バックナンバー

第2シーズン #12

オバケじゃないもん
オバケじゃないもん
  • 脚本:三宅隆太
  • 演出:鶴田法男
  • 出演:笑福亭笑瓶 … 笑福亭笑瓶
  • 武井(パーソナリティー) … 大塚和彦
  • 森本(ディレクター)    … 奥村勲
  • 金子(構成作家)     … 戌井昭人
  • ミキ(タレントリポーター) … 坂口理香

いまから数年前のこと、生放送のラジオ番組をやっていた笑福亭笑瓶は、そこで奇妙な体験をする。その番組は、普段はゲストを呼んでトークをしたり、リクエストされた音楽を紹介していたが、その日のテーマは心霊特集。それも、ハガキを紹介するだけでなく、リスナーが心霊体験をした場所にリポーターのミキ(坂口)を行かせて、現地から生中継するという趣向だった。
最初に奇妙な体験をしたのは、笑瓶自身だった。「ミキちゃんには、のちほど心霊スポットからたっぷり生中継してもらいましょう」というパーソナリティーの武井(大塚)の言葉に続けて、「ミキちゃんもかわいそうにな。こんな夜中にオバケの相手しなきゃならないなんて」と笑瓶が言うと、イヤホンから「オバケじゃないもん」という少女の声が聞こえてきたのだ。が、その声を聞いたのは笑瓶だけ。武井は、中継現場にいるミキの声ではないか、というが、そのときはまだ現場とはマイクが繋がっていなかった。
笑瓶は、自分の勘違いかもしれない、と思いながら、番組を続けた。紹介したのは、興味本位で心霊スポットに遊びに行った帰り、中学生の女の子の幽霊を乗せた、という恐怖体験だった。すると、一緒にスタジオブースにいた構成作家・金子(戌井)のようすがおかしくなった。CMに入っても金子の具合はよくならなかったため、笑瓶は、とりあえず武井とふたりだけで番組を続けた。
そして、いよいよミキがいる現場との中継時間になった。そのとき、流れていた音楽に交じって木魚の音が聞こえてきた。そして、不気味な呻き声が…。笑瓶と武井は、慌ててブースを飛び出した。
放送終了後、笑瓶たちは、オンエアの同録テープを聴いた。すると笑瓶が聞いた「オバケじゃないもん」という声や、木魚の音、不気味な呻き声が録音されていた。実はこのスタジオでは、これまでにも放送中に怪現象が起きていたのだという。

廻る足音
廻る足音
  • 脚本:玉城悟
  • 演出:三宅隆太
  • 出演:佐藤功 … 筧利夫
  • 佐藤剛 … 松田昂大

いまから5年ほど前のこと、功(筧)は、息子の剛(松田)とふたりでキャンプに出かけた。行楽客のいない沢を探し当て、そこにキャンプを張る功たち。ところがその夜、奇妙なことが起こる。
功が眠りにつこうとすると、何者かがテントの周りを遠巻きにしながら歩き回っているような、砂利を踏み鳴らす音が聞こえてきたのだ。が、功がテントから顔を出すと、そこには誰もおらず、明かりすら見えなかった。
しばらくすると、さっきより近くでまた足音が聞こえてきた。怒った功は、今度は懐中電灯を手にテントから出るが、辺りを見回しても周囲には人影すらなかった。が、功がテントに戻ろうとすると、背後で足音が…。慌ててテントに飛び込んだ功は、剛の異変に気づいた。剛は、額に脂汗を浮かべ、苦しそうにうなされていたのだ。功は、剛を起こそうとしたが、目覚めなかった。その間にも、あの足音はどんどん近づき、ついにテントの入り口で止まった。功は、剛を守るように抱きしめ、「やめてくれ…もうわかったから…帰ってくれ」と念じるようにつぶやいた…。
あくる朝早く、功は、急いで帰り支度をする。剛は、昨夜のことを何も覚えていないようだった。麓のガソリンスタンドで聞いた話では、その場所で以前、女性の水死体があがったのだという。昨夜、テントの外にいたのがその女性だとしたら、そしてもしその姿を見てしまっていたら…功は、恐怖のあまり、それを剛に話すことは出来なかった。

同居人
同居人
  • 脚本:三宅隆太
  • 演出:鶴田法男
  • 出演:青田典子 … 青田典子
  • 城ヶ崎美奈子 … 宮下今日子
  • スーツ姿の男 … 小村裕次郎
  • マネージャー … 徳永淳

青田は、街中でスーツ姿の男(小村)に声をかけられ、自分の霊能力試して欲しい、と頼まれる。何故かその男が悪人でないと感じた青田は、一緒に喫茶店にはいった。するとその男は、「トイレに行っている間にマッチ棒を何本か取りだして、5分たったらしまってくれ。出した数を透視するから」といい、本当に本数を当ててしまう。
その男は、青田がタレントであることを知らないようだった。そして、お互いに名乗ることもなく別れたが、最後のその男は、青田には霊感の素質がある、と言い残していた。
青田がそのマンションに住み始めたのは、いまから数年前のことだった。が、何故か青田は、その部屋に帰りたくない、と感じていた。誰かが一緒に住んでいるような気がしたのだ。
そんなある夜、なかなか寝付けなかった青田は、腹の上で正座している男の姿に気づく。すると、背後から突然女の手が出現し、青田の首を絞めた。青田は、やっとの思いで叫び声を上げた。
数日後、青田は、霊感の強い友人・美奈子(宮下)を呼び、部屋を見てもらう。すると美奈子は、やせ細った3人の幼児の姿に気づく。3人は、青田に食事をせがむようにたっていて、彼女が食事を始めると一緒に食べ始めるのだという。「この部屋にはある家族が住んでいる」と美奈子に言われた青田は、彼女に簡単な御祓いをしてもらう。それが効いたのか、奇妙な現象は止んだが、ほどなく青田はその部屋を引き払ったという。

バックナンバー