『命のスキル~ひとりの救急医の選択~』

2025.06.28更新

報道・情報

第34回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品(制作:テレビ西日本)

心肺停止の患者の処置を行う久城正紀医師(中央)

『命のスキル~ひとりの救急医の選択~』

<7月5日(土) 25時45分~26時45分>

真正面から命と向き合う救急医 1年密着

福岡市の中心部、天神に位置する済生会福岡総合病院の救命救急センター。ここに久城正紀という医師がいる。救急車で運ばれてきたさまざまな患者の処置を行う救命救急医だ。重症患者が搬送され、自身の目の前で患者が命を落とすことも日常の現場。まさに、地域医療の最後のとりでで闘っている。「本当に助けられなかったのか」「自分じゃなければ・・・」。正解が分からない葛藤もある中、彼は救命と向き合い挑戦し続ける。「誰かのためになる」そう信じ、次なる舞台へ向かう軌跡を追った。

「重症患者を助けたい」真正面から命と向き合う救急医 努力を惜しまない医師の新たな挑戦とは

舞台は福岡市・天神。済生会福岡総合病院の救命救急センター。ここで働く救急医・久城正紀医師に密着した。研修医時代、救急医療の魅力を感じ、その道を自ら選んだ。若手の頃は日勤と夜勤を繰り返し、長時間勤務が当たり前になる中、限界を感じながら処置に当たる毎日を過ごしていた。それが当たり前の時代だった。ただ、命を救えなかったとき、「診るのが自分じゃなかったら・・・」と、正解のないキツさが自分の中に残ったという。医師としての力不足を痛感し、救命医療で日本屈指の体制を誇る日本医科大学千葉北総病院へ。半ば押しかける形で「北総」の門をたたき、ドクターヘリに搭乗。フライトドクターとして経験を積む日々を過ごした。救命の最前線に身を置くことで、医療体制作りの必要性も痛感した。「救急医は天職」という久城医師。目の前の命を救うために何ができるのか、そのためなら努力を惜しまない。取材を通じて感じたのは「なぜ、ここまでできるのか」、「追い求める、救命の理想像とは」。3年前に地元・福岡に戻り、いま久城医師のもとで救命医療を学ぶ若手医師も現れた。救急医の不足、長時間労働など課題も多い現場・・・。救急医を増やすことが喫緊の課題だが、少しずつ現場は改善されている。ただ、その状態に満足することはない久城医師。この1年に密着して見えてきた、久城医師の“理想”とは。そして、久城医師が見つけた、次なる舞台とは―。

久城医師に背中を押され救急科の道に進んだ若手医師
久城正紀医師、秋吉祐希医師(左から)

亡くなった患者のもとへ向かう久城正紀医師

コメント
ディレクター・中村優志(テレビ西日本 報道部)

「久城正紀医師とはニュースの取材で出会いました。2023年12月31日「大みそかの救命救急センターに密着」と題した特集を放送するために、私は済生会福岡総合病院を訪れ、その日、たまたま当直勤務を任されていたのが久城医師だったのです。31日の夕方から翌朝までの取材だけでも、複数の患者が命を落とし、現場は、その現実から目をそらしたくなる過酷なものでした。しかし久城医師は、次々に搬送されてくる患者に対応し、自分にできることに全力を尽くし続けます。そして、1月1日の夕方、石川県で能登半島地震が発生すると、3日後、久城医師はすでに石川県にいました。私たちの命が、久城医師のような人々に守られていることを痛感するとともに、私は記者として、救命と向き合い続ける久城医師の根底を探り、彼の生き方を広く伝えたいと思いました。この思いが番組制作の発端となっています。もしものことが起きた場合に、私たちが命を預ける救命救急医。その1人である久城正紀医師の生き方を、視聴者の皆様にも知っていただきたいと思っています」

【番組概要】

第34回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品『命のスキル~ひとりの救急医の選択~』(制作:テレビ西日本)
≪放送日時≫
7月5日(土) 25時45分~26時45分 ※関東ローカル
≪スタッフ≫
ナレーション:伊藤沙莉
取材・構成:中村優志
撮影:佐藤俊一郎・安波嘉寛・小阪武寬・梅丸 聡・清武昭皓・小住ひかり
編集:利光英樹
CG:井之上尚太
MA:須賀雅臣
プロデューサー:笹村慶太
制作・著作:テレビ西日本

掲載情報は発行時のものです。放送日時や出演者等変更になる場合がありますので当日の番組表でご確認ください。