世にも奇妙な物語 春の特別編
- 息を切らして逃げる男、追って来る刑事。逃げ切ることができず、結局取り押さえられた男の名は、松倉準(稲垣吾郎)。「ちがう、俺はやってない」と叫ぶ声もむなしく、手錠を掛けられてしまう。取調室につれてこられても、ひたすら罪を否認する松倉の前に、VTRが運び込まれた。流れてくる映像は、防犯カメラのもののようだ。次々といろいろな店で犯罪を繰り返しては、狙ったかのように防犯カメラにその顔を映し出す犯人。その顔は、まさしく松倉そのものだ。それでも必死になって犯行を否定する松倉の口から飛び出した言葉、それは「僕はこいつに顔を盗まれたんです」だった。
- 子供は欲しいけど、男はいらない。女性の社会的地位の向上により、結婚は過去の遺物となり出産は試験管ベビーとなった時代。母親の愛情のみを受けて育つ子供たちは、父親という言葉の意味すら知らない…。
小百合(飯島直子)もそんな母親で、息子の純は、小百合の愛情を一身に受けて育っていた。そんなある日、小百合のもとに一通のダイレクトメールが届く。『父親レンタルロボット』の勧誘だった。純も欲しいと言い出し、宣伝文句にも誘われた小百合は、試してみることにする。そしてやってきた父親レンタルロボットのタロウ(仲村トオル)と純は、次第に打ち解けていき…。
- ストーカーの男につきまとわれている麻美(京野ことみ)は、今日も夕方の商店街を歩いていると、数メートル後ろに怪しげな男がいることに気づいた。意を決して、「いい加減にしてください!」と言い放つ。しかし、そんな麻美にも、名前も知らないが好きな男(池内博之)がいた。ドラマのように偶然出会った男に一目ぼれしてしていたのだ。彼も、きっと私に好意を持ってくれているはず…思いが爆発した麻美は、ついに彼の家を突きとめて、押し入ってしまう。
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- 原作
- 東野圭吾(「超税金対策殺人事件」『超・殺人事件-推理作家の苦悩』所収 新潮社
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- 人事件」『超・殺人事件-
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- 推理作家の苦悩』所収
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- 新潮社)
- 脚本
- 橋本裕志
- 演出
- 村上正典
- 長い下積みを経て売れっ子作家となった推理小説作家の樋口円(西村雅彦)。ある日のこと、小説を執筆中の彼の耳に、ガッシャーンというけたたましい音が響いてきた。何事かと音のした方に歩み寄った彼の目に映ったのは、コーヒーを散乱させて卒倒している妻(大塚寧々)と、法外な金額が記された書類だった。それは、彼が支払うべき税金の金額。とうてい背負いきれる額ではない。
会計士が言うには、領収書がほとんど経費として認められないという。売れっ子になって豪遊しすぎたのだ。税金を減らすには、領収書の使用用途が、小説にしっかりと反映されていることを証明しなければならない。樋口は、執筆中の連載の中で帳尻を合わせることを試みるが…。
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- 原作
- 小林泰三 (「影の国」
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- 『ホラー・アンソロジー 舌
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- づけ』所収 祥伝社)
- 脚本・演出
- 落合正幸
- 若桜萌(桜井幸子)は心理カウンセラー。その日も診療所のパソコンでクライアントのデータをファイリングしていると、見覚えのないデータを発見する。カウンセリングの模様を映したVTRを見てみると、確かに萌がカウンセリングをしているようだ。しかし、どうしてもそこに映る患者(大杉漣)が誰だか思い出すことができず、VTRを見続け、画面の中で語る男の声に耳を傾けているうちに…。
出演者のお名前は、現在改名、新たに襲名された方についても、出演当時のお名前を表記しております。
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