松岡修造のくいしん坊!万才

毎週日曜 ひる11時45分

これまでの放送内容

20194月〜6
広島特集

塩田とともに消えた幻の郷土料理
201969日放送
広島県竹原市
たけはら魚飯
塩田とともに消えた幻の郷土料理
たけはら魚飯
広島県竹原市は江戸時代前期に塩や酒造りで栄えた豪商の屋敷や、由緒あるお寺が今もなお残る、歴史情緒と潮風が薫る町。古い屋敷が続く町並みは「安芸の小京都」と形容されます。そんな竹原市に伝わる「幻の郷土料理」がたけはら魚飯。これは、瀬戸内でとれた白身魚を焼き、その身を取りほぐしたものと、竹原周辺でとれた山海の具材をごはんの上に盛り付け、白身魚から取っただし汁をかけて食べる料理で、もともとは栄華を極めた塩田の持ち主(浜旦那)が特別なお客さんに作って振舞っていたものなのだそう。しかし、1960年頃に廃止された塩田とともに姿を消してしまい、一般庶民はその存在すら知らなかったのですが、最近になり、竹原の食文化を研究する団体が古い地域誌からたけはら魚飯の記事を発見し、市内の数軒のお店で復活させました。別々に味付けられた10数種類の具材それぞれの味が、熱々のだし汁の中で溶け合い、優しいハーモニーを生み出します。さらに、竹原の名産である竹の器からかおる竹の香りと、目の前に広がる情緒ある町並みが竹原の素晴らしさをより一層感じさせてくれます。
広島県竹原市中央4-1-22
「味いろいろ ますや」
升谷 昌子さん 
Tel:0846-22-8623
201962日放送
広島県呉市
呉焼き
広島風お好み焼きとは別物!?呉市独特のお好み焼き
広島風お好み焼きとは別物!?呉市独特のお好み焼き
呉焼き
お好み焼きで有名な広島県ですが、呉市には「呉焼き」という独特のお好み焼きがあります。その特徴は、大きく2つ。1つ目は「呉の細うどん」を使うこと。その背景には、呉が造船の町であることに由来します。細うどんは戦時中に呉で発展した食べ物で、短時間で茹で上がります。呉の造船所で働いていた人たちが、短い休憩時間でさっと食べるのに重宝され、回転を速くするためにどんどん細くなっていったのだとか。細くてコシがない分、食べやすくて消化に良いのだそうです。2つ目は、最後に半分に折り曲げ、半月形にすること。これは昔のお好み焼き屋さんの店舗が狭く、丸い形のままより半分に折った方が多くの生地を鉄板上に並べられたからなんだそう。また、持ち帰って食べる人が多かったので、包装紙に包みやすいように折り曲げたという理由もあります。一見、生地がクレープに見えるので「呉(くれ)」とクレープをかけたネーミングかと思ったのですが、「歴史に根付いた料理だからクレープと言わないで」と店主の方に怒られてしまいました。
広島県呉市中通3-8-3
「多幸膳」
橘 信宏さん 
Tel:0823-25-8168
2019526日放送
広島県呉市
御馳走一番
朝鮮通信使が絶賛したスゴすぎるおもてなし
朝鮮通信使が絶賛したスゴすぎるおもてなし
御馳走一番
瀬戸内海に浮かぶ広島県の下蒲刈島は、古くから瀬戸内海の海上交通の要衝として栄えてきた島で、江戸時代には朝鮮通信使も立ち寄りました。朝鮮通信使は、江戸幕府が鎖国中にあっても唯一対等に外交関係を持っていた朝鮮王朝からの使者です。接待を担当する各藩は、それぞれの威信をかけ、失礼や失敗がないよう盛大にもてなしました。当時、将軍でさえ「一汁四菜」だったところ、下蒲刈島で振舞われた料理はなんと「三汁十五菜」。幕府の記録に「安芸蒲刈御馳走一番」とあるように、日本全国の中でもここ下蒲刈島の料理が一番だったというのです。丸々一尾を使った鯛の塩焼きから始まり、アワビのしょうゆ煮、鮭のつけ焼きなど地元で獲れた豪華な魚介はもちろん、特筆すべきはキジのつけ焼きやカモの杉焼きなど鳥獣を用いている点です。江戸時代には食肉が禁止されていましたが、朝鮮からのお客様をもてなすためにわざわざこういった料理を選んで作ったんだそう。言葉が通じなくても、どれだけ歓迎の気持ちを込めているのか一目で分かったことでしょう。
広島県呉市下蒲刈町下島2277-3
「公益財団法人 蘭島文化振興財団」
小川 英史さん 
Tel:0823-65-2900
2019519日放送
広島県呉市
呉の屋台
呉に行ったら寄らなきゃソン!絶品の豚足
呉に行ったら寄らなきゃソン!絶品の豚足
呉の屋台
広島県呉市の蔵本通りには、夜になるといくつもの屋台が軒を連ねます。呉の屋台は上下水道・電気を完備した全国でも珍しい屋台で、中でも一番古くから営業しているという「かさ」に入ってみました。こちらの名物は、なんといっても豚足。沖縄の「テビチ」とはまったくの別物で、ラーメンのスープで茹でた後、塩・コショウを振って鉄板で焼いたもの。外はカリカリで、中はトロトロ。うま味がぎゅっと詰まっていて、無心でかぶりついてしまいます。呉は鉄鋼・造船の街なので、こういった労働者が安くて力を付けたいと、豚足を食べるようになったそう。さらに、細麺の豚骨しょうゆ味の「中華そば」も絶品!何より屋台の味わいは、同じ卓を囲むお客さん同士の出会いです。実はこの日いらっしゃった常連さんの中で、2組の夫婦はこの屋台で知り合ったそう。さらに大将の夫婦も、もとは客と店主の関係だったのだとか。僕が知る限り、日本で一番出会いの多い屋台なんじゃないでしょうか。おいしい料理と、お客さん同士の垣根のない会話、呉の夜は毎日がお祭りです。
広島県呉市蔵本通り
「屋台 かさ」
坂本 博史さん
2019512日放送
広島県呉市
あわさ汁
お店では味わえない島の味 牡蠣とアオサのハーモニー
お店では味わえない島の味 牡蠣とアオサのハーモニー
あわさ汁
広島県の呉市から愛媛県の岡村島までを結ぶ「とびしま海道」の中で、呉市から1つ目に当たるのが下蒲刈島。今回はこの島に伝わる「あわさ汁」という家庭料理を、地元の方々に教わりながら僕が作ってみました。料理名の「あわさ」とは「アオサ」の地域名。また、「汁」と名前が付いていますが、実態は雑炊です。鍋に昆布とイリコでとっただし汁を張り、干し大根、椎茸、人参、油揚げ、牡蠣を入れて5分ほど煮立たせます。そこへ入れるのが、炊きあがったごはんでなく、生米。不思議にも10分程煮ると芯がなくなります。味付けは自家製の味噌ですが、味見をした方が「あまい、味噌が足りない」と仰るんです。
当初意味が分からなかったのですが、なんでもこの島では「味が薄い」ことを「あまい」と言うんだそう。最後にあわさを入れてひと煮立ちさせれば出来上がり。カンタンですが、これがメチャクチャおいしい!牡蠣やあわさから出るコクと潮の香りがほど良く、何杯もおかわりしてしまいました。
201955日放送
広島県呉市
炒り玉子と海老の押し寿司
こどもの日にオススメ!押し寿司にひと工夫で豊かな味わいに
こどもの日にオススメ!押し寿司にひと工夫で豊かな味わいに
炒り玉子と海老の押し寿司
今日は広島のTV等でご活躍されている峰先生に、こどもの日にぴったりな料理を教えて頂きながら、僕が調理にチャレンジしました。この押し寿司には炒り玉子を使うんですが、炒り玉子の上手な作り方があるということにまず驚きました。ポイントはフライパンに油をひくのではなく、卵に油と水も混ぜてしまうこと。そして、熱したフライパンではなく、火を点ける前の冷たい状態のフライパンに先ほどの卵液を入れ、かき混ぜながら弱火でじっくり熱を加えていくんです。試しに出来上がった炒り玉子だけを食べてみましたが、ふんわり柔らかな出来栄えで料理が上手になった気がしました。押し寿司は、木箱の中に茹でエビ、炒り玉子、タケノコ入りの酢飯、大葉を詰めて10分ほど重石をすれば完成なのですが、ここからが普通の押し寿司と違うところ。
イクラやしょうゆで炒めたタケノコ等、お好みの具を押し寿司の上にトッピングするんです。こうすることで食感に立体感が出ますし、味にも色々な食材によって深みが出ます。お子さんも「何を乗せようかな」と楽しみながら食べられるところが良いですね。
2019428日放送
広島県呉市
久比のうどん汁
100人分を大釜で作る島の男たちの自慢料理
100人分を大釜で作る島の男たちの自慢料理
久比のうどん汁
かつて北前船が立ち寄った広島県の大崎下島。島の中でも特に静かな久比という地域には、一度消えかけた郷土料理があります。それが「久比のうどん汁」。元々法事の際の振舞い料理だったため、普段の家庭料理として少量を作ることはありません。大釜で100人分をドーンと作ります。材料を切るのは女性の仕事、実際の調理や味付けは男の仕事です。人口減少と高齢化により一時は作るのを止めたそうですが、せっかくの伝統を絶やしてはいけないと保存会が立ち上がり、今ではイベント等で人気の料理になりました。
昆布と干し椎茸の戻し汁でとったダシ汁に玉ねぎ、油揚げ、椎茸、じゃがいも、里芋を段階的に入れ、しょうゆやみりんで味を調えたら、最後に島の固い豆腐を入れてひと煮たち。
「うどん汁」の名のとおり、うどんは具の一部であってメインは汁というだけあって、器にはこぼれんばかりに具を盛り付けます。野菜から染み出る優しい味が汁やうどんに絡まり、気付くと2杯3杯はつるっと完食してしまいます。島のレモンを加えると、ベトナム料理のフォーにも似た爽やかな味になり、また2杯3杯食べられます。
2019421日放送
広島県竹原市
小吹のタケノコ
シャキシャキで味が濃い!タケノコ掘りにも挑戦
シャキシャキで味が濃い!タケノコ掘りにも挑戦
小吹のタケノコ
歌手・村田英雄さんが唄った「竹原音頭」の冒頭のフレーズ「♪たけのこ生えればよ~」にあるように、タケノコは竹原市の名産品として知られています。「竹原」の名前の由来も、古くから竹林が多かったためなんだそう。中でも特に小梨町小吹地区のタケノコはやわらかく甘みがあるため、築地市場(現在は豊洲)ではシーズン初めに3,500~4,000円/kgの高値を付ける高級品。今回はタケノコ掘りに挑戦して、奥様特製のタケノコ尽くし弁当をごちそうになります。
茹でてアクを取った「刺身」は、滑らかな舌触りとシャキシャキの食感、そして鼻に抜ける春の香りと濃厚な甘みがたまりません。パン粉にチーズを加えて揚げたタケノコのチーズフライや、タケノコの海苔巻きなどアイデア料理も盛りだくさん。なんといっても、ご主人と奥様のタケノコ愛がすごかったです。
2019414日放送
広島県東広島市
人生に勝つ!サンド
「輝け!くいしん坊映え大賞」最優秀賞受賞作品
息子の言葉に思わず涙・・・母の愛が詰まったカツサンド
息子の言葉に思わず涙・・・母の愛が詰まったカツサンド
人生に勝つ!サンド
インスタグラムで開催した『輝け!くいしん坊映え大賞』。見事、最優秀賞に輝いたインスタアカウント「nancychannel」こと松浦さんのお宅を訪ねました!
松浦さんが今回投稿した「人生に勝つ!サンド」は、そのイラストのクオリティや僕のキャラクターに引っ掛けたアイデアはもちろん、一番の「くいしん坊映え」ポイントはその背景にあるエピソード。実はこのカツサンド、中学から大学までソフトテニスをやっていた息子さんのために、試合の日や遠征の日に作っていたお弁当なんです。その息子さんも今は社会人3年目。テニスコートでなく、社会が勝負の場。「そばにいられないけれど、いつも応援しているよ」という気持ちを込めて、帰省から東京に戻る彼の手に持たせたんだそうです。
そんなお話を伺っている最中、なんと息子さんが撮影現場にやって来ました!これには僕もビックリ!息子さんからご両親へ感謝の言葉が伝えられると、思わず涙するお母さん。素敵なご家族の姿に僕も感動してしまいました。カツサンドもとっても美味しかったですが、それ以上に”心”を味わえたことが一番嬉しかったです。