
2021.12.21 TUE. UPDATE
- まず、出演のオファーを受けた時のお気持ちからお願いします。
- 近年、ネットニュースやコタツ記事が何かと話題になっていますが、特にこのコロナで、そういうものに触れる機会が増えたような気がします。僕らのようにエンターテインメントの世界に身を置く側もどうやって向き合っていくかを考えなければいけないと常日頃から思っていたので、そうした中に一石を投じるような作品になるのではないかな、と感じました。何より、僕にオファーをしてくださったことに感謝ですし、喜びを感じています。
- コロナ禍では、エンターテインメントの世界も危機を迎えたと言われましたね。
- 僕も舞台やドラマの現場に入っていましたが、考えなければいけないことが多かったと思います。同時に、エンターテインメントの大切さも身に染みて感じる期間でもありました。メディアと僕たちの関係性についても改めて考えさせられるような出来事も多かったような気がしますし。
- 『木曜劇場』は11年ぶり(2011年『蜜の味』以来)になります。
- もうそんなになるんですね。これからまた湾岸スタジオに通う日々になるわけですけど、凄く久しぶりな感じがしました。僕が初めて主演をやらせていただいた作品(2008年『ハチワンダイバー』)もこのスタジオで撮影しましたし、その後3年くらい、ほとんどこのスタジオで過ごしていたんです。18歳のころは、まだこのスタジオが出来たてで、家から遠かったのでスタッフのみなさんと一緒にここに泊まっていたこともありました(笑)。表現が適切かどうかわかりませんけど、母校に帰ってきた、みたいな感慨深い感覚があります。
- 思い出が詰まった場所ですね。
- お風呂もスタッフさんたちと一緒に入っていましたからね(笑)。あのときの経験は、今考えても貴重だと思いますし、有難かったです。
- 『ゴシップ #彼女が知りたい本当の○○』の台本を読まれて最初に感じたことは?
- 普段僕らは、取材していただいて書いてもらう立場で、取材する側の事を考えることはなかなかないので「なるほど」と思うことが多くて新鮮でした。僕らの仕事も大変なことは多々ありますけど、自分で選んでやりたいと思った仕事をやれている、というのはとても幸せなことだと思うんです。でも、僕が今回演じる根津は、やる気もなく、周囲に期待もされていない。もちろん人間らしい心がまったくないわけではないんですけど、「仕事だから……」ということで淡々とやっているキャラクター。以前、ある有名雑誌の編集部に取材か何かで行かれた方から聞いたんですが、最初は「どれくらい殺伐とした空気なんだろう?」って怖かったけれど、一般的なオフィスのようなところで、みなさんキッチリと仕事をしていて……という感じだったそうなんです。「逆にそれはそれで怖かった」とも言っていましたけど(笑)。でもその話を聞いて、腑に落ちたんです。それも仕事なんですもんね。そういう方たちに、「何故、あんなことを書くんだろう?」と思う方もいると思いますけど、それが仕事だからで、買う人がいるからですもんね。世の中の人が求めていることをやっているという意味では、自分たちの仕事と変わらないんじゃないかという風にも思えました。好きなことをやって、やりがいもあって、人から感謝されて、なおかつそれで生活ができるというのが一番幸せなことですけど、そう上手くはいかないものだよな、とか……そんなことを考えました。真実を伝えるのが正義なのか、とか、すごく難しい題材だと思うんです。だからこそ、黒木華さん演じる凛々子がその中でどう動いていくのか楽しみですし、根津という役柄にも、人間臭さとかやるせなさみたいなものが出せればいいなと思いました。ネット記事を読んでいると、その人がどういう気持ちで書いているのかわからないときがあるじゃないですか。何かあればすぐ削除されたりもするし。でもそんな中でも、エンタメとメディアはちゃんと繋がっていて、同じ人間がやっているからこそ分かり合えるものなんだ、という希望は勝手に持っているので、それはこの作品を通してどこかで感じてもらえたらな、という気持ちもあります。
- 多面的な作品ですね。
- そうだと思います。今、自分で話していて、ハードルを上げてしまったような気もしますけど(笑)。
- 黒木華さんとの共演に関しては?
- 『るつぼ』という舞台で共演した事があります。当時から魅力的なお芝居をされていましたし、感性の奥深さみたいなものを感じていたので、数年先輩のような感覚を持っていました。だから今回、しっかり芝居で絡ませてもらえるというのは有難いですし、楽しみにしていました。この凛々子という役も、黒木さんにピッタリでイメージし易かったです。先々、凛々子と根津の関係がどうなっていくのか、という部分も乞うご期待、という感じです(笑)。
- 同い年ということで、親近感もあったのでは?
- でも、リスペクトする部分が大きいので、今回は胸を借りるつもりでぶつかっていきたいです。
- ドラマのタイトルでもある『ゴシップ』という言葉を聞いて、連想されることは何ですか?
- たくさんありますね(笑)
- 先ほどもお話いただきましたが、撮られる側、書かれる側として思うところもあると思うのですが。
- 根も葉もないことを書かれることもありますけど、自分たちが見極めてどう捉えるかということなのかもしれません。ある意味、そういうことも自分に興味を持ってくださっているからだと思いますし。悪いことをネットで書いてくれる方って、凄く細かいところまで見ているんですよ(笑)。僕らの仕事で一番悲しいのは無関心だと思うんです。まあ、話半分くらいで聞いているのが良いのかもしれないですね。実は少数派なのに多数派に見えているだけ、なんてこともありますから。この作品の中で、凛々子はちゃんと「瀬古凛々子」と自分の名前を記載して記事を出すシーンがあるんですけど、そういうのは良いな、と思いました。見えないところから攻撃して満足感を得るのは本当の正義なのかなと思うところもありますしね……。いや、難しいですね、この手の話は(笑)。
- 最後に、視聴者のみなさんへ向けて、メッセージをお願いします。
- ゴシップやスキャンダルという言葉には、あまりポジティブなイメージがないかもしれないですがその中にも、もしかしたら別の真実があるかもしれないですし、撮られる側とそれを見る側の間の関係をプラスに変えられるようなこともあるかもしれないですよね。そこには人の思いがあり、感情があるということが伝わるようなドラマになればいいな、と思っています。気軽に楽しみながら見て、そういった本質が伝わるような作品にできればと思いますので、応援よろしくお願いします。

- まず、出演のオファーを受けた時のお気持ちからお願いします。
- 近年、ネットニュースやコタツ記事が何かと話題になっていますが、特にこのコロナで、そういうものに触れる機会が増えたような気がします。僕らのようにエンターテインメントの世界に身を置く側もどうやって向き合っていくかを考えなければいけないと常日頃から思っていたので、そうした中に一石を投じるような作品になるのではないかな、と感じました。何より、僕にオファーをしてくださったことに感謝ですし、喜びを感じています。
- コロナ禍では、エンターテインメントの世界も危機を迎えたと言われましたね。
- 僕も舞台やドラマの現場に入っていましたが、考えなければいけないことが多かったと思います。同時に、エンターテインメントの大切さも身に染みて感じる期間でもありました。メディアと僕たちの関係性についても改めて考えさせられるような出来事も多かったような気がしますし。
- 『木曜劇場』は11年ぶり(2011年『蜜の味』以来)になります。
- もうそんなになるんですね。これからまた湾岸スタジオに通う日々になるわけですけど、凄く久しぶりな感じがしました。僕が初めて主演をやらせていただいた作品(2008年『ハチワンダイバー』)もこのスタジオで撮影しましたし、その後3年くらい、ほとんどこのスタジオで過ごしていたんです。18歳のころは、まだこのスタジオが出来たてで、家から遠かったのでスタッフのみなさんと一緒にここに泊まっていたこともありました(笑)。表現が適切かどうかわかりませんけど、母校に帰ってきた、みたいな感慨深い感覚があります。
- 思い出が詰まった場所ですね。
- お風呂もスタッフさんたちと一緒に入っていましたからね(笑)。あのときの経験は、今考えても貴重だと思いますし、有難かったです。
- 『ゴシップ #彼女が知りたい本当の○○』の台本を読まれて最初に感じたことは?
- 普段僕らは、取材していただいて書いてもらう立場で、取材する側の事を考えることはなかなかないので「なるほど」と思うことが多くて新鮮でした。僕らの仕事も大変なことは多々ありますけど、自分で選んでやりたいと思った仕事をやれている、というのはとても幸せなことだと思うんです。でも、僕が今回演じる根津は、やる気もなく、周囲に期待もされていない。もちろん人間らしい心がまったくないわけではないんですけど、「仕事だから……」ということで淡々とやっているキャラクター。以前、ある有名雑誌の編集部に取材か何かで行かれた方から聞いたんですが、最初は「どれくらい殺伐とした空気なんだろう?」って怖かったけれど、一般的なオフィスのようなところで、みなさんキッチリと仕事をしていて……という感じだったそうなんです。「逆にそれはそれで怖かった」とも言っていましたけど(笑)。でもその話を聞いて、腑に落ちたんです。それも仕事なんですもんね。そういう方たちに、「何故、あんなことを書くんだろう?」と思う方もいると思いますけど、それが仕事だからで、買う人がいるからですもんね。世の中の人が求めていることをやっているという意味では、自分たちの仕事と変わらないんじゃないかという風にも思えました。好きなことをやって、やりがいもあって、人から感謝されて、なおかつそれで生活ができるというのが一番幸せなことですけど、そう上手くはいかないものだよな、とか……そんなことを考えました。真実を伝えるのが正義なのか、とか、すごく難しい題材だと思うんです。だからこそ、黒木華さん演じる凛々子がその中でどう動いていくのか楽しみですし、根津という役柄にも、人間臭さとかやるせなさみたいなものが出せればいいなと思いました。ネット記事を読んでいると、その人がどういう気持ちで書いているのかわからないときがあるじゃないですか。何かあればすぐ削除されたりもするし。でもそんな中でも、エンタメとメディアはちゃんと繋がっていて、同じ人間がやっているからこそ分かり合えるものなんだ、という希望は勝手に持っているので、それはこの作品を通してどこかで感じてもらえたらな、という気持ちもあります。
- 多面的な作品ですね。
- そうだと思います。今、自分で話していて、ハードルを上げてしまったような気もしますけど(笑)。
- 黒木華さんとの共演に関しては?
- 『るつぼ』という舞台で共演した事があります。当時から魅力的なお芝居をされていましたし、感性の奥深さみたいなものを感じていたので、数年先輩のような感覚を持っていました。だから今回、しっかり芝居で絡ませてもらえるというのは有難いですし、楽しみにしていました。この凛々子という役も、黒木さんにピッタリでイメージし易かったです。先々、凛々子と根津の関係がどうなっていくのか、という部分も乞うご期待、という感じです(笑)。
- 同い年ということで、親近感もあったのでは?
- でも、リスペクトする部分が大きいので、今回は胸を借りるつもりでぶつかっていきたいです。
- ドラマのタイトルでもある『ゴシップ』という言葉を聞いて、連想されることは何ですか?
- たくさんありますね(笑)
- 先ほどもお話いただきましたが、撮られる側、書かれる側として思うところもあると思うのですが。
- 根も葉もないことを書かれることもありますけど、自分たちが見極めてどう捉えるかということなのかもしれません。ある意味、そういうことも自分に興味を持ってくださっているからだと思いますし。悪いことをネットで書いてくれる方って、凄く細かいところまで見ているんですよ(笑)。僕らの仕事で一番悲しいのは無関心だと思うんです。まあ、話半分くらいで聞いているのが良いのかもしれないですね。実は少数派なのに多数派に見えているだけ、なんてこともありますから。この作品の中で、凛々子はちゃんと「瀬古凛々子」と自分の名前を記載して記事を出すシーンがあるんですけど、そういうのは良いな、と思いました。見えないところから攻撃して満足感を得るのは本当の正義なのかなと思うところもありますしね……。いや、難しいですね、この手の話は(笑)。
- 最後に、視聴者のみなさんへ向けて、メッセージをお願いします。
- ゴシップやスキャンダルという言葉には、あまりポジティブなイメージがないかもしれないですがその中にも、もしかしたら別の真実があるかもしれないですし、撮られる側とそれを見る側の間の関係をプラスに変えられるようなこともあるかもしれないですよね。そこには人の思いがあり、感情があるということが伝わるようなドラマになればいいな、と思っています。気軽に楽しみながら見て、そういった本質が伝わるような作品にできればと思いますので、応援よろしくお願いします。


