『海を継ぐ -いつか瀬戸内に魚が戻る日-』

2025.09.16更新

報道・情報

第34回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品(制作:OHK岡山放送)

瀬戸内海の状況を説明する余傳吉恵さん

『海を継ぐ -いつか瀬戸内に魚が戻る日-』

<9月23日(火) 26時45分~27時45分>

魚が消えた港町 1軒しかない魚屋の奮闘記

瀬戸大橋の麓にある岡山県倉敷市下津井で出会った余傳吉恵さんは、50代で小学校の教師を辞め、魚屋を営んでいる。今、瀬戸内海はかつてない危機にひんしている。海がきれいになりすぎて栄養が少なくなり、魚が激減しているのだ。吉恵さんが店主を務める「吉又商店」は、港町・下津井でたった1軒の魚屋。寂しくなった町を活気づけようと吉恵さんは特産の「下津井ワカメ」など、地元の味を守りつなぐことに奔走する。かけがえのない瀬戸内海の宝を次世代に継ぐために闘う、70代の女性の日々を追う。

魚が消えた港町・倉敷市下津井 1軒しかない魚屋の店主70代女性の奮闘記 教師を辞めて魚屋となった理由とは

瀬戸大橋の麓にある岡山県倉敷市下津井で出会った余傳吉恵さん、73歳。吉恵さんは50代で小学校の教師を辞め、現在、魚屋を営んでいる。実は今、かつてない危機にひんしている瀬戸内海。海がきれいになりすぎて栄養が少なくなり、魚が激減。漁獲量はピーク時の3分の1まで落ち込んでいる。吉恵さんが店主を務める「吉又商店」は、港町・下津井でたった1軒の魚屋。かつては多くの人が行き交う一大消費地だった故郷・下津井の寂れようを見て、居ても立っても居られなくなった吉恵さんは、寂しくなった町を活気づけようと「下津井ワカメ」など、地元の味を守りつなぐことに奔走する。販路拡大を求め岡山市の街なかにある料亭に下津井ワカメを持ち込み、プロに試食をしてもらうが果たして評価は。

地元の小学校で「海の授業」をする余傳吉恵さん

下津井沖のワカメを漁師から仕入れる余傳吉恵さん

そして将来を見すえて後継ぎ探しも始めた。一緒に働く40代男性を後継者にと考えているが、魚が激減する状況のなかで仕入れ価格は上がる一方。店も赤字でなかなか先が見通せる状態ではない。彼は魚がいない港町を守る後継者になってくれるのか、膝を突き合わせて店の今後について本音を話す2人。さらに吉恵さんは、地元の子供たちに今の海の現状を知ってもらおうと15年ぶりに教壇に立ち、実際の魚を持ち込んで授業を行った、元教師による魂のこもった海の授業、そこに込められたメッセージとは。魚が取れなくなった瀬戸内海で、かけがえのない海の宝を次世代に継ぐため闘う、70代の女性の日々を追う。

コメント
ディレクター・戸田奈沙(OHK岡山放送 報道部)

「瀬戸内海がきれいになりすぎて、魚が激減している…私は普段、環境問題を扱う番組を担当していて、この事実を色んな角度から取材してきました。今回出会った港町・下津井の魚屋、余傳吉恵さんは、元小学校の先生で本当にパワフル。魚が減ったこの町を、どうしたら次の世代のために資源が豊かな海として残せるか日々模索しています。まずは、魚が少なくても踏ん張って漁に出ている漁師の生活を守ること、そのために吉恵さんは寂しくなった港町でたった1軒になっても、魚屋を続けています。他にも、地域の子供に海の状況を教えたり、観光客がくれば海の幸の試食を勧めたり、地元の民謡を歌ってアピールしたり…海を守ることに繋がると感じれば、何でもやる吉恵さん。彼女のまっすぐな思いに心動かされながら、瀬戸内海の今を知るきっかけとなる番組になればと願っています」

【番組概要】

第34回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品『海を継ぐ -いつか瀬戸内に魚が戻る日-』(制作:OHK岡山放送)
≪放送日時≫
9月23日(火) 26時45分~27時45分 ※関東ローカル
≪スタッフ≫
ナレーター :甲本雅裕(アルファエージェンシー)
構成 :梅沢浩一(フリー)
音効 :齋藤資典(ユニオンサウンドラボ)
MA :神山幸久(スタジオヴェルト)
撮影・編集 :平井大典(OHKエンタープライズ)
ドローン撮影 :花澤健一(リインフォース)
CG :加藤裕理(OHKエンタープライズ)、 尾瀬未有(OHKエンタープライズ)
ディレクタ :戸田奈沙   
プロデューサー :堀靖 英    

掲載情報は発行時のものです。放送日時や出演者等変更になる場合がありますので当日の番組表でご確認ください。