おととい、政府は、感染拡大を防ぐための瀬戸際にいるとし、スポーツや文化イベントの中止や延期を要請。きょう(28日)、オリエンタルランドは、ディズニーランドとシーを、明日から3月15日まで、臨時休園とすることを決定した。
一方、感染拡大の余波は、意外なところにも広がっている。これは、都内のスーパーで撮影された映像。
一列まるまる空っぽになってしまった棚。売り切れしまったのは…トイレットペーパー。
実は今、各地でトイレットペーパーの買い占めが起きているという。いったいなぜのか?
実は、マスク、消毒用アルコールの品薄に続き、「今後はトイレットペーパーの不足が予測されている」とのことなのだ。
「新型コロナの影響で、トイレットペーパーがなくなる」「マスクとトイレットペーパーの原材料は同じで、マスクの増産に伴い、その他の紙製品が品薄になる」という誤情報が、ネット上で拡散。その情報を目にした人たちが、スーパーに駆け込み、トイレットペーパーを買い占めているというのだが…、マスクの増産に伴い、本当にトイレットペーパーがなくなってしまうのか?
国内の製紙業39社が加盟する、日本家庭紙工業会に聞いてみると…
日本家庭紙工業会 林廣文会長:
「事実ではないですね。原材料は全く違います。マスクは不織布。トイレットペーパーにも原材料は2つありましてパルプロールと古紙ロールがあるわけですけど、紙、パルプは樹木。マスクとは全く違いますから」
業界団体によると、国内で流通するトイレットペーパーの原材料は、マスクと全く異なるパルプ。その上、消費税増税後は、駆け込み需要の反動で、むしろ多くのメーカーが、余剰在庫を抱えているという。
つまり、今後トイレットペーパーが不足するという情報は全くのデマだったのだ。
誤った情報による、混乱はこんなところでも…なぜ燃料用アルコールが売り切れる?
これは、埼玉県内のとあるドラッグストアで撮影された写真。棚からなくなっているのは、
燃料用アルコール(メタノール)。
今、日本中で品薄になっている消毒用のアルコール(エタノール)。その代わりにと、燃料用アルコール(メタノール)を購入する人がいるのだという。
しかし、同じアルコールでも、消毒用と燃料用では大違い。医師は、その危険性をこう指摘する。
関西福祉大学 勝田吉彰教授:
「エタノール(消毒用アルコール)とメタノール(燃料用アルコール)は全くの別もの。かつてメタノールを誤って使うことによって視力障害など悲惨な事件もありましたので…」
メタノールは劇物に指定されており、飲み込んだ場合、意識障害などを起こす危険性がある。
物資の売り切れや、イベントの休止。さらに全国の小・中・高校への休校要請。
今後、私たちの生活に、いったい何が起きるのだろうか?
※本日(28日)放送のVTRで、「メタノール」と表示するべきところを「エタノール」と誤ったテロップを出してしまいました。劇物に指定されているのは「メタノール」です。
お詫びして訂正いたします。