『ザ・ノンフィクション』

2025.07.05更新

報道・情報

番組初! 波瀾万丈の画家・落合皎児の回顧展を上野の森美術館で開催

左から“water mirror” collagragh(plate art) 161cm×112cm、画家 落合皎児(享年76)

『ザ・ノンフィクション』

2025年7月12日(土)~27日(日)上野の森美術館ギャラリー(入場無料)

フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』から生まれた、初めてとなる美術展『落合皎児 回顧展 LIFE AFTER LIFE』が、2025年7月12日(土)から27日(日)まで、「上野の森美術館」ギャラリーにて開催される。放送開始から30年を迎える『ザ・ノンフィクション』で、番組史上初の“3週連続放送”となった『炎の中で死んだ父を僕は知らない』(2024年11月~12月放送)をきっかけに実現した本展。火事により、突然この世を去った父・落合皎児と、父の人生をたどる息子の旅を描いた物語は、放送直後から多くの反響を呼んだ。ピカソやミロと並び“スペインの現代作家150人”にも選ばれた、知られざる日本人画家の作品と、スペイン・バルセロナやスイス・ジュネーブでの創作活動を追った映像を通して、非業の死を遂げた波瀾万丈の画家・落合皎児の世界に触れていただく機会となる。

番組史上初の3週連続放送で大反響!『炎の中で死んだ父を僕は知らない』

2024年4月…76歳になる父が、火事で突然この世を去った。全焼した住居の隣にあるアトリエに遺(のこ)されたのは、画家である父が描いた大量の絵、そして約1500万円の借金だった。知らせを受けて長野の実家に駆け付けたのは44歳の息子。名前は「落合陽介ギフレ」。若き父が画家として活躍したスペイン・バルセロナで生まれ、父の友人である高名なアーティストが付けてくれた名前だ。

80年代にバルセロナで活動した父は、ピカソやミロ、タピエスといった巨匠と並ぶ“スペインの現代画家150人”に選出され称賛を受けていた。一方で、酒浸りで変わり者の父は、幸せな家庭を築くにはほど遠く、日本に帰国後に離婚。長男の陽介ギフレは12歳で実家を飛び出し寮生活。父の存在に悩まされ続けた家族は心を病み、母は孤独死、弟は20歳で命を絶った。家族を振り回した父に息子は複雑な思いを抱えながら生きてきたのだ。

遺されたのは父の1000点におよぶ絵画と約1500万円の借金。もし、父の絵画を相続するなら借金も相続することになる。日本では輝きを失っていた父の作品は、“ゴミくず”なのか、それとも世界が求める“宝”なのか…。

思えば、12歳で別々に暮らした陽介ギフレは、父のことをよく知らない。父はどんな人物で、どんな画家だったのか…、なぜ家族を壊してしまったのか…、陽介ギフレは迷いながらも、亡き父の人生を知るための旅に出る。親戚や親友、画廊関係者など、生前の父を知る人々を訪ねて回る旅は、画家としての原点を育んだスペインへ…。旅の中で、父の人生は“家族を翻弄(ほんろう)した父”から“苦悩と執念の中で絵を描き続けた一人のアーティスト”として息子の目に映り始めた。番組放送後、大きな反響が寄せられたことを受け、父が命懸けで描き残した作品と父の生きた軌跡を広く世に紹介するべく、今回の回顧展開催が決定。版画作品など約20点を展示、番組映像の一部が上映される。

【コメント】
落合陽介ギフレ(落合皎児氏・長男)

「2024年4月11日、焼け跡に立ちのぼるすすの匂いと、春の日差しが交錯する中で、私はただ呆然と立ち尽くしていました。焼け残った父のアトリエには、奇跡のように無傷で佇む数々の絵。それらだけが、あの空間で唯一“生”を感じさせる存在でした。“なんとかしてあげたい”――その衝動のような思いから、父を知る人々に会い、ゆかりの地を巡り、父の絵とその生涯を知る旅が始まりました。そこで知った、父の情熱と苦悩、その奥にある純粋さ…、肯定し切れなかった父に対し、深い愛情と尊敬が心に芽生えていきました。本展は、落合皎児という画家の力と光を、私なりに形にまとめたものです。ご覧いただく皆さまの心に、何かがそっと残れば幸いです」

チーフプロデューサー・西村陽次郎(フジテレビ情報企画開発部)

「1995年に放送開始して以来30年、“時代を生きる人々の心”を描いてきたドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』。今回の落合皎児回顧展は、番組から生まれた初めての美術展になります。旧知のテレビディレクターである息子の陽介ギフレさんから企画提案を受けて実現した番組は、テレビドキュメンタリーの枠を超えて、取材対象者の人生の軌跡と故人の遺した作品に、実際に触れることができる美術展へと展開することになりました。観客それぞれが、“1人の人生の物語”を感じ取ることができる“体感型ドキュメンタリー”と言える空間に、ぜひ足を運んでいただければと思います」

≪展示概要≫
〈タイトル〉
『落合皎児 回顧展 LIFE AFTER LIFE  
POSTHUMOUS EXHIBITION OF KOUJI OCHIAI 「LIFE AFTRE LIFE」』
<会期>
2025年7月12日(土)~27日(日)
<会場>
上野の森美術館ギャラリー
開館時間:午前10時~午後5時(※会期中無休)
入場無料
〈概要〉
1989年にピカソやミロらと並ぶ「スペインの現代作家150人」に選ばれた画家/版画家・落合皎児。帰国後も奔放に暮らしながら創作活動に生涯を捧げ、火事により非業の死を遂げた数奇な人生は、ドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』でも放送された。その遺作の数々が、息子の手により世に放たれる。展示作品は版画など約20点。スペインやスイスでの創作活動を追った番組映像と合わせて、知られざる日本人画家・落合皎児の作品は、見る者に何を語りかけるのか。

主催:一般社団法人プロジェクト皎
後援:フジテレビジョン
企画協力:『ザ・ノンフィクション』
<参考リンク>
上野の森美術館展示案内

【YouTube『フジテレビドキュメンタリー』】
■ザ・ノンフィクションStream『炎の中で死んだ父を僕は知らない ギフレのその後 父の一周忌』

■ザ・ノンフィクション×Yahoo!ニュースドキュメンタリー <語り>
『「相続か放棄か」家族を犠牲にした父が遺した1000点の絵と1500万円の借金』

番組公式HP

掲載情報は発行時のものです。放送日時や出演者等変更になる場合がありますので当日の番組表でご確認ください。