2026.07.14更新
報道・情報
報道陣に囲まれ取材を受ける父・高羽悟さん
<7月21日(火) 26時45分~27時45分>
2025年10月。26年間未解決だった「名古屋市西区主婦殺害事件」で、女が殺人容疑で逮捕された。被害者の夫・高羽悟(たかばさとる)さんは連日のように報道対応に追われる。しかし、どれほど疲れていても、取材依頼を断ることはない。その姿勢は一貫している。一方、東京で暮らす息子・航平さんの目に、カメラの前に立ち続ける父の姿はどう映っているのか。犯人逮捕後のメディア対応を通して、遺族である父と息子、それぞれの胸の内を見つめる。
1999年11月、名古屋市西区で主婦の高羽奈美子(たかばなみこ)さんが殺害された事件。長らく未解決だったが、2025年10月31日、事態は急転する。女が殺人容疑で逮捕されたのだ。直後から被害者の夫・高羽悟さんのもとには報道各社の取材が殺到する。しかし悟さんは、どれほど多忙でも取材を断ることなく、一つ一つ丁寧に対応していく。
テレビ取材を受ける父・高羽悟さん
なぜ、そこまでカメラの前に立ち続けるのか。
悟さんは事件解決前から「遺族も笑っていい。元気な姿を見せ、犯人を喜ばせたくない」と語ってきた。その一貫した姿勢の根底にはどのような思いがあるのか。取材を受けることは、悟さん自身に大きな負担となっていないのか。取材を重ねる中で、その問いは次第に強くなっていった。
自宅で語り合う父・悟さん(右)と息子・航平さん(左)
一方、息子の航平(こうへい)さんは、名古屋の実家を離れ、東京で暮らしている。幼い頃から、父・悟さんとともに事件解決を訴えるビラ配りを行い、その姿は度々メディアにも取り上げられてきた。犯人逮捕後も奈美子さんの法要や、犯罪被害者遺族会の活動などで取材を受けている。
しかし、メディア対応に対する思いは父とは異なる。「事件として一区切りついた。できれば誰の目にも触れず過ごしていきたい」。
共に取材を受け続けてきた父と息子。その距離感は、事件解決後、少しずつ変化していく。息子の目に映る父の姿と、父自身の胸にある思いは、再び交わることがあるのか。事件解決後を生きる親子の日常を通じて、遺族とメディア、父と息子の関係を見つめる。
「2025年10月31日夕方。愛知県警記者クラブに貼り出された一枚の紙には『名古屋市西区稲生町5丁目主婦殺人事件の被疑者逮捕』と書かれていました。26年間未解決だった事件の犯人逮捕。私は数秒間、状況をのみ込めず、頭が真っ白になりました。直後、遺族である高羽悟さんに電話をし、滞在先へ向かいました。到着した時、高羽さんは友人と酒を酌み交わしていました。しかし、それもつかの間、私に続いて報道陣が次々と集まり、あっという間に囲み取材が始まりました。犯人逮捕前も後も変わらない高羽さんのメディアへの向き合い方。なぜ高羽さんはカメラの前に立ち続けるのか。私は強い関心を抱き、その思いを探るため、一枚一枚心の皮を剥いでいくような思いで取材を重ねました。取材を通して、遺族一人一人の中にある重層的な感情に、じっくり触れさせていただきました。取材に応じていただいた皆さまに、心より感謝申し上げます」
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