インタビュー

台本を読んだ感想

ハートウォーミングな、救いのある、でも容赦ない、大好きな作品です。監督の星さんとは1995年放送の『世にも奇妙な物語』の短編『地獄のタクシー』以来でしたが、昔と変わらず映像のイメージがはっきりなさっていて。イメージをすり合わせたり、折り合いつけたりするのに悩むこともありましたけれど、葛藤が多ければ多い分、成立した時の喜びは大きいですよね。その熱が各シーン、各カットに表現されていると思います。

勝地さんについて

勝地さんとは今回初対面でしたが、非常に真面目な方ですよね。正直で、自分の気持ちを大切になさっていて。嘘のないよう、現場で常に葛藤しながらだったかも知れませんけれど、温度もその分高くて。僕とは対照的だったかもしれないけれど、コンビっていうのはお笑い芸人のボケとツッコミじゃないですけれど、そういう組み合わせのほうがいいと思いますよね。

『世にも奇妙な物語』について

『世にも奇妙な物語』には特別な思い入れがあります。今回これでちょうど10本目の出演作。90年代、共同テレビの強烈な演出陣との作業が本当に楽しかったので、その熱を久々に思い出させていただきました。もともと幻想怪奇の世界は好きでしたし、そういうものがドラマでシリーズ化できないかなって思っていたときに『世にも奇妙な物語』のような作品が出始めて。当時はバブル経済が崩壊しかけていた時で、世の中が落ち着かない、何を信じたらいいのかわからないような状況で。そういう時代だからこそ、返ってファンタジーやホラー作品を、生身で生きてる人たちが求め始めたんでしょうね。幻想怪奇の世界は、幽玄で捉えどころのない面もあるけれど、ままならない市井の人たちに安らぎを与えてくれるような、そして演じている僕らも救われるようなメッセージが込められていると思いますし、見ている人と作り手の魂の交流ができればいいなと思って演じています。他の作品との組み合わせも楽しみにしています。