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第2シーズン #06

教室の幽霊
教室の幽霊
  • 脚本:三宅隆太
  • 演出:鶴田法男
  • 出演:中里舞(14) … 石田未来
  • 他校の制服に身を包んだ少女 … 小林美鈴

とある女子中学校の2年生だった舞(石田)は、中間テスト真っ只中のある朝、入り口で他校の制服を着た少女(小林)の姿を目撃する。その日、試験に苦戦していた舞が、なんとなく最前列に座っている友人の方を見ると、その机の前に、先ほど見かけた少女が立っていた。が、誰もその少女の姿には気づいていなかった。思わず辺りを見回し、もう一度、前方に目をやると、その少女はこちらを見つめていた。思わず声を上げてしまう舞。周囲の生徒たちは、そんな彼女のようすにざわめいた。が、舞が再び前方を見ると、少女の姿はなかった。舞は、不気味なものを感じながら、気を取り直して試験に集中した。すると、舞の目の前に、いつの間にか少女が立っていた。思わず悲鳴を上げる舞。教室は騒然となるが、少女はすでに消えていた…。
その日の夕方、舞は悲しい知らせを聞かされる。別の中学に転校したかつてのクラスメートが交通事故で亡くなった、というのだ。彼女は、ちょうど舞たちが試験を受けているころ、息を引き取ったのだという。

魂の分岐点
魂の分岐点
  • 脚本:高木登
  • 演出:三宅隆太
  • 出演:西川京子(22) … 水川あさみ
  • 飯島安恵(29) … 石川素子
  • 壁を向いた男 … 川島伸也

京子(水川)は、看護学校を出て、開院したばかりの病院で働き始めた。手術室勤務だった京子は、ある日、予定されていた手術の開始時間が延びたため、先輩看護師の安恵(石川)とともにカンファレンスルームで待機していた。するとそこに急患の連絡が入り、応援のため安恵がそちらに行ってしまう。ひとり残され、誰もいないカンファレンスルームにおびえる京子。そのとき突然、手術室の自動ドアが開閉する音が聞こえてきた。京子は、恐る恐る身を乗り出して廊下の突き当たりにある手術室に目をやるが、手術室は暗いままだった。手術室の自動ドアは、入り口の下方にあるペダルを踏まないと開閉しない仕組みだった。ほどなく、再びドアが開閉する音が…。京子がそちらのようすを伺うと、手術室は相変わらず暗いままだったが、一瞬、白い影のようなものが横切った。京子は、意を決して手術室に向かった。
京子が手術室に入ると、そこには誰もいなかった。が、京子が戻ろうとすると、背後に、壁を向いたまま立っている男(川島)の姿が…。その男の服は切り裂かれたようにずたずたで、体からは出血もしているようだった。男は、京子の呼びかけにも反応せず、壁を向いたままうつむいている。すると男は、右手の中指にはめた指輪を壁に打ちつけはじめた。怪訝に思った京子が男に声をかけると、男は動きを止め、ゆっくりと京子の方に振り向き始めた。その瞬間、京子は後ろから腕をつかまれた。安恵だった。「見てはダメ!」と京子に告げる安恵。腕を解かれた京子が、もう一度男が立っていた壁を見ると、すでにその姿はなかった。
手術室を出た京子は、数人のスタッフに運ばれてくるストレッチャーを目にする。交通事故で、ここに収容される前に息を引き取った男の死体だった。すれ違う瞬間、京子はあるものを目にする。シートからはみ出した右手の中指に、指輪がはめられていたのだ。それは、壁を向いて立っていた男と、同じ指輪だった。

窓にうつる少女
窓にうつる少女
  • 脚本:玉城悟
  • 演出:加藤裕将
  • 出演:森山ともみ(14) … 谷村美月
  • 森山あけみ(17) … 高松いく
  • ともみの父 … 加納朋之
  • ともみの母 … 八十川真由野

中学2年の夏休み、ともみ(谷村)は、家族と青森に旅行に出かけた。そんなある夜、突然腹痛に襲われたともみは、姉のあけみ(高松)とお風呂に行くのを止め、ひとりで部屋で休んでいた。痛みに耐え切れず、起き上がったともみは、内線で家族を呼ぼうとするが、誰も出なかった。そのとき、背後でかすかな物音がした。ともみが、窓ガラスに視線を移すと、そこには自分の姿と、着物姿の少女の姿が映っていた。ともみは、慌てて振り返るが、そこには誰もいなかった。もう一度、窓ガラスに目をやると、窓の中の少女がゆっくりとともみの方に向き始め、ともみに微笑みかけたのだ。
 あくる日、ともみたちは家に戻った。ともみは、せっかくの旅行を台無しにしてしまうような気がして、昨夜の出来事を言い出せずにいた。家に戻ると、愛犬のリリがともみたちを出迎えた。が、リリはともみの腕から抜け出すと、玄関に向かって低くうなるようにのどを鳴らした。
その夜、ともみが2階にある自分の部屋に戻ると、奥からリリのうなり声が聞こえてきた。リリは、カーテンが閉められた窓に向かってうなっていた。その瞬間、またもや腹痛に襲われるともみ。リリが窓に向かって吠え立てる中、ともみは、カーテンに手を伸ばし、勇気を振り絞って開け放った。同時に、風が吹きぬけ、ともみの体を通り過ぎた。室内には静寂が訪れ、ともみの腹痛も治まっていた。あれが一体何だったのか、ともみにはわからなかった。が、ともみは、リリが追い払ってくれたのだといまも信じている…。

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