インタビュー

潮ゆくえ役
多部未華子さん

『いちばんすきな花』への出演オファーを受けた時の感想は?
「『silent』をとても楽しく拝見していて、特に独特なセリフの言い回しが好きだったんです。もちろん、ストーリーも好きだったのですが、一番興味を惹かれていたのがセリフだったので、生方(美久)さんが描くセリフを自分が発したらどういう感じになるんだろう?と思いながら見ていました。なので『いちばんすきな花』の脚本が生方さんということがとても嬉しかったです。また、今回は男女の登場人物がいるのに恋愛に“ならなそう”というのも、どんなお話になるのか面白そうだと思いました」
では、生方さんの台本を読まれた時の印象は?
「最初に台本を読んだときは4人が悩みすぎていて、こんな人たちいる?という感じでした(笑)。ですが、出来上がった第1話を見たら、各々のキャラクターを身近に感じることが出来ましたね」
潮ゆくえはどのようなキャラクターと捉えていますか?
「ゆくえは“二人組を作る事が苦手だった”と話すのですが、どちらかと言うと人との距離感の詰め方や離れ方、保ち方が苦手なんだと思っています。“二人組を作る事が苦手”が、ゆくえのテーマのようになっていますが、人との距離感をつかむのが得意ではない女性…だからこそ、皆んなの気持ちを感じ取ることが出来るんだと思いました。決して人付き合いが悪いわけではなく、人に合わせることも出来るんです。でも、一方で心の中では“自分は違うな”と感じてしまったり…。その気持ちを主張出来る場所があったりなかったりすることで、人付き合いを始めるのに時間がかかってしまうんですよね。ゆくえはそういうことにずっと悩んでいるキャラクターだと思います」
演じる上で留意なさっていることは?
「“ここに気をつけて演じよう”ということは特にありません。でも、“身近にいるような人”ということは意識しているかもしれません。どこにでもいそうな、悩みや苦手意識を抱えている女性という印象を大切にしています」
ゆくえに何かアドバイスするとしたら?
「単純に“考えすぎないで!”と言ってあげたいです(笑)。“2人組”とか、そんなに意識しなくても良いんじゃない?とも思うのですが、それはゆくえ以外の主人公たちにも言えることで…。この作品は“こういう感情を伝える”のではなく、“こういう感覚ってあるよね?”という人間の繊細な部分を描いています。だからこそ、“感覚”ということであれば全員に感情移入出来るし、全員が歩んで来たことと似たような“感覚”を誰しもが経験したことがあるのではとも思えます。その経験を引きずっているか、引きずっていないかは別にしても、皆さんにも“あるのでは?”が感じられる作品です」
収録現場の雰囲気はいかがですか?
「(主人公)4人で集まるシーンが、まだ意外に少ないんです。2人などはありますが、みんな各々のシーンを撮っていることが今は多くて。これから増えるのかもしれませんが、4人が集まるシーンは貴重だなと思っています。集まったら集まったで収録の合間は、(作品とは)全く関係ない話をして楽しく過ごしていますね(笑)」
松下洸平さん、今田美桜さん、神尾楓珠さんの印象は?
「松下さんは、やっぱり一番“お兄ちゃん感”があるというか、みんなを楽しくまとめてくださっています。でも、わかりやすくキャッキャというような感じではないですよ(笑)。今田さんは笑い上戸で、何でも笑ってくれるんです(笑)。話題の中心になるというよりは、みんなの話を聞いていつも笑ってくれている感じがします。神尾さんは何だかちょっと面白い方です。寡黙なタイプなのかな?と思っていましたが、ご一緒してみると、結構話してくれる!面白いこと言ってる!というギャップがありました(笑)。4人でいる時の空気感が楽しくて、居心地が良いです」
『いちばんすきな花』の見どころ、視聴者へのメッセージをお願いします。
「見どころは、やっぱり誰しも一度は思ったことがある感覚や感情を思い出す、再認識することが出来る作品だというところかと思います。また、“男女の間に友情は成立するのか?”というテーマは、見てくださる方それぞれで語ることが出来るものだと思うので、ドラマを見ながら友だちや仲間と語り合ってほしいです。そして、4人の関係性がどうなるのか?友だちになっていくのか?それとも…?私も4人の関係性がどうなっていくのか楽しみにしています」

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