君が心をくれたから

『君が心をくれたから』の出演オファーを受けた時の感想は？

「純粋に嬉しかったです。ただ、内容的にはすごく難しい部分や、演じていて苦しくなることも多いだろうと感じたので、“大丈夫かな？”という不安もありましたが、共演に山田裕貴さんがいらっしゃるし、なんとかこの冬を乗り切れたら良いなと思いました」

台本を読んで難しい、苦しいと感じるところは？

「客観的に読む時と、雨ちゃんとして読む時では感じ方が違います。ただ、共通して感じるのは、相手のことを思っての言動が、相手にとっては苦しかったりすることでしょうか。みんながお互いのことを思ってやっているのに、お互いに苦しくなる…。“なんでこんなに報われないんだろう！”と思ってしまう場面が多いですね。雨ちゃんとして読んでいると、さらに心苦しくなったり、演じていても“これで良いんだろうか？”と思ってしまったり。胸が“ギュッ！”となるシーンが多いですね」

改めて、雨はどのようなキャラクターだと思いますか？

「すごく強い人だと思います。雨ちゃんは自分には全く自信なく過ごしてきているけれど、自分の大切な人のためには心を捧げられる。それって、簡単なことではありません。私なら無理だなと思っていまいます（笑）。実は内面がすごく強い子だと思うんです」

今作はファンタジーラブストーリーということですが、どのようなファンタジーですか？

「いろいろなファンタジー作品があると思いますが、今作はラブストーリー×ファンタジーです。ファンタジーが奇跡だとすると、“誰かを想うこと”も奇跡だと思いますし、“お互いに心を通わせて愛し合えること”もそうだと思います。家族でも恋人でも友人でも、そう思えること自体が普通のことではなく、ありがたいことなんだと感じられる作品になっています」

山田さんとは約２年ぶりの共演ですが、その時の印象と変化したことは？

「山田さんとは、“２年間でそんなに変わったことはないよね”と、お互いに話しています。でも、それぞれに２年間でいろいろな経験をしているので、周りの方から見たらいい意味で変わっている部分もあるだろうと思います。そんな、自分たちが感じていない部分の変化が今回のお芝居にも出せたら良いと思っています」

長崎ロケはいかがでしたか？

「南だから勝手に暖かいと思っていたんですけど、結構寒かったです（笑）。でも、長崎の異国情緒あふれた雰囲気が、作品のファンタジー感を増してくれました。ドラマの内容とピッタリな場所で撮影できるのは、すごく幸せだと思いました」

特に印象に残った場所は？

「これはキャスト、スタッフ全員が感じたと思いますが、夕陽のシーンを撮影するために何回も公園に行ったんですけど、撮影を始めようとすると絶対に沈んでしまうんですよ。そうして何度も行って、ようやく撮影出来たことが良い思い出になっています」

山田さん以外の共演者の方とはどのような話をしていますか？

「案内人役の松本若菜さんと収録の合間によくお話をしています。食のことや、休日の過ごし方とか…。初めて共演するので、お互いのプライベートな話をしています。松本さんは“あの世からの案内人”を演じられていて、撮影中は笑顔も少ないんです。ですから、収録との切り替えが面白くて（笑）。斎藤工さんもそうなんですけど、カットがかかると現実世界に戻ってくるような切り替えの早さには、プロ意識も感じながら面白くて観察してしまいます」

2024年はどのような年にしたいですか？

「2024年は今作から始まって、皆さんにご覧いただける機会が多くなると思います。自分としては、いつも通り着実に、無理しすぎず頑張りながらやっていきたいです」