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第1シーズン #5

折れた護符
折れた護符
  • 脚本:清水達也
  • 演出:加藤裕将
  • 出演:柊真由 … 蒼井優

高校2年生・真由(蒼井)は、新聞配達のアルバイトをしていた。仕事は辛かったが、それよりも嫌だったのが、ある団地の配達をすることだった。理由はなかったが、何故か不気味な感じがしていたのだ。その日も真由は、亡くなった祖母からもらったお守りを身につけ、団地の階段を駆け上がった。真由は、2階から3階へ上がる階段の踊り場を通った時、一瞬、女性らしき人影を見たような気がして振り向いたが誰もいない。が、3階から4階に上がろうとすると、またもや女性らしき人影が…。4階の新聞を配り終えた真由は、お守りを握りしめ、一気に1階まで駆け降りた。握りしめたお守りに目をやると、ホッと息をつく真由。その時、気配を感じた真由が後ろを振り向くと、そこには女性の姿が!
その後、真由はあることに気づいた。祖母の形見だったお守りの護符が、いつの間にか折れていたのだった。

うしろの女
うしろの女
  • 脚本:玉城悟
  • 出演:森本真由 … 長澤まさみ
  • 森本洋子 … 金沢映子
  • 森本貴之 … 塩澤英真

森本家のふたりの子どもには不思議な能力があった。兄の貴之(塩澤)は“見えないもの”に取り憑かれやすく、妹の真由(長澤)にはそれが見えてしまうのだ。母親の洋子(金沢)は、そのことで言い争いをしたりする子どもたちのことが心配で仕方がない。そんなある日、貴之が帰宅すると真由の顔色が変わった。洋子が声をかけると、貴之は「眠くて仕方ないから寝る」と言う。自分の部屋に行こうとして、2階に上がった真由は、貴之の部屋の前を通った。すると、背後でドアが開き、貴之が声をかけてきた。背後で聞こえる水のしたたる音。思い切って真由が振り向くと、貴之の背中には濡れた長い髪が顔にかかったセーラー服姿の女性が覆い被さっていた…。

迷子
迷子
  • 脚本:玉城悟
  • 出演:川越健介 … 佐々木蔵之介
  • 川越頼子 … 三咲レア
  • 男の子 … 今井悠貴

残業で帰りが遅くなった健介(佐々木)は、近所の家の庭先で泣きじゃくっている男の子(今井)の姿を見つけた。健介がためらいながらもその男の子に声をかけながら近づくと、背中を向けて泣いていた男の子がピタリと泣きやみ、こちらを振り返ろうとした。異変を感じた健介は、その場から逃げ出し、家に戻った。が、霊感の強い健介の妻・頼子(三咲)は、その男の子がついてきていることに気づく。健介が風呂に入っていると、磨りガラスの向こうから、何かが近づいてくる。頼子にしてはあまりにも小さいその姿。やがてそれは、扉に張りついた。それは、表情のない男の子の顔だった。
健介は、帰り際に遭遇した出来事を頼子に話した。その家で、今日、一家心中があったことを健介に告げる頼子。そして、いまも男の子の気配を感じている、と続けた。
あくる朝、健介はいつものように仕事に出かけた。頼子は、心霊現象に詳しい知り合いに電話で相談を持ちかけるが、どうすることも出来ない、と言われ落胆する。その日一日、頼子は男の子の気配に苦しめられた。
頼子は、帰宅した健介に不満をぶちまけた。いま自分たちが直面しているのは、生きるか死ぬかの重大な問題なのだ、と…。その時、ふたりは不意に気配を感じた。すると、誰かが階段を上ってくる足音が聞こえ、その足音は寝室の前で止まった。
次の朝、頼子はテーブルチェアに座っている男の子を目撃する。健介は、激しく動揺する頼子を放っておけず、会社を休む。ふたりは、寝室の片隅で肩を寄せ合って過ごす…。
やがて夜が明けた。頼子の目には涙が浮かんでいた。「感じない? あの子、もういないのよ」と言いながらも、涙が止まらない頼子。それからしばらくして、健介は、心中事件のことで意外な話を耳にした。両親が亡くなった後も、あの男の子は生死の境をさまよっており、健介たちの家から気配が消えたちょうどその頃、息を引き取ったというのだ。健介は、あの朝、悲しそうに涙ぐんでいた頼子の顔がいまでも忘れられない、という…。

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