2024.10.12更新
報道・情報
ミュージカル県SAGAプロジェクト代表 栗原誠治さん(63)
<10月19日(土) 27時15分~28時15分>
佐賀県の演劇の第一人者、栗原誠治さんが立ち上げたミュージカル県SAGAプロジェクト。県民を募り、新設されたSAGAアリーナでミュージカル公演を行おうという壮大なプロジェクトだ。年齢制限なし、経験不問のオーディションで選ばれた県民たち。ステージへの憧れを持つ人、佐賀を盛り上げたいと思う人など様々な思いを抱く300人以上のメンバーで挑むミュージカル県SAGA、260日の歩み。そして栗原さんが思い描く佐賀の未来とは。
2023年4月23日、あるプロジェクトがスタートした。それはミュージカル県SAGAプロジェクト。新設されたSAGAアリーナで県民たちがミュージカル公演をするという壮大なプロジェクトだ。2023年5月13日にオープンしたSAGAアリーナは、九州最大規模の客席数を誇る。その大舞台でのミュージカルを企画したのは、佐賀を代表する演劇人、栗原誠治さん(63)。「すべての壁を取っ払って佐賀でおもしろいことができるんだ、ということを広げていきたい」と、年齢制限なし、経験不問、誰でも参加OKという条件で募ったオーディションには、幼い子どもから最高齢92歳まで、佐賀で活躍する役者、子どもの頃ステージに憧れた人、まったくの素人など300人を超える人が集まった。
ミュージカル本番 スポットライトに照らされる出演者たち
ミュージカル本番の生方千晴さんの様子
生方千晴さん(中央)
ミュージカルの演目は『佐賀の夜の夢』。シェイクスピアの喜劇『真夏の夜の夢』を佐賀バージョンにアレンジしたものだ。メインキャストは22人。ほとんどが演技経験者の中、まったくの素人、中学2年生の生方千晴さんが大抜擢された。小学生の時に学校で劇をしたことがきっかけで演劇が大好きになった生方さんの魅力は純粋さとやる気。分からないことだらけの中、夢のステージに向けて懸命に努力した。
ミュージカル本番の知花ちなさんの様子
知花ちなさん(中央)
稽古の様子
車いす利用者の知花ちなさんは、SAGAアリーナのステージに立つことが佐賀の健常者と障害者の懸け橋になればと思い応募。また初めての試みに胸を躍らせ母・息子・娘の3人で参加する家族や、佐賀を盛り上げていきたいと話す若手の役者など、さまざまな思いを持つ人たちがひとつの舞台を作り上げようと、時にはぶつかりながら試行錯誤を続ける。
たくさんの人に天国のようなステージを経験してほしいと思っている栗原さん。今回のSAGAアリーナでの県民ミュージカルは、佐賀県の文化芸術に影響を与えることになるに違いないと考えている。「大切なのは努力の過程だ」と栗原さんは言う。アリーナ公演を通して参加者たちは何を感じるのか。ミュージカル公演のその先の未来とは。ミュージカル県SAGA260日の軌跡は、佐賀県がミュージカル県として踏み出す大きな第一歩となる。
「1年ほど前、SAGAアリーナでミュージカル公演をするためのオーディションが開かれると聞き、何かおもしろいことが動き出したと思い取材を始めました。オーディション会場には老若男女さまざまな思いを抱く方々がいて、圧倒されるほどの熱量を感じワクワクしました。しかし今回の舞台は、約8400席を有するSAGAアリーナ。未経験者が多くを占めるメンバーで、はたして公演までたどり着くことができるのだろうか?と思いましたが、その答えは、取材を進めていく中で聞こえてきた栗原さんの言葉やひたむきに練習をがんばるみなさんの姿から得ることができました。ミュージカル県SAGA公演までの260日の日々を通して、ひとりひとりの熱意が見る人の心を動かすと感じました。SAGAアリーナで県民たちがミュージカル公演を行った意味と、ミュージカル県への第一歩を踏み出そうとしているその背景を描きました」
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