2025.09.20更新
報道・情報
CLUB RIO代表理事 永松良太さん
<9月27日(土) 26時45分~27時45分>
佐賀県江北町の牧場CLUB RIOでは2頭の引退競走馬とポニーの、3頭が暮らしている。オーナーの永松良太が2008年に立ち上げた。華やかな競馬の世界の裏側で多くの競走馬が引退しているが、その多くは食肉処分されていたり、行方がわからなくなったりすることが多いという。流鏑馬(やぶさめ)の馬やホースセラピーなど、永松は引退した競走馬に役割を与えることで、地域の中で馬が人とともに暮らしていく方法を模索し、馬と人とが共に生きていく未来を描く。
佐賀県江北町の牧場CLUB RIOでは現役を引退した競走馬のホーリーとシップ、それにポニーのジュジュの3頭が暮らしている。ホーリーもシップも、現役時代に輝かしい成績を残したわけではないが、縁あってCLUB RIOにやってきた。
ブラッシングされるジュジュ
牧場の草を食べる馬たち
左から)シップ(鹿毛)、ホーリー(葦毛)、ジュジュ(ポニー)
2008年にこの牧場を立ち上げた永松良太は、子供の頃に、競走馬を育成するゲームで遊んだことをきっかけに馬に興味を持った。当初は騎手を目指したが体格的な基準に合わず断念し、厩務(きゅうむ)員としての仕事に従事した。厩務員時代に、永松は競馬という華やかな世界の裏側で、多くの競走馬が引退することを目の当たりにしてきた。引退後その多くは食肉処分されたり行方がわからなくなったりすることが多く、平均20年前後とされる寿命を全うできる馬は、ほんの一握りという。永松はそんな馬たちが穏やかな余生を過ごせる場所を作り、馬たちにも地域の中で役割を与えて、馬と人とが共生していく未来を作ろうと流鏑馬(やぶさめ)やホースセラピー、乗馬などで、現役を引退した競走馬たちが活躍できる場所を作ろうとしている。一方でCLUB RIOにも、自らの活動の意味や自分の人生のきっかけを作ろうと多くの人たちが集まり、お金で変えられないやりがいを見いだしている。
永松はなぜそこまで馬のために働くのか。その答えは単純明快で、永松の人生の喜怒哀楽はつねに馬とともにあり、その思いをさせてくれた馬たちに少しでも恩返しがしたい、というものだった。永松にこのような思いを抱かせたのは、彼と長年苦楽を共にしたマックスという馬で、CLUB RIO立ち上げの時に、他の牧場から連れてこられた初期メンバーだ。マックスは穏やかな余生を過ごしていたが、2024年3月9日に永眠した。30年近く生きた、大往生だった。盟友の永松を残して旅立つのが心配だったのか、マックスは永松にある行動をとることでメッセージを送った。
牧場 CLUB RIOの風景
「2年前、ある国会議員がCLUB RIOを訪問するというリリースを手にした際、面白そうだけど予定があり取材できず、それがずっと自分の中で引っかかっていたのですが、今年、佐賀県江北町で行われたイベントで再びCLUB RIOと出合うことができました。番組に登場する永松さんは“マックスがつないだ縁”とよく口にされていましたが、マックスから始まって、今では3頭の馬が暮らすCLUB RIOには、馬の持つ不思議な魅力に取りつかれて多くの方が集まってきます。取材中、馬たちは機材を怖がることなくいろいろな表情を見せてくれました。“馬と人とはコミュニケーションが取れる”と話す永松さんの気持ちも、今では少しだけわかったような気がします。サラブレッドとして世に送り出された馬たちは、人間の夢を乗せて走り続けています。馬たちが余生を穏やかに過ごすことができるよう、永松さんのような活動が少しでも全国に広がっていくことを願ってやみません」
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