ギークス 〜警察署の変人たち〜

2024年7月スタート 毎週木曜 よる10時

インタビュー

松岡茉優さん

本作のタイトルを初めて聞いて時のご印象はいかがでしょうか。

最初にタイトルと同時にプロデューサーさんから企画の想いをお聞きしました。三人の“ギーク”達が井戸端会議をしている中で、ふと事件解決をしてしまって、刑事課にいる刑事さんがそれを聞きに来て、結局はその人の手柄になってしまう。ギーク達は手柄が欲しいわけではないし昇進したいわけでもないので、その手柄をどうぞどうぞ!と差し出してしまう感じなのですが、なんだかその穏やかさに私はとても惹かれてしまいました。今は一生かけても見切れないほどの作品があると思うのですが、その中で、少し遅めの夕飯を食べながら気張らず見るようなドラマがあってほしいと私自身が思っていたので、木曜の夜10時放送ということで、平日働いている方はあと一日を乗り越える一晩を過ごすにあたって、晩酌などしながら、だらだらっと考察してもらえたら嬉しいなと感じています。

台本を読んでみてのご感想はいかがでしょうか。

会話劇が中心となっていて、私が演じる西条さん、田中みな実さんが演じる吉良さん、滝沢カレンさんが演じる基山さんの三人が平日起こったことの愚痴ですとか、自分が思っていることやテレビを見ながらなんとなく話していることから、事件解決の糸口が見えてきてしまうという可愛らしい進み方の作品です。

私たちのクランクインが、居酒屋での会話が続くところの撮影で、田中みな実さんとは初対面、滝沢カレンさんとはバラエティーで少しだけご一緒しただけでしたので、台本を読んだ時には、皆さんと一気にチームになるにはどうしたら良いだろうかと思っていました。でもいざ三人が居酒屋の円卓に集まって話していたら、スルスルと馬が合っていきました。お二人に共通して感じるのは、嘘がなくてピュアなところで、そういう方と会話するとこちらも自然体でいられるなと日々実感しています。最初のシーンから割とテンポが必要なシーンだったのですが、スムーズに撮影も進み、あっという間に仲良くなりました。

撮影の合間もみな実さんからおススメの美容アイテムを聞き、カレンさんからおいしいおやつを聞き、私が差し出せるのはあまりないのですが、皆で「これいいよ!」というものを交換しあったりしています。私はまとめ買い派で、1個買うなら10個買っておきたいタイプなので、まとめ買いをしたおやつとか日々の日常のモノとかを三人でシェアしています。

自身が演じる西条唯という役柄はどのように感じていますか。

西条さんも吉良さん、基山さんも定時で帰ることから省エネ三人組と言われているのですが、この省エネの捉え方を私は、サボっているとか、無気力とか、だらしがないとかではなくて、むしろ定時の17時までに完璧に終わらせることに心を燃やしている三人だと感じているんです。なので私が演じる西条さんも誰よりもキビキビ仕事をしているからこそ定時で上がれるというのがポリシーであり魅力なので、ただ早く帰りたいのではなく、決められた終了時間を守りたいという真っ当さが私は愛おしいなと感じています。

そして家ではジグソーパズルがたくさん置いてあるのですが、美術さんが加えてくださった要素として、蛙グッズ好きという設定があって、現場に行くと蛙グッズが軒並み置いてあります。私の鑑識係のデスクにも、お家にも蛙グッズがたくさん置いてあるので、彼女のそんな一面にも注目していただけたら嬉しいです。

西条と共通点はありますか。

やはり好きなものには、周りがみえなくなってしまうものなんだなと西条さんを通して感じます。例えば私はお茶やお菓子も好きですけど、オタクとまでは言えない。その差って何だろうと思った時に、周りを戸惑わせたりするくらい猪突猛進してしまうのが、オタクと好きの違いなのかと思っています。なので、西条さんもジグソーパズルのことになると少し周りが見えなくなってしまいますし、私も自分が好きなアイドルの話になると、少し周りが見えなくなってしまいます。

三人それぞれギークな部分があるんですけど、そんな特異さが、事件解決の役に立っているので、その爽快さも楽しみにしていただきたいです。

メインキャスト三名ともそれぞれ違う能力がありますが、松岡さんが欲しい能力は何かありますか。

滝沢カレンさんが演じる基山さんが地理オタクなのですが、オタクの度を超えていて、三人の中では一番日常生活では助かる能力なのではと思います。例えば、写真の端っこに写っている標識とか、神社の形とかで「ここは何県の何々のお寺です」という所まで当てちゃうので、一番ギークなのではと思っておりまして、一番欲しい能力です。私はお店の名前を覚えるのが苦手で、凄く美味しかったお店の名前が思い出せなくなることが多いので、パッと見てここですと言える能力は羨しいなと思いました。

田中みな実さんも滝沢カレンさんもそれぞれ違う道を歩んで、このドラマで共演になったかと思うのですが、お二人からどのような刺激を受けましたか。

滝沢カレンさんはピュアで、言葉の紡ぎ方が唯一無二な方だなと感じていました。なぜそういった言葉が出てくるのかを滝沢さんを見ながら考えていたのですが、例えば誰かが誰かの悪口を言っていたり、あまり良くない話をしていたとしても、きっと彼女の心には届かないと思いました。ドラマの撮影中でも演出されたことに対して、「それはこういうことですか?」と凄くまっすぐ聞かれていて。コメディシーンの中で、「ここもうちょっとリアクション頂いても良いですか?」と言われたとき、「変な顔をするってことですか?」とか。一つ一つ丁寧に、なぜそうなのかということを相手にきちんと聞く姿勢というのは素敵だと思います。新鮮な言葉を毎日くれて、心が洗われます。

田中みな実さんとは今回が初対面でした。みな実さんがいらっしゃると現場が一気に明るくなるんです。朝から私たちが少し重たいシーンを撮っていて、チーム自体が集中モードに入っていて、ピリピリとまではいきませんが、パキッとした空気が流れていたのですが、次のシーンからみな実さんが入ってきて、「おはようございます!」とお花が咲いたみたいな声でみんなに挨拶をして、「茉優ちゃんなんか今日寝不足?」と話しかけてくれたりして。現場の皆がみな実さんに恋をしていると思います。現場にお花を咲かせてくれるのがみな実さんです。

現場に入る前と後で、想像していた印象と変わったことはありましたか。

今のチームの特に好きなところは、自由に意見を交わし合うところです。例えば、ここにカメラをセッティングしたいけど照明部さんがそこだと困る位置があったりすると、譲ったり、戦ったりということがままあって。それぞれの関係値によっても変わるかと思うのですが、みなさんはそうではなくて「ここ入っていいですか?」「いやですね」「OK!」といった感じでさっぱりと解決されていて、今のチームの大好きなところです。

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