2026.06.30更新
報道・情報
動物たちは人間たちが責任を全うする日を、おりの中で待っている
<7月7日(火) 26時50分~27時50分>
日本一危険な動物園「ノースサファリサッポロ」(札幌市南区=2005年開園)は、無許可で獣舎などを建てた「違法動物園」だった。札幌市から17回の指導を受けながらも無許可建築物を増やし続けた。2025年9月の閉園後、獣舎などの撤去に不可欠な動物の移動は難航している。“ノースサファリ”は、なぜ20年も放置したのか。札幌市は、なぜ是正できなかったのか。動物たちの安住の地は。動物を巡る人間たちの葛藤を見つめる。
キャッチーなうたい文句で有名な、札幌市南区の動物園「ノースサファリサッポロ」。トラなどの猛獣にエサをあげたり、アザラシやヘビと一泊したり・・・動物との至近距離の触れ合いが人気を呼び、北海道文化放送をはじめ各メディアも頻繁に取り上げ、その名は「全国区」となった。ところが“ノースサファリ”は「違法動物園」だった。
”日本一危険な動物園”として人気だった「ノースサファリサッポロ」
183棟まで拡大した獣舎などの“無許可建築物”
2005年の開園以降、開発が制限される土地「市街化調整区域」に、無許可で獣舎や宿泊施設などを建設していた。札幌市は開園の1年前から20年間にわたり、無許可建築物の是正を17回指導したが“ノースサファリ”は増設を繰り返し183棟に・・・。その対応が問題となり2025年9月に閉園した。
対応の遅れを振り返る秋元克広・札幌市長
長年、獣舎などの撤去を求め続けていた札幌市に対し、ようやく“ノースサファリ”も撤去を表明。一方で、まずは動物を移動させなければならないという難題がつきまとう。動物の健康面に配慮しながらの受け入れ先探しは、難航を極めた。北海道内の公営動物園に受け入れを期待する声はあった。ただ飼育スペースや動物の検疫などを理由に、受け入れることはできなかった。2004年に閉園した札幌市内の熊牧場では、閉園後に引き取り手が見つからず、今もヒグマ2頭を飼育し続けている。
動物を助けようと乗り出した赤沢芳樹社長(ビーチキャピタル)
「動物たちがかわいそう」。三重県にある民間動物園がアライグマ4匹とメンフクロウ2羽を引き取ったが、それは“ノースサファリ”にいる動物のごく一部だった。
なかなか無許可建築物の撤去が進まない“ノースサファリ”。資金を投じて「動物たちを救いたい」という動きも出てきたが、地域住民の猛反発で白紙に―。
業を煮やした札幌市は、ついに法的義務がある行政処分「除却命令」に踏み切った。無許可建築物の撤去期限は2026年10月末だ。
“ノースサファリ”は、なぜ20年も無許可建築物を放置したのか。札幌市は、どうして拡大する法令違反を是正させられなかったのか。住民の合意も必要な状況下で、撤去期限の日は刻一刻と迫る。園内に残る200匹以上の動物たちの、安住の地は見つかるのか。今もなお動物たちの鳴き声がこだまする“ノースサファリ”。
法律、立場、感情。思惑と思惑の間で葛藤する人間たちと、板ばさみに遭う動物たち。人気動物園「ノースサファリサッポロ」を巡る、これまでの21年半を見つめ直し、これからを見つめていく。
「ノースサファリサッポロといえば“動物と触れ合える面白くて楽しい動物園”。2014年に入社してバラエティー番組を担当し、人事異動で報道記者になってからも、そのイメージを持ち続け度々取材をしてきました。違法開発問題が明るみに出た2025年2月から現在に至るまで“なんでこんなことに・・・”と、実はショックを拭えないままでいます。番組を制作するにあたり、運営会社が抱いていた認識、行政に敷かれているルールや立場などを知り“難しい問題だった”と理解できた一方、居場所を失った動物たちが心配になりました。6匹の命を引き取った三重県の動物園の園長が“動物が一番かわいそう。人間たちがそうしたんだから”と真剣な表情で話してくれたことで、この問題の核心に近づけた気がしています。行き場が決まらない動物たちは一体どうなるのか。人間たちはどんな解決策を見いだすのか。一緒に考えていく番組になればと思っています」
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