『私たち、転校しました ~日本一15回のバレー部~』

2024.10.18更新

報道・情報

第33回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品(制作:テレビ長崎)

転校したバレー部員17人の物語

『私たち、転校しました ~日本一15回のバレー部~』

<10月25日(金) 26時25分~27時25分>

転校した日本一15回のバレー部と地域の絆

日本一15回のバレーボールの名門・九州文化学園高校の部員17人が、長崎県立西彼杵高校(西海市)に転校した1年を追いかけたドキュメンタリー。17人は、指導者が新たな道に進んだことをきっかけに「人としても成長できる」と転校を決意した。西海市に転入した彼女たちの存在は、高齢化に直面する地域の人たちにとって少しずつかけがえのないものになっていく。ナレーターは、自身もバレーに青春を捧げた俳優の大谷亮平。

日本一15回のバレーボール強豪校から地域の公立校へ転校した部員たちを追った。彼女たちが語る恩返しとは。

高校バレーボールの強豪校「九州文化学園高校」の部員17人が、公立高校の「長崎県立西彼杵高校」に転校した1年を追ったドキュメンタリー。青春の1ページをさわやかに描きつつ、人口減少の進む西海市の現状や取り組み、専門家の声も盛り込んだ。ナレーターは俳優の大谷亮平が担当。学生時代、バレーに青春を捧げた大谷が番組に命を吹き込んだ。

真実(こころ)のバレー掲げる西彼杵高校

九州文化学園高校は、高校バレーの3大大会で15回日本一に輝いた名門だ。井上博明監督が「真実(こころ)のバレー」を掲げて一からチームを作ってきた。その井上監督が2023年3月に学校を定年退職することになり、西海市から誘いを受け西彼杵高校の外部指導者への就任を決めた。私は2022年秋に水面下で動いていたこの話を知り、取材に動き出した。
「私たち、転校しました」の主役、3年生3人を含む17人は、「井上監督の元で学べば、人としても成長できる」と転校を決意。公立高への一斉転校は異例だが、県教委は「部活動環境の変化は特別な事由にあたる」との見解で転校を認め、彼女たちは転入試験に合格した。

部員全員で寮生活を送り姉妹のような絆を作る

長崎県西海市にある県立西彼杵高校

それまで5年間部員ゼロだった西彼杵高校バレー部は、新入生も加え22人で再スタートを切る。「転校という当たり前ではないことを多くの人が実現させてくれた」感謝を胸に、転校直後の小さな地区大会で優勝。ここで彼女たちは、笑顔とともに大粒の涙を流す。しかし、転校生は半年間、高体連主催の大会に出場できないという決まりがあり、彼女たちはそこから我慢の半年を過ごした。
学校のある西海市は、平成の市町村合併で誕生し、人口減少や高齢化に直面している自治体だ。部員5人から指導者を招き、3年で甲子園出場を果たした県立大崎高校野球部という先行事例もある。
地域の人たちは、若さと明るさを届ける西彼杵高校バレー部に引き付けられていく。いつしか試合に来て声援を送り、野菜や米を寮に届ける関係性が生まれていった。半年が過ぎ、憧れの春高バレー(全日本バレーボール高等学校選手権大会)全国大会をかけた秋の県大会。会場には市民も。しかし準決勝で試練が襲う。3年生エースがプレー中に足を負傷。西彼杵高校は決勝を大黒柱不在で臨んだ。エースがベンチで見つめるなか、全国をかけた勝負の行方は最終セットにもつれ込んだ・・・。
日本の部活が始まって以来初の「公立高校への集団転校」。部員からは地域への感謝の言葉が聞かれるようになっていく。

ディレクター・磯部翔(テレビ長崎 報道局報道部 アナウンサー)

「九州文化学園、略して九文。春高バレーに携わる人は誰もが知る強豪校です。その九文バレー部がなくなると聞いたのは2022年夏でした。私もアナウンサーとして春高に長く関わっていて、一大事と取材を始めました。当初は井上監督の新たな道という形で取材していましたが、多感な高校生が“転校”をした点にフォーカスした方が、共感を持って見て頂けるのではないかと方向性を変えました。時に、はしゃぎ、時に涙する彼女たちは普通の女子高校生です。黙々とバレーをする姿しか知らなかった私にとって、それすら意外でした。地域の人たちが徐々に米や野菜を持ち寄ったり、会場で応援したりと“推し”のような状況が生まれているのも面白く感じました。この番組は社会問題に深く切り込むような骨太な番組ではありません。彼女たちの笑顔や涙を通して青春を思い返してもらい、ちょっとだけ部活動のあり方や人口減少の進む地域の現状に思いを馳(は)せて頂けると幸いです」

【番組概要】

第33回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品『私たち、転校しました ~日本一15回のバレー部~』 (制作:テレビ長崎)
≪放送日時≫
10月25日(金) 26時25分~27時25分 ※関東ローカル


≪スタッフ≫
プロデューサー:中富麻子
ディレクター:磯部 翔
構成:磯部 翔
ナレーション:大谷亮平
撮影:松本 翔

掲載情報は発行時のものです。放送日時や出演者等変更になる場合がありますので当日の番組表でご確認ください。