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間宮啓介役 戸次重幸さんインタビュー
ここまで間宮を演じてこられて、いかがですか?
「正直な話、『グッド・ドクター』は、みなさんからご好評をいただけているので良かったと思っています」
ご自身で放送を見られて、いかがでしょう?
「きっちりと泣けるところは泣ける、良い作品ですね。でも、僕の場合は台本の準備稿から決定稿までを先に読んでしまっているので、視聴者のみなさんと100%同じ感覚で見るのは演者としては難しいです。ですので、私の場合、ドラマ初見の方の反応は妻を見ることなんです。毎回、泣いていますよ。一緒に見ていると、妻は横で鼻水をズルズルしています。その姿を見ていると、我々のやっていることは間違いなかったんだなと思えます」
間宮はどのようなキャラクターと捉えていらっしゃいますか?
「撮影に入る前の衣装合わせの時に、プロデューサー、ディレクターから間宮についての説明を受けました。間宮は何一つ間違ったことを言っていない、組織の人間として正論を言っているだけ。ですが、そういう人をドラマに落とし込むと悪者に見えてしまう。根底としてそういう流れになるので、悪者を演じるというよりも、“1+1=2である”という人物をしっかりと演じていただければ、悪く見えるようになっていますから…ということでした。僕もその心構えで演じています。それで改めてオンエアを見てみると、確かに間宮だけが正しいことを言ってるよね?というシーンがいくつもあります」
間宮啓介役 戸次重幸さんインタビュー
組織としては常に正しいですね。
「病院のコンプライアンスを考えると、絶対に助かりそうにない患者を手術して成功しなかったら病院自体の評判や責任問題になるから回避しようとします。残念ではありますけど、現実でもそういうことは病院に限らず往々にしてあるように思います」
1話で高山(藤木直人)に自分の患者を手術されて怒っていました。プライドも高そうですね?
「それはやはり、間宮は小児外科の科長ですから。組織なら当然ある上下関係、下が上を敬うべきだと考える間宮がいて当然かな?と、思います。ただ、間宮にその実(じつ)がついてこないのが面白いところですね」
だからこそ、組織的な人間に?
「間宮も医者になったころは高い志を持ってバリバリ手術をしたり、真摯に患者と向き合っていたと思います。でも、何かのタイミングで組織の中で上に立つことが一番になってしまい、医者の本分が二番目になっていたんだろうなと、思っていて…。そこに猪口(板尾創路)から甘言を囁かれて乗っかってしまった。なので、間宮は弱い人間でもあるんですよ。ですが、間宮のような人は現実社会でも多いのではないでしょうか?僕は間宮のような人間で日本の社会が出来ていると思っているんですけど(笑)」
間宮啓介役 戸次重幸さんインタビュー
どんな仕事でも生き残らなくてはなりませんから…。
「そうですね。だからやはり、ヒールを演じているという意識がないんです。最大公約数であるキャラクターを少し誇張して、みなさんに届けているだけという感じです」
間宮の湊(山﨑賢人)への接し方は?
「接し方と言うか湊たちとのシーンでは今まで述べたことを逸脱して、役者、戸次としてのコミカルさを出したくなってしまって(笑)。シリアスなシーンでは当然ダメですけど、“ここだ!ここ、面白いぞ!”というシーンを見つけると、どうしてもやりたくなってしまうんです。もちろん、監督とリハーサルから相談してOKはいただいていますよ。僕の芝居を知ってらっしゃる方は“また、やりたいようにやって”と思われているかもしれませんけど(笑)」
湊は周囲の人物を変化させています。
「僕がみなさんと同じ目線なのは台本を読む時ですが、6話ぐらいから周囲の湊に対する評価がグッと変わって来るのが面白かったです。放送を見たみなさんなら“待っていました!”と、なる痛快な回だったと思います。1話目から分かってはいる湊の医師としての能力の高さを周囲が現場で認め出すような…。それだけでなく、湊の父親に対する葛藤も描かれました。とにかく『グッド・ドクター』は出演者、スタッフ全員が気合を入れて作っているので中だるみするような回はありません。漫画で例えるなら『キングダム』!最後まで右肩あがりで盛り上がっていけるだろう。という確信を得ながら、日々撮影に励んでいます!」
間宮啓介役 戸次重幸さんインタビュー
では、間宮はどうなっていくと思われますか?
「6話、7話では間宮の方向性が少し分かりにくくなります。8話でさらにわからなくなるんですけど(笑)。ただ、8話は9話以降の間宮が見えてくる素敵な回になっています。それでも、間宮は何かが少し変わるかもしれませんが、成長という意味合いのものはないかもしれませんね(笑)」
7話では間宮の手術シーンが…。
「そうなんですよ!やっとです。短いシーンですけど、撮影は興味深かったです。この作品の手術シーンで使われる器具は全て本物で、そのシーンで間宮が使う電気メスももちろん本物でした。実際に煙も出るんですよ。貴重な経験をさせていただきました。話は変わりますけど、以前、救命医で出演させていただいた作品も全て実物だったんです。そこにはエコーの機械があって、医療指導の先生に肝臓を見ていただきました。その時、お酒をよく飲んでいたこともあり脂肪変化があったので、ちょうど良いと診てもらったら大丈夫だったんです。なので、今はどうなっているかと…。『グッド・ドクター』にもエコーの機械があるので診てもらおうと思います(笑)」
収録現場の雰囲気はいかがですか?
「本当に素晴らしいですよ!みなさん素晴らしいんですが、僕は勝手にこの雰囲気を作った原因のひとつにルービックキューブがあると思っています。常に藤木さんを師匠と崇め、僕はこの6面体を手放せなくなっています(笑)。僕だけでなく、現場に弟子はたくさんいるので。また藤木さんが懇切丁寧に指導してくださるんですよ。この結束は固いですね」
山﨑さん、上野樹里さんはいかがですか?
賢人くんはとても難しい役を上手く演じているな…と、感心しています。医療用語が含まれるセリフを早口で喋るのがまず難しいのに、自閉症スペクトラム障がいの湊として話すという難しさがあります。それが毎回ですから頭が下がります。上野さんは演技に対してすごく真剣な方です。僕はそこまで出来ているのだろうか?と、反省するぐらいです」
視聴者のみなさまにメッセージをお願いいたします。
「1話完結というエピソードのほかに、湊の成長や周囲の変化、小児外科の行方という連ドラならではの楽しみ方があるドラマです。ただ、僕自身まだ最終回がどうなるのか?は、まだ知りません。みなさんと一緒に最後まで楽しみたいです。シーズン2ですか?僕はあるんじゃないか?あって欲しいな!と、思っています!」

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