君が心をくれたから

2024年1月8日 成人の日 スタート 毎週月曜よる9時 放送

(以下、敬称略)

お二人はかつて共演もされていますが、改めて今作での共演については?

「私が演じる雨は背負うものが大きいので、演じていて現場で苦しくなることが、今までとは比べものにならないぐらい多いだろうと思いました。ですので、雨の相手役の太陽を山田さんが演じると伺って、すごく安心しました。寄り添いながらも、引っ張ってくださるだろうと…。“山田さんがいる”ということでドキドキが消えた感じでした。お芝居も現場の空気感も、山田さんが本当に太陽としていてくださることになると思います」

「その言葉が聞けて良かったです(笑)。もちろん、そういう存在でいなければいけないですし、僕も以前に共演していて空気感も分かっているので、安心感しかないです。あとは、芽郁ちゃんが演じる雨が抱えるものの重さを、お芝居の中でも、収録の合間でも、フォローできたらいいと思います」

お二人が演じられるキャラクターはどのように捉えていらっしゃいますか?

「雨は幼少期から、みんなに憧れられたり、望まれるような人ではなくて、“なんで私は?”と、自分を卑下しながら生きてきた人です。笑えるんだけど笑い方が分からないような、心の中に色々なものを秘めた女性だと思っています」

「まだ、説明が難しいよね」

「はい。でも、太陽のためには心を差し出す強さもあるんです。その強さと儚(はかな)さと弱さのバランスが、人を惹きつける女性だと思います」

「そうですね。太陽は雲で翳ってしまうこともあるし、夜は出てきません。僕は雨に対して、ものすごく繊細に接していかなければいけないので、“太陽”という名前だからと言って、無神経にピーカンに輝いている感じなのはすごく嫌だなと思っています。“太陽だから明るい”だけではなく、いろいろな顔を持っている太陽でいたいと考えて演じています。秋の太陽は優しくぽかっとする暖かさがあり、夏のように暑い太陽もあれば、冬は寒さの中でも太陽が出ていて良かったと思う日もある、そんなイメージを持ってくださると、より太陽を魅力的に見ていただけるんじゃないかと思います。僕自身に明るいイメージを持たれている方が多いと思うのですが、実は全くそうではないので…。だからこそ、僕が演じる太陽のイメージも、ただ明るいだけではない面を出せれば良いですね」

長崎が登場するドラマですが、台本を読んでいかがですか?

「企画の段階でお話をいただいた時から、すごく苦しみも感じるけど嘘がないと言うか…。もちろん、ファンタジーではあるんですけど、一人一人のキャラクターの感情に嘘がないなと思いました。“心を奪われる”というのは表現としてとても難しいんです。今、私が持っている表現力の全てを使っても足りないだろうと。だからこそ、新たな挑戦として雨を演じたいと思いました。そこから台本が改稿されていく中で、もっと細かく表現され、よりピュアさが増すところもあれば、なかなか辛い場面もあったりしています。私は演じている時も、完成した映像を見ている時も、涙を流すことが多くなると思います。でも、私は泣ける物語や、それを見ながら涙を流すことが好きなので、純粋にそういう物語に参加出来るのは嬉しいです」

「僕も一緒です。泣ける、感動する物語が好きですし、ファンタジーも好きです。僕は単なる恋愛ものだったら“やりません”と言ってました(笑)。そうではないところがとても大事で、(今作は)人の心や関係性、愛情を見つめられるドラマなのですごく参加したいと思いました。“心を奪われる”ことは想像の中でしか感じられないけど、想像することは出来ます。想像するということは、人のことを思ったり、考えたりすることですよね。今の世の中は、そういうことがすごく欠落しているから、無下に人を批判したり、けなしたりしてしまうんじゃないかと思っていて、“そんなところをもう一度見つめ直してみましょう”というドラマであることに僕は魅力を感じました。『君が心をくれたから』というタイトルは、誰に心をもらうのか、その心というのは言葉なのか行動なのか、観てくさだる皆さんも一緒に考えていただけたら嬉しいです。それを日々のありがたみとして感じるべきだし、当たり前の日々が幸せであるということを、もう一回拾い集めてみたいと僕は思っているので…」

今回の撮影に臨まれて、お互いに刺激を受けていることは何ですか?

「刺激ですか…」

「ここで考えちゃうとないみたいじゃない(笑)。僕はあるよ!」

「なんかそれ、すごいイヤです!(笑)」

「刺激っていう言葉が合ってるのか分からないけど、芽郁ちゃんには安心の方がやっぱり大きいです」

「そうなんですね」

「頼ってます!」

「え?そうなんですか?」

「自分は悲しい顔で演じてはいけないところで、雨の表情を見ているだけで自然に笑顔になることもあったり、そういうところですごく助けていただいています」

「それで言うと私もあります!山田さんは基本的にずっとフラットで、何かに感情的になったり、疲れて落ち込んでいる姿を見たことがないんですよ。でも、本番の直前に空気を変えてしまう力を持っています。それにはいつも、“ちゃんと演じなきゃ”と引っ張ってもらえるので、すごいなぁと尊敬しています」

「それなら、芽郁ちゃんも普通に喋っていたのに、本番ですぐ涙をポロって流すじゃないですか。それがすごいですよ!」

「本番だからといって、山田さんは意識して空気を変えようとしてないのもわかるんです。前回共演した作品では少しハジけた感じの役だったんですが、今回は毎シーン毎シーン集中して、丁寧に作らないといろいろなことが上手く繋がらなくなってしまうこともあって、監督とも話し合いながら作っているので、山田さんのすごさをより一層感じています」

「今のは(僕の)評価上がるな(笑)」

「上げちゃったかしら?(笑)」

お2人は2年ぶりの共演となりますが?

「はい。別の作品をやられている時にスタジオでお会いしたこともあって、きっと意識はされていないんでしょうけど、山田さんは演じられている役によって見せる表情が変わるので、2年前に共演した時とは違うという印象を抱きました。今回は、ようやくご本人の素に近い瞬間を見る時間が増えたかなと思います。(山田さんは)太陽に性格が近いですよね?」

「そうかも。あと、作品のテイストもあると思います。今回はリアルに表現していく心の流れが多いから、自分に近いところにギアを置いておいた方が、自然に時や感情が流れるんじゃないかなと思っていました。僕は、芽郁ちゃんとは2年ぶりに会ったけど、そんなに印象が変わっていないと思います。2年前も若いのに考え方がすごくしっかりしてましたから。でも、撮影が進むうちに新たな面も見られるのかな」

「じゃあ、それを今回の撮影のテーマにしましょう!クランクインからアップまでのお互いの印象の変化を感じるということで!」

「そうですね!」