インタビュー

タモリさんインタビュー

35年間の放送を振り返って、特に印象に残っている作品を教えてください。

色々ありますが、『ズンドコベロンチョ』ですかね。ほんとに他にも色々あります。

ストーリーテラーを演じるうえで、意識されていることはありますでしょうか。

(意識は)してないです。いつもセリフを覚えるだけで精一杯です。強いて言えば、無機質にやればいいのかなと思っているくらいですね。

初期の頃は、各エピソードの中のワンシーンにテラーが登場したり、はたまた別の役としてカメオ的な出演もされていますが、特に印象に残っている撮影はありますでしょうか。

いろいろな役をやりました。特殊な役ではないですが、普通のおじさんの役をしたときに、撮影現場の近くで待機していたら、そこで撮影を見ていていいんだと思った通行人の方々が集まってきて、“何やってるんですか?”って私に聞いてくるんですよ。“ドラマの撮影じゃないですか~”なんて答えたりしていたら、かなりの人がどんどん集まって来てしまって、見学者席みたいになってしまったことがありましたね。あれはよく覚えていますね(笑)。

ちなみに、撮影でADさんに怒られたことがあると聞きましたが…

あれは忘れもしないですね。“おでん屋さん”役のシーンで、現場(撮影)がかなり押して食事の時間も取れず、お腹が空いてしまって。目の前にいっぱい撮影用のおでんがあったので、『ひとつくらい食べても大丈夫だろう』と、一緒にいた鶴ちゃん(片岡鶴太郎さん)と食べてたら、『食べちゃだめじゃないですか!おでんの見た目(のカット)があるんですから!』って烈火のごとく怒ったADが飛んできて叱られて。ただ、私たちは“おや?”と。我々の見た目のおでん(のカット)なら分かるんですが、“おでんの見た目”って、おでんに目がついているわけないのに(笑)、それくらい彼は怒ってましたね。そしてその撮影が終わって、結局ほぼ何も食べられずにロケバスに戻ってドアを開けたら、そこで当時のプロデューサーがケンタッキーをバクバク食べてて。あれは腹立ったなぁ(笑)。

これまでさまざまな監督が「奇妙」を演出してきましたが、一番記憶に残る監督はどなたでしょうか。

それぞれが面白い監督でしたね。ただ、一番は星くん(星護監督)ですかね。ユニークな人で、演出をするときに自分で演じてみるんですが、これが本当に下手(笑)。下手っていうか変なんです(笑)。その通りやれって言われてもこっちはできないんですよ。当初は『この人どうなんだろう?』と思っていたのですが、でも何度かやっているうちにだんだん面白くなってきて、星くんの演技指導を見たくなって、わざと“星くん、これどうやるの?”なんて聞いたりしてました(笑)。ところが、出来上がったものを見ると、画は良いしよくまとまっているし、本当に腕が良くて…感心しましたね。去年久しぶりに彼に会ったのですが……やっぱり変でしたね(笑)。

タモリさんがこれまでに遭遇した“奇妙”な出来事を教えてください。

私の人生自体がぜんぶ“奇妙”です。