけてはメスの方が甘みを増し、さらに卵を持っています。ズワイガニなどより身は少ないですが、それを補って余りあるほどの濃厚なみその旨みが人気です。そのおいしさの秘密は「月の引力」。太良町は「月の引力が見える街」として有名なところで、わずか数時間で海の干満差が最大6mにもなります。この潮の満ち引きのお陰で、太陽の光をたっぷりと浴びて栄養を蓄えたプランクトンや、小動物が育ちます。竹崎カニはそれらを食べて育つので、格段においしくなるといわれています。この竹崎カニを熱々に湯がいた姿煮は、みそと卵の濃厚な旨みがたまりません。身もきゅっと締まって弾力があり、格別です。焼きカニにするとこの身は口の中でふわっとほどけ、香ばしさも加わります。水分が飛んだ分だけ旨みが凝縮してくるのも嬉しい誤算。最後の〆はカニの身をたっぷり入れたカニ雑炊。旨みをたっぷり吸わせたごはんはいくらでも食べられます。佐賀の隠れたグルメを発見してしまいました。
- 佐賀県藤津郡太良町大浦甲47
「竹崎観光ホテル 梅崎亭」
梅﨑 卓さん
TEL:0954-68-2585