2026.09.21更新
報道・情報
最後の舞台に臨む仲代達矢さん(右)
<9月28日(月)25時45分~26時45分>
希代の俳優、仲代達矢さん、92歳。能登半島地震の復興を願い、石川県「能登演劇堂」で主演を務める舞台に臨んだ。1公演3時間、20日間にわたる過酷な舞台、仲代さんは身を削りながらも千穐楽まで舞台に立ち続けた。役者人生最後の挑戦となったこの舞台で、仲代さんが残したメッセージとは・・・。
「隆巴(妻)へ、やっとお前のいう通りにやったぞ」。俳優、仲代達矢が、亡き妻への言葉をそっとつぶやいた。『92歳、仲代達矢を生きる。』は、映画界や舞台演劇で一時代を築いてきた希代の俳優、仲代達矢の役者人生、最後の輝きを真正面から捉えたドキュメンタリー番組。
「無名塾」の塾生に指導する仲代達矢さん
2025年初夏、仲代さんが率いる俳優養成所「無名塾」の出演者とともに、ドイツの劇作家ブレヒトの反戦劇『肝っ玉おっ母と子供たち』の20日間に及ぶロングラン公演に挑む姿を追った。仲代さんが演じたのは、主役の“肝っ玉おっ母”。舞台では出ずっぱり、休憩をはさんで約3時間の舞台、92歳の年齢を考えても誰もまねのできない挑戦。仲代さんは70年に及ぶ役者人生を懸けてその舞台に臨んでいた。気管支ぜんそくの持病を抱え、舞台の袖には酸素吸入器が欠かせなかった。肺に吸い込む空気の量を7割に抑えながらも天井桟敷まで届く美声は衰えない。毎日の声出し訓練と演劇練習、そして並外れた気力・・・。“老いとの戦い”の中で、生涯現役を貫き通し、千穐楽では鳴りやまない万感の拍手の中、舞台の中央で深々と頭を下げる仲代さんの姿があった。
仲代達矢さん(右)舞台の登場シーン
仲代さんは今回の公演に「三つの思い」を込めていた。一つは災害で傷ついた第二の故郷・石川県能登の人々へのエール。そして、今も世界で続く戦争への抗議、三つ目は亡き妻・宮崎恭子さん(演出家名・隆巴)と交わした約束への“答え”だ。「仲代さん、気持ちよくやってね、最後は・・・」恭子さんが演出を始めた頃に、仲代さんに投げかけた言葉は、今回の公演の静かな核心となっている。
「仲代達矢さんが第二の故郷と語る、石川県能登の震災復興を願い決意した今回のロングラン公演。命を懸けた渾身(こんしん)の演技、役者としての生き様がそこにありました。70年に及ぶ役者人生で、これまで多くを語ってこなかった仲代さん。単独インタビューで明かされた生い立ちや、黒澤監督、小林監督との出会い、そして無償で後進の育成に努めてきた“無名塾”への思い、亡き妻との約束。映画界、演劇界の一時代を築いてきた希代の名優の軌跡と一つ一つの言葉は、今を生きる人への貴重なメッセージとなっています」
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