『フォルティシモ 79歳全盲先生はあきらめない』

2024.09.28更新

報道・情報

第33回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品(制作:OHK岡山放送)

講演する竹内昌彦さん

『フォルティシモ 79歳全盲先生はあきらめない』

<10月5日(土) 27時30分~28時30分>

3000回の講演会 79歳全盲先生の言葉

盲学校の元教頭で全盲の竹内昌彦さん。33年間で3000回を超える講演会に招かれ、延べ約31万人に勇気と希望を届けてきた。自らの失明や幼少期のいじめ体験を通して命の大切さを訴えてきたのだ。79歳になった今も全国を駆け回る竹内さんには、生涯をかけて取り組む夢がある。それはアジアの目の不自由な子供たち1000人の目を治すこと。手術費用の支援を行う竹内さんを後押しするのは、脳性小児まひで生まれた長男への思いだった。

79歳全盲先生が行った33年間で3000回を超える講演会 失明や壮絶ないじめ体験を通して伝える命の大切さ

岡山盲学校の元教頭で全盲の竹内昌彦さんは、30年以上にわたり3000回を超える講演会を続けてきた。彼の話を聞いたのは、北は北海道から南は沖縄まで延べ約31万人に及ぶ。8歳の頃病気で失明したことや、幼少期に受けた壮絶ないじめ体験、脳性小児まひで生まれた長男の話などを通して、障がい者への理解や命の大切さを伝えている。
79歳になった今も全国を駆け回る竹内さんには、人生をかけて取り組む夢があった。それは、自分が生きているうちに、アジアの途上国の目の不自由な子供1000人の目を見えるようにすること。講演会の謝礼金を貯めてモンゴルとキルギスに盲学校を建設した竹内さんは、活動の中で手術さえすれば失明を防げる子供たちがいることを知った。自身の目は手術しても治らない・・・。しかし、日本円で3~5万円あれば目が見える人生を歩めるのであれば、その費用を届けてあげたいと、2017年認定NPO法人「ヒカリカナタ基金」を立ち上げた。2023年12月、竹内さんは手術に協力してくれる病院の視察のためカンボジアを訪れた。新型コロナウイルスの影響で4年ぶりとなった海外訪問は、高齢の竹内さんにとって最後になるかもしれないタイミング。特別な思いでカンボジアに渡った竹内さんは、「ヒカリカナタ基金」の支援で目の手術を受けた子供たちの目に「ヒカリ」が届いた瞬間にも立ち会うことができた。自身の活動で子供たちに「ヒカリ」が届いていることを実感した彼は、決して夢をあきらめない覚悟を決めたのだ。

カンボジアを訪れた竹内さん

目の手術のあと絵を描いたロアット君

竹内さんの活動を支援する人の輪は大きく広がっている。活動に賛同した人の中には、コレクションの美術品を寄付してくれた人や、仲間たちと催しを開いて寄付金を集める人も。目が見えるようになったアジアの子供たちが描いた絵を眼科の待合室に飾り、レンタル料として手術費用を寄付する取り組みも始まった。竹内さんの言葉を聞いて人生や生き方が変わったという人は多い。その言葉は、人生の節目節目で違ったメッセージを伝えてくれるのだという。竹内さんの講演会の依頼は今も相次いでいて、呼ばれればどこへでも、誰のもとにも出向く。なぜ人は彼に惹(ひ)かれ、彼の言葉を求めているのだろうか。竹内さんの言葉に秘められた長男への思い、人々を惹きつける講演会の魅力、生涯をかけた彼の夢を見つめた。

ディレクター・竹下美保(OHK岡山放送 報道部) 

「私自身、取材を通して竹内さんから生きる道しるべとなるメッセージを受け取ってきました。彼の魅力を伝える番組を作りたいと考えていた時、4年ぶりとなる竹内さんの海外訪問に同行することが決まったのです。高齢の竹内さんにとっては最後になるかもしれない。生涯をかけて取り組む竹内さんの活動の記録を残さなければと思いました。そして、できるだけ多くの若い世代に届けたいと願いました。竹内さんの言葉は、生きづらさを抱えた若者たちに必ず刺さる言葉だと確信していたからです。そのため、重いテーマでも身構えることなくできるだけ明るく見てもらう工夫をしたつもりです。番組に詰め込んだのは、目が見えない人生を歩み、79歳になっても夢をあきらめない彼からしか出てこない言葉。人生の節目に必ず刺さるメッセージがあるはずです。その言葉を届けるのが私の仕事、きっと今の私のように生きるヒントを受け取る人がいるのだと信じています」

【番組概要】

第33回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品『フォルティシモ 79歳全盲先生はあきらめない』(制作:OHK岡山放送)
≪放送日時≫
10月5日(土) 27時30分~28時30分 ※関東ローカル


≪スタッフ≫
構成:梅沢浩一
音効:桧山賢至(メディアハウスサウンドデザイン)
MA:早川一美(メディアハウスサウンドデザイン)
撮影・編集:浦上順司(OHKエンタープライズ)
CG:加藤 裕理(OHKエンタープライズ)
ディレクター・語り:竹下美保(OHK岡山放送)
プロデューサー:堀 靖英(OHK岡山放送)

掲載情報は発行時のものです。放送日時や出演者等変更になる場合がありますので当日の番組表でご確認ください。