『それでも、灯りはともる~秋田・上桧木内 紙風船がつなぐ冬と春~』

2026.09.26更新

報道・情報

第35回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品(制作:秋田テレビ)

復旧した厨房で調理をするなか志ま旅館の中島勝子さん

『それでも、灯りはともる~秋田・上桧木内 紙風船がつなぐ冬と春~』

<10月3日(土)27時15分~28時15分>

記録的な大雨 食堂再開を支えた多くの手

秋田県仙北市の「上桧木内地区」。2025年8月、記録的な大雨が内陸南部を襲った。町唯一の旅館も床上浸水の被害に、この旅館のおかみ・中島勝子(84)は、旅館の現状を見て「もうやりたくない。見たくない」とすべてを諦めた。全国各地のボランティアの力を借り、日常を取り戻していく。「支援に感謝の気持ちを」と食堂を復活させ、地域ににぎわいが戻ってくる。復興から復活までのおかみの8カ月間を追った。

食堂再開を決意するなか志ま旅館の中島勝子さん

再開でにぎわう食堂に笑顔が戻るおかみ 災害があったときこそ地域を元気に紙風船が夜空を舞う

2025年8月、秋田県内陸部を“経験したことのない大雨”が襲い、2日間で8月一か月分を超える雨量を記録。桧木内川が氾濫し、仙北市上桧木内では家屋の床上浸水や農地被害など、甚大な影響が広がった。被災直後、全国から多くのボランティアが駆け付け、泥かきや田んぼの土砂撤去をはじめ、復旧作業に汗を流した。

なか志ま旅館でのボランティア活動の様子

8月の氾濫発生当時の仙北市上桧木・紙風船館前

被害が大きかった宮田集落にある「なか志ま旅館」の店主・中島勝子も、床上浸水により営業再開が危ぶまれる状況に直面した。水害のあった日の朝、長年連れ添ってきた夫の健を病気で亡くした。泥まみれになった厨房を見て「何も見たくない、全部捨ててくれ」と無力感と夫を亡くした喪失感に襲われる勝子。しかし、懸命に支えてくれるボランティアの姿に胸を打たれ「感謝を伝えたい」という思いから再建を決意し、約二か月半後に食堂の営業を再開。地域の温かな支えと、人々のつながりの大切さを象徴する出来事となった。

小正月行事当日、無事に空に上がる紙風船

さらに、近隣で毎年2月10日に行われる伝統行事「上桧木内の紙風船上げ」も、土砂流入で開催が危ぶまれたが「災害あった時こそ、地域に元気」という住民の強い願いと協力によって例年通り実施された。復興を支えたボランティアなども訪れ会場はにぎわいを見せた。復興への祈りや感謝を乗せ、夜空へと舞い上がる紙風船は、地域の希望そのものだった。災害から立ち上がろうとする人々の姿、支え合う地域の力、そして伝統行事に込められた思いを通して、復興へと歩む上桧木内の“今”を描く。

コメント
ディレクター・西宮隆介 (秋田テレビ コンテンツセンター報道部)

「水害発生後まもなく、浮かない顔をした旅館のおかみの勝子さんに出会いました。ボランティアが自分のために必死に働く姿を見て“食堂を再開したい”と迷いながらも答えを出した勝子さんのことを追ってみたいと思い、取材することにしました。勝子さんがボランティアに指示を出す姿、調理場で従業員に指示を出し率先して動く様子。日に日に前向きになっていく勝子さんの様子を見て私自身も元気をもらいました。地域の小正月行事“上桧木内の紙風船上げ”は戦前まで各集落で行われていました。以前水害があったときに“水害があったときこそ、地域に元気を”と勝子さんの夫・健さんが復活させました。制作のときには地域住民たちの強いつながりを感じました。取材期間を通じて弱みをあまり見せず、訪れた人が満足する料理を提供する誰もがひかれる勝子さんに魅力を感じてもらい、料理の味を楽しみ旅館に足を運んでもらえれば幸いです」

【番組概要】『それでも、灯りはともる~秋田・上桧木内 紙風船がつなぐ冬と春~』 (制作:秋田テレビ)

第35回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品
≪放送日時≫
10月3日(土)27時15分~28時15分  ※関東ローカル
≪スタッフ≫
プロデューサー:菊池誉啓(秋田テレビ コンテンツセンター報道部)
ディレクター・構成・撮影:西宮隆介 (秋田テレビ コンテンツセンター報道部)
語り:石川文子(フリーアナウンサー)
撮影:佐々木弘樹(秋田テレビ コンテンツセンター報道部)
藤井大希(AKITAメディアテクノロジーズ)
音響効果:伊藤直人(AKITAメディアテクノロジーズ)
編集:仁村美沙(AKITAメディアテクノロジーズ)
CG:武藤 優(AKITAメディアテクノロジーズ)
  佐々木夏子(AKITAメディアテクノロジーズ)
  加賀谷みゆき(AKITAメディアテクノロジーズ)

掲載情報は発行時のものです。放送日時や出演者等変更になる場合がありますので当日の番組表でご確認ください。