ドラマ初ヒロインのオファーを受けた際の心境を聞かせてください。
福田:
「ヒロインです」と言われて2ヵ月くらい経ちますが、いまだに「何してんのやろ?」と。今日のように取材を受けながらも「何これ?」という感じで(笑)。恐れ多く思う日々です。
ただ、作品自体が面白いこともありますし、脚本や原作を読んで、状況を半分俯瞰(ふかん)で見ているところなど南綾子というキャラクターのパーソナリティが自分に似ていることもあって、「そういうことなら」と納得できましたし、頑張ろうと思いました。
監督からも「普段の福田さんの標準語版で大丈夫」と言われていて。ホンマに自分と違うところが少ないので、役作りのしようがないというか。ナチュラルに演じられたらと思っています。
八木さんは今回、幽霊役を演じます。役柄を含め、オファーを受けた際の心境を聞かせてください。
八木:
幽霊の役をやらせてもらうのは初めてで、しかも役名が「山田クソ男(お)」という、かなりインパクトのある名前ですし、「え?クソなの?」と驚きました(笑)。
名前通り「すごくクソ人間なんだろうな」と思われると思うのですが、原作や脚本を読んで、チャラチャラしてるけどピュアで憎めないキャラクターだなと僕は感じています。
人に対して「好き」と言うときも、誰にでも言っているような軽い言葉に思われるかもしれませんが、山田にとってその瞬間は間違いなく「好き」だと思っていて、嘘はついていないんです。ピュアで裏表がない部分が魅力的なキャラクターだなと思いますね。
たくさんの方々に支えていただきながら、“スーパーポップ幽霊”を頑張って演じたいです!
芝居での共演は初めてのお2人ですが、お互いの印象は?
福田:
すごくフラットというか、人見知りをあんまりしない方なのかなと。あとは、FANTASTICSの中島颯太くんが知り合いで、事前に話を聞いたのですが、「(八木さんは)天然なので、話がかみ合わないかも」と言っていて。
八木:
そんなこと言うなよ(笑)。
福田:
まだ今のとこ話はかみ合っていそうなので、安心しています(笑)。何より、いつもめちゃくちゃ自然体で、しゃべりやすい印象ですね。
これからいい雰囲気で撮影に臨めそうですか?
福田:
そうですね。ただ、この間、読み合わせをしたのですが、まだちょっと“イケメン感”に慣れないというか。翻弄されるシーンのときに、顔を近くで見ると、まだ「カッコいいな」と思っちゃいますね。
八木:
ははは(笑)。
八木さんは、福田さんにどんな印象を持っていますか?
八木:
僕も、颯太から話を聞いていましたし、麻貴さんは三浦翔平さんとも仲がいいんですよね?
福田:
そうですね。
八木:
この前、翔平さんとご飯を食べに行ったときに、麻貴さんのお話をいろいろと聞きました。そのなかで、一番印象に残った話は、打ち上げか何かに麻貴さんが顔を出したときに、「イケメンいないんかい!」って言ったという…その話がすごく面白くて(笑)。
福田:
ははは!それね(笑)。翔平さんから「今○○の焼肉屋さんにいるから来ない?」という連絡が来たときに、私はもうご飯を食べ終わっていたし、時間的にも行こうか迷っていたんです。でも、「たぶん、行ったらカッコいい人がおんねやろな」と期待をして行ったら、おばたのお兄さんとEverybodyの(かわなみ)choy?がおって。「芸人かいっ!」と(笑)。その場では心の中でツッコんでいて、それを後日トーク番組で話したんですけどね。
八木:
心の声だったんですね(笑)。
劇中、綾子の心の声がたびたび入ってきますが、心の声の芝居で難しさなどは感じていますか?
福田:
読み合わせの時点では、声に出すセリフも、モノローグ(心の声)も両方覚えてきてくださいと言われていたので、難しいなと思ったのですが、意外と大丈夫かもしれないと思っています。
八木:
すごい…。
福田:
読み合わせではモノローグをしゃべりながら、通常のセリフも切り替えて芝居をしていたので、そのときが一番難しかったかもしれないです。撮影に入ったらどうなるか…これからですね。
八木さんは、幽霊役の演技プランなど、今考えていることはありますか?
八木:
「幽霊ってなんだろう」と考えると、「怖い」「会いたくない」という対象だと思います。でも、山田に関しては、綾子さんと接しているときは自分の内面をさらけ出すような人。
「成仏したい」という思いが山田の一番の目的で、そのために綾子さんの婚活を応援するのですが、その自分の“思い”に貪欲に見えるように演じようと思っています。
もう死んでいるし、死んだことに未練はないけど、綾子さんが一つのゴールに向かって頑張る姿を見て、何か思い始めるのかな…。撮影が始まったら、そういった変化も楽しんでいきたいです。
あとは、綾子さん以外とのシーンは、例えば婚活パーティの会場で幽霊はどこにいるんだろうということも考えていて。綾子さん以外には見えていないので、誰かのすごく近くに立っているかもしれないし、会場の隅でちょこんとしているかもしれないし。そういう広い画でパッと見たときに、楽しんでもらえるポイントになったらいいな、と。
それに関しては現場に行ってみないとどうなるか分かりませんが、「山田はこういうところにいると思う」などと監督ともコミュニケーションをとりながら、自分が思う“幽霊っぽい”ことを相談しながら、作り上げていくことになると思います。
2人の掛け合いも見どころの一つ。すでに話し合っていることがあれば、聞かせてください。
福田:
まだ話し合ってはいません。ただ、先日の読み合わせで、まだ物語前半の2人が仲良くない段階の掛け合いをやったときに、監督から「バッチリすぎるので、もう少し心の距離を離してください」と言われました。それくらい、意外と掛け合いはうまくいっていますね。
八木:
そのときは、リハーサル室に綾子さんの部屋を仮で作ってやっていたので、それが本番のセットになったら、また新たなアイデアが浮かんでくるのかなと思っていて、楽しみにしているところです。話が進むにつれて、掛け合いは変化してくると思うので、見てくださる方も楽しみにしてもらえるとうれしいですね。
福田:
そうですね。最初のほうは山田に心を許していなくて「クソ男(お)」と呼んでいるくらいですが、翻弄されて、結局いい掛け合いになってしまう綾子も見どころかと思います。
八木:
僕、本読みのとき、本当に楽しかったんですよね。「好きだよ」とか、ポンポンと言う山田の言葉を、綾子さんがジリジリ食らいながらもかわして、かわしてっていうテンポ感がものすごく良くて。これからの撮影が待ち遠しいです!
福田:
よかった(笑)。
最後に、ドラマを楽しみにしている視聴者にメッセージをお願いします。
福田:
女性は共感できると思いますし、男性には「女性ってこんなふうに思ってるんだ」と知ることができる作品です。生々しい面白さ、コメディのポップな面白さがありつつ、ちょっと心に刺さる部分もあるので、いろいろな感情になって見ていただけたらと思います。
八木:
原作は関西弁で口調もかなり強い感じでしたが、ドラマは標準語にすることで、少しマイルドになっています。だからこそ、見てくださる皆さんにはキュンとしていただけると思いますし、しっかりとメッセージを伝えていきたいなと思っています。
笑えて、泣けて、痛感、共感する、水曜日22時が週に一度の最高の楽しみになるように頑張りますので、たくさんの方に見ていただけたらうれしいです。