那麻(小池)は、桂子(楊原)たち大学のサークル仲間と心霊スポットに出かけた。そこは、かなり大きな廃屋だった。一行は、ふざけあいながら建物の中を進み、すべての部屋を見て回った。が、何も異変は起こらなかった。
引き返そうとしたとき、トイレを我慢していた那麻は、桂子に付き添ってもらって建物内の女子トイレに入った。が、那麻が用を終えると、そこに桂子の姿はなかった。不安を押さえながら辺りを見回す那麻。すると、廊下の奥に、桂子とおぼしき「顔」が浮かんでいた。が、那麻が話しかけてもその「顔」は何も答えず、ゆっくりとこちらに近づいてくる。その「顔」が桂子ではなく、しかも首から下がないことに気づいた那麻は、絶叫してその場から逃げ出した。
那麻は、背後から迫りくる不気味な「顔」から逃げようと、闇に包まれた建物の中を懸命に走り、出入り口にたどり着いた。窓からは、乗ってきた車の側でふざけあう桂子たちの姿が見えた。いくら開けようとしてもドアがビクともしないことに焦った那麻は、必死に助けを求めたが、その声は届かなかった。背後に迫っていた「顔」は、いつの間にか那麻の目と鼻の先まで迫っていた。絶叫する那麻。そのとき、ドアが開き、那麻は表に倒れこんだ。「顔」は姿を消していた。那麻は、桂子に抱きつき、ひたすら泣きじゃくっていた。
数年前、袴田は、テレビドラマのロケである地方に行った。撮影がひと通り終わり、宿泊先に戻った袴田は、飲みに誘われ、スタッフが泊まっている別の旅館に遊びに行こうとする。その時、撮影隊は3つの旅館に分かれて泊まっていた。袴田が行こうとしていたのは、彼の宿泊先から1キロほど離れた場所にある旅館だった。それを知った坂本(田中)は、その旅館まで行く途中に3つあるトンネルのうち、2番目のトンネルには気をつけるよう助言した。袴田は、以前別のドラマで共演した役者から、坂本には不思議な力がある、と聞かされていたが、そのときは半信半疑だった。
自転車で旅館に向かった袴田は、やがて2番目のトンネルにたどり着いた。袴田がそこを通り抜けようとすると、背後から「ガシャン!」という音が…。が、後ろを振り返っても、そこには何もなかった。
無事旅館に着いた袴田は、スタッフたちと飲み、ほろ酔い加減で宿舎に戻った。再び2番目のトンネルに着くと、またもや背後から「ガシャン!」という音が聞こえてきた。坂本の言葉を思い出した袴田は、急いでトンネルを抜けようとするが、その途端、自転車のチェーンが外れてしまう。袴田は、慌ててチェーンを直し、自転車にまたがった。彼の背後にはいつの間にか落ち武者が近づいていたが、袴田はそれに気づかずに、宿舎に向かった。
疲れのせいか、体が重いような感覚にとらわれた袴田は、寝る前に温泉に浸かろうと浴場に向かった。するとそこに坂本がおり、凄まじい形相で袴田を見つめ、大丈夫か、と声をかけた。坂本には、袴田に張り付くようにして立っている10人ほどの落ち武者が見えていたのだ。
坂本に御祓いをしてもらった袴田は、翌朝もロケを続けることが出来た。坂本によれば、この辺りの土地には古くからの霊が集まりやすく、袴田に憑いていた霊もそういったたぐいのものだったという。
東京から転校してきたよしこ(黒川)は、授業中にガムを噛んで注意されたりするような、不良っぽい生徒だった。担任の望月(佐戸井)は、そんなよしこに、彼女の祖母(花原)が心配していたことを伝えた。昨日も、よしこの祖母が望月のもとにやってきて、孫のことをよろしく頼む、と頭を下げたのだという。実はよしこは、かなりのおばあちゃん子だった。
それからしばらくして、よしこの祖母が他界した。激しく落ち込むよしこ。そんな彼女に、望月が声をかけた。昨夜、よしこの祖母が夢に出てきて、よしこのことを頼んでいったのだという。「今度、こちらで採れたタケノコをお持ちします」。よしこの祖母は、そう言って帰っていったのだという。望月は、よしこにその夢の話を聞かせ、おばあちゃんを安心させてやれ、と彼女を諭す。
その日、望月は、仕事に手間取り、遅くに帰宅した。すると、玄関先には季節はずれのタケノコが置かれており…。