2023.09.25更新
報道・情報
訪問先の母親と抱き合うゴージャス理枝
<10月3日(火) 27時10分~28時10分>
南国の島・沖縄。島を照らす太陽の明るい光の陰には、貧困という暗く根深い問題が潜んでいる。立ち上がったのは“ゴージャス理枝”と名乗る1人のエステティシャンだった。
どんな時も強く明るく美しく。ゴージャス理枝は貧困に苦しむ女性や子どもたちのもとに食料を持って駆け付ける。来る日も来る日も支援に明け暮れるゴージャス理枝。そんな彼女の闘いの日々を追った―。
観光地として人気のある南国の島・沖縄。新たなリゾートホテルやタワーマンションの建設が進み、好景気に沸く。ただ、それは沖縄の光の部分。光があれば影もある。県民所得は全国最下位、賃金は全国最低、子どもの貧困率は全国平均の約2倍である。
貧困は、親から子へと連鎖していく。その連鎖を断ちたいと立ち上がったのは、県内でエステサロンを経営する赤嶺理枝、51歳だった。自らを“ゴージャス理枝”と名乗る彼女は、2019年から、困窮する母親や子どもたちに2週間分の食べ物を届ける食料支援に力を注ぐ。時にはエステサロンの営業が終わった夜遅くから、時には営業を休んでまで。助けを求める母親たちの声を聞けば、沖縄本島全域どこでも駆け付ける。
そしてゴージャス理枝は、常に強く明るく美しい。メイクをしたら戦闘開始。貧困という強大な敵にひるむことなく立ち向かう。そんなパワフルなゴージャス理枝と会った母親たちは、たちまち笑顔になる。明日も頑張ろうと、なぜか勇気が湧き出てくる。ゴージャス理枝が届けているのは、食べ物だけではない。
取材のきっかけは「ゴージャス理枝はなぜここまでするのか」という素朴な疑問だった。彼女が貧困という敵と必死に戦い続ける理由を探すため、2年ほど前から食料支援の同行取材を始めた。すると次第に見えてきた沖縄の貧困の実態。家賃や光熱費が支払えないほど追い詰められ、孤立し、途方に暮れる母親たち。ゴージャス理枝を通して、沖縄の貧困家庭を目の当たりにした。そして、密着を続けることで分かった彼女が闘い続ける理由。助けを求める母親たちを優しい笑顔で包み込む彼女もまた、癒えない傷を抱えていた―。
これは、貧困という見えない敵と戦い続ける、強く明るく美しい沖縄のヒーローの物語。
「ゴージャス理枝さんはとても明るく、豪快な人です。食料支援では母親たちの悲痛な声に親身になって耳を傾け、食料を手渡す。そして“大丈夫、大丈夫。心配するな!”と笑いながら肩をたたき“いつでも連絡してね。無理はしないで”と言ってさっそうと立ち去る。取材の中で、ゴージャスさんと会って笑顔になるお母さんたちを多く見てきました。そして、その豪快さの中にある繊細で優しい部分。ゴージャス理枝さん自身、癒えない傷を抱えているからこそ、お母さんたちの苦しみを理解し支えられるのだと知りました。ゴージャス理枝さんが奮闘する姿を見て、明日を前向きな気持ちで過ごせる人が1人でもいたら。そして、1人でも多くの人が貧困問題について考えるきっかけになったらいいなという願いを込め、番組を制作しました」
食料支援の様子
(左から)ゴージャス理枝、相棒のマツ毛美紀
食料支援で届ける物資
ゴージャス理枝に変身
掲載情報は発行時のものです。放送日時や出演者等変更になる場合がありますので当日の番組表でご確認ください。