春木椿役
松下洸平さん
- 『いちばんすきな花』への出演オファーを受けた時の感想は?
- 「村瀬(健)さんと生方(美久)さんの前作『silent』を拝見していて、特に生方さんが描かれる脚本には僕もいつか関わらせていただきたいと思っていたので、オファーをいただき、とても嬉しかったです」
- 生方さんの台本を読まれた時の印象は?
- 「生方さんならではの言葉が詰まっていましたし、今作のテーマ“男女の友情”だけではなくて、自分の性格や生まれ持っての境遇によって生きづらさを覚えている人たちの苦しさがとってもリアルです。(主人公たち)4者4様の不器用さみたいなものが、きっと皆さんの共感を呼ぶと思いましたし、僕自身も読んでいて“わかるわかる”、“こういうことあるよなぁ”と思えることがすごく多かったです。“二人組にはなれない”というキーワードがありますが、とは言え4人とも“1人にもなりたくない”ひとりぼっちが嫌な人たちなんですよ。人間関係のわずらわしさから、気づいたら1人になってしまうんですけど、人がみんな持っている“さびしい”という気持ちはあるので、そこが今作の“せつなさポイント”になっていると思います。“2人になれない”、“2人にさせてもらえない”…なら“1人でいいや”ではない人たち。誰かの温もりをいつも求めているし、人と一緒にいたいという思いを捨てきれていない人たちだから愛らしい、愛おしくなっていく作品だという気がしました」
- 春木椿はどのようなキャラクターと捉えていますか?
- 「椿は子供の頃から、周囲の人たちに“変わり者”だと思われることが、コンプレックスになってしまった青年です。その個性を活かすことが出来る世界もきっとあったはずなのに、椿は世間体を気にしてしまうことで真面目に生きざるを得なくなった。僕が椿を演じることによって、椿には自分のままでいいんだよと言いたいし、自分のままでいられる仲間も探して欲しいです」
- 椿を演じる上で留意なさっていることは?
- 「徐々に椿が本音を吐露するような場面が出てきます。そこは大切に演じたいと思っています。あとは、ゆくえ(多部未華子)、夜々(今田美桜)、紅葉(神尾楓珠)と出会った後も3人は椿を変えてくれると思うので、先の台本を楽しみに待っています。演じる上で村瀬さんからは、“無自覚に可愛い人でいて欲しい”という難題をいただきました(笑)。がんばって体現しようと思っているのですが、椿は社会人で36歳という年齢なので…。その塩梅は毎回監督と相談しながら演じています。ポップになりすぎた時は監督が抑えてくださいますし、とは言えクールになりすぎてしまうと椿が持っている人の良さみたいなところが無くなってしまうとも思うんです。ですので、その都度、監督や村瀬さんと相談しながら椿を作っています」
- 椿に何かアドバイスするとしたら?
- 「アドバイスというか、本当にシンプルに3人に出会えて良かったねと言いたいです。3人との出会いが椿を救ってくれることになると思います。でも、男女2人ずつなので、ここに作品のテーマとなっている“男女の友情は成立するか?”という大きな壁が立ちはだかってくると思いつつ、椿は今まで本音で話せる人がいなかったので、それが出来そうな人たちと出会えて良かったねと、今は言っておきたいです。」
- 収録現場の雰囲気はいかがですか?
- 「すごく楽しいです。楽しいことが好きな方たちだなと感じています。4人のシーンが多いので、椿家のテーブルを囲んでいるシーンの待ち時間などは、他愛のない話をしていたりします。カメラが回っていないところでの僕たちの空気感も、これから先の映像に活かされるのではないかと思います。1話で4人がそろった時は、まだそこまでの雰囲気ではなかったので、演じる4人のキャラクターとも重なって逆にちょうど良かったかもしれませんが、最近はどんどん仲良くなって来たので2話のシーンを撮影している時に、監督から“ちょっと仲良すぎかも”と指摘をいただくぐらいになっています(笑)」
- 多部さん、神尾さん、今田さんの印象は?
- 「多部さんご本人は“ゆくえとの共通点はあまりない”とおっしゃっていますが、僕が見る限り全部ゆくえだなと思っています。さらっと面白いことをおっしゃいますし、多部さんがいてくださることで安心してお芝居に臨むことができます。楓珠くんは、最初はクールな方だと思っていたのですが、実はとてもおしゃべりな方でした。たまにおかしなことを言うところも面白いです。自分を包み隠すことがない方だなと思っていて、いろいろな話をしたくなりますし、紅葉役にピッタリだと勝手に思っています。楓珠くんの全てを知っているわけではありませんが、ふとした時の悲しそうな表情は楓珠くんならではだと思っていて、とても素敵です。今田さんは本当に明るいし、よく笑う方だと思っていて、そこも夜々役にピッタリだと思うんです。4人のバランスが本当に良いと思っています」
- 『いちばんすきな花』の見どころ、皆さんへのメッセージをお願いします。
- 「とにかく(主人公たち)4人は一生懸命に生きているので、温かい目で見守っていただきたいと思います。それと同時に、この作品には皆さんが共感出来る部分が多いと思いますので…。1話をご覧になられた方から先日、“ゆくえちゃんや夜々ちゃんの気持ちがすごくわかって”と涙ながらに感想をいただいて…とても嬉しかったです。ご自身の人生や今に重ね合わせることの出来るドラマだと思うので、自分のことのようにご覧いただけたら嬉しいです」