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第2シーズン #02

訪問者
訪問者
  • 脚本:新田隆男
  • 演出:鶴田法男
  • 後藤博幸
  • 出演:大島美智代(15) … 本仮屋ユイカ
  • 郵便配達人 … 剣持直明
  • 訪問者 … 緑川美津恵

美智代(本仮屋)の家の玄関は、ガラスの引き戸で、開けるとガラガラと大きな音がした。そのため、誰かが訪ねてくれば、すぐにその音でわかった。その日、美智代はひとりで留守番をしていた。夜遅く、二階にある自分の部屋にいた美智代は、玄関の音に気づく。近所の人が来たのだろう、と思い、階段を下りると、玄関には誰もいなかった。美智代は、不審を抱きながらも二階に戻ろうと階段を登ると、「タズネテキマシタ」という女性の声が!やっぱり誰かが来ていたんだ、と思い、階段を降り始める美智代。すると、玄関には着物を着た女性(緑川)が俯いて立っていた。
しかし、その女性は、美智代の問いかけにはまったく応えず、ひたすら「タズネテキマシタ」と繰り返すだけだった。その雰囲気に、彼女がこの世ならざる者だと理解した美智代は、恐怖に怯えながら「何もしてあげられない…」と応えるのが精一杯だった。やがて、女はゆっくりと顔を上げ始めた。その顔を見た美智代は、呆然となり…。

幽霊物件
幽霊物件
  • 脚本:高木登
  • 三宅隆太
  • 演出:星野和成
  • 出演:常石友哉(21) … 塚本高史
  • 柳沢小夜(21) … 村井美樹
  • 柳沢香世(27) … 海島雪
  • この世のものならざる女 … 広江美奈
  • 不動産屋店主(51) … 田窪一世

ひとり暮らしを始めるため、とある不動産屋を訪れた友哉(塚本)は、格安の物件を見つける。その物件は、なぜか家賃が何度もペンで修正されていたが、友哉は何の疑問も抱かず、その場で契約をしてしまう。
それから数日後、友哉は、恋人の小夜(村井)に手伝ってもらい、引っ越しをした。その際、ユニットバスの掃除をした小夜は、排水溝に長い髪の毛が詰まっていたこと、そして洗面台の裏に一枚の古びたお札が貼ってあることに気づき、気味の悪さを感じる。しかし友哉は、つい強がってそのお札を剥がし、破り捨ててしまい…。

夜、友哉は、閉めたはずの洗面所のドアがいつの間にか開いていることに気づく。友哉は、その隙間からこちらをのぞくような黒い闇に怯えるが、気のせいだと思い直し、ドアを閉めた。 あくる日、友哉のアルバイト先に小夜がやってきた。あの部屋のことがどうしても気になっていたのだ。小夜は、霊感が強い自分の姉・香世(海島)に見てもらった方がいいと勧めた。しかし友哉はそれも拒否してしまう。
その夜、友哉は、小夜の申し出を断ってしまったことを後悔しながら眠りについた。すると、洗面所のドアが開く音が…。目を覚ました友哉が、音のした方を凝視すると、そこからぬっと女の足が現れた。姿をはっきりと見ることは出来なかったが、その女は洗面所のドアの前あたりでうごめいていた。その姿から目が離せずにいた友哉が恐怖のあまり声を上げると、女は一瞬動きを止め、友哉のいる方向に向き始め…。

あくる日、友哉の元に小夜と香世がやってきた。友哉の部屋を見て回った香世は、いますぐにでも引っ越したほうがいい、と友哉にアドバイスし、応急処置として、友哉が剥がしてしまったのと同じ場所にお札を貼った。
その夜、久しぶりに熟睡することが出来た友哉は、すっかり元気を取り戻していた。お札の効力のおかげか、香世たちが来て以来、異変は起こらなくなっていた。
そんなある夜、友哉は、真夜中に突然目を覚ます。香世のアドバイスどおり点けたままにしておいた室内灯が消えていることに気づき、あわてる友哉。すると、洗面所のドアが音を立てながら開いた。友哉は凍りつくが、あの女は姿を現さなかった。その時、ふいに部屋の電気が点いた。ホッと胸をなでおろし、仰向けに寝そべる友哉。その瞬間、友哉の顔を覗き込むように、影になった女の顔がぬっと現れた。友哉は気づいていなかったが、香世が貼ったお札はいつの間にか剥がれ落ちていた。
翌朝、友哉は逃げるようにその部屋を出た。後で聞いた話によれば、数年前、その部屋のユニットバスで、失恋を苦にした女性が手首を切って自殺したのだという。そしてあの部屋は、いまでも誰かに貸し継がれているという…。

潮騒の夢
潮騒の夢
  • 脚本:清水達也
  • 演出:星野和成
  • 出演:川村信吾(22) … 石垣佑磨
  • 岩瀬美紀(22) … 大西麻恵
  • 山本あすか(6) … 松元環季
  • 山本俊之(26) … 小林高鹿
  • 山本聖子(26) … 川田希

ある夏の夜のこと、遠距離恋愛中だった信吾(石垣)と美紀(大西)は、久しぶりに再会し、夜の海でデートをしていた。その時、美紀は、波打ち際で遊んでいる少女の姿を見つける。それは、信吾と同じアパートに住んでいるあすか(松元)だった。信吾たちは、こんな時間にどうしてひとりでここにいるのか、とあすかに尋ねたが、彼女はじっと俯いたまま何も話そうとはしない。あすかがずぶ濡れだったことに気づいた信吾たちは、バスタオルで体を拭いてやると、彼女を家まで送り届けるために車に乗せようとする。しかしあすかは、何故か美紀を突き飛ばし、車の外へと逃げてしまう。車の前方にいき、背を向けたまま立ちつくすあすか。信吾が彼女に近づくと、あすかは大粒の涙を流していた。するとあすかは、突然走り出し、姿を消してしまう。ふたりは必死にあすかを探すが、何故かどこにも彼女の姿はなかった。

もしかしたらひとりで帰ったのかもしれない、と思った信吾たちは、アパートに戻り、あすかの家を訪ねた。すると、父親の俊之(小林)が顔を見せた。信吾が、あすかを見かけたことを伝えると、俊之の顔色が急に変わった。信吾たちが海での出来事を話し、あすかの体を拭いたバスタオルを差し出すと、俊之の目から涙があふれた。
俊之から事情を聞いた信吾たちは言葉を失った。5日前、あすかは、あの海で溺死していたのだ。家族で海に遊びに行った際に、ほんの一瞬、俊之と母親の聖子(川田)があすかから目を離したために起きた悲劇だった。信吾と美紀は、祭壇に飾られたあすかの写真に手を合わせた。
信吾は、美紀と一緒に、あすかとよく遊んだという公園に行った。そこで信吾は、あすかとの思い出を静かに話し始めた。「俺、もっとあの子と遊んであげればよかった…」と涙を流す信吾を、美紀は何も言わずに抱きしめた。信吾の思いが、あすかに届いていることを祈りながら…。

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