『小さな水族館の大きなキセキ~館長と愉快な仲間の奮闘記~』

2023.09.11更新

報道・情報

第32回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品(制作:高知さんさんテレビ)

館長と愉快な仲間たちに囲まれたマスコットキャラクターおとどちゃん
(前列左から)丸野貴也、盛田勝寛、秋澤志名館長、おとどちゃん、森香央理、薮内雅英

『小さな水族館の大きなキセキ~館長と愉快な仲間の奮闘記~』

<9月15日(金) 27時15分~28時15分>

日本一に輝いた老舗水族館の型破りな改革

高知市の観光名所・桂浜にたたずむ創業92年の桂浜水族館。
1周5分ほどで回れる小さな水族館が、ニュースサイトが行った全国の「水族館人気ランキング」で2年連続1位に輝いた。飼育員の一斉離職や来館者数の減少などで存続の危機に陥った館を変えたのは、秋澤志名館長と個性豊かな飼育員たち。アシカの赤ちゃんに館内を散歩させるなど、水族館の枠にはまらないアイデアでお客さんをとりこにしている。
女性館長と愉快な従業員たちの奮闘の日々を追った。

主役は生き物ではなくイケメン飼育員!存続の危機から日本一に輝いた老舗水族館の改革とは?

創業92年の桂浜水族館は、高知市の観光名所・桂浜の浜辺にたたずんでいる。
民営の小さな水族館だが、全国からファンが訪れる人気ぶりだ。しかし、来館者数は1992年の約21万4千人をピークに減少し、東日本大震災が起きた2011年には津波への懸念から8万人台に。2014年には飼育員が一斉離職し、館の存続が危ぶまれた。
再建のため白羽の矢が立ったのが、秋澤志名館長・50歳。飼育の専門知識も経験も無い彼女は「マイナスをプラスに」をスローガンに掲げ、型破りな改革を進めていく。まず初めに作ったのは館のマスコットキャラクター「おとどちゃん」だ。ギザギザの歯をしたピンクのトドで、チャームポイントは豊満なFカップという衝撃の見た目。秋澤館長はおとどちゃんを広報係に任命し、大胆にPRしたのだ。その結果、おとどちゃんが投稿する桂浜水族館の公式ツイッター(現・X)は、フォロワー数が25万人を超えた。また桂浜水族館の飼育員たちはイケメンなだけではなく、個性派ぞろい。飼育員のリーダー的存在、丸野貴也が同僚の薮内雅英と挑戦したのはM-1グランプリだ。飼育員たちは「自分たちが注目されることで、動物好き、水族館好きが増えれば」と話す。アイデアを実現する行動力は秋澤館長の「水族館だから水族館らしいことをしなければいけないという発想が好きじゃない」という考え方に支えられていた。
飼育員歴39年のベテラン飼育員の盛田勝寛は、節分イベントで金属バットを引きずる「怖すぎる赤鬼」に変身する。赤鬼の腹には毎年、墨汁で「殺な(コロナ)」や「鬼苦論(オミクロン)」などの文字が書かれるが、2023年の節分イベントで書かれた文字は「肥流(コエル)」。盛田が溺愛するアシカの赤ちゃんの名前だ。コエルは7時間にもおよぶ難産で生まれ、母アシカに育児放棄されたため人工哺育で育てられた。ミルクをくれる盛田にベッタリでいつも膝に乗って甘えていたが、最近懐かなくなったという。その理由は離乳して魚をくれる飼育員の丸野貴也に甘えるようになったから。コエルと盛田と丸野の間に複雑な三角関係ができているのだ。人が大好きなコエルはプールを飛び出し丸野と館内を散歩してお客さんを驚かせる。飼育員と生き物とお客さんの距離の近さが話題になり、存続の危機からわずか7年で全国の「水族館人気ランキング」で2年連続1位に輝いた。マイナスを驚きのアイデアでプラスに変えてきた女性館長と愉快な飼育員たちの奮闘の日々を取材した。

ディレクター・構成:川辺世里奈(高知さんさんテレビ 報道部)コメント 

「初めて桂浜水族館を訪れたときの印象は“この水族館、何かが変”でした。アシカやトドが予告なしにプールから飛び出してきたかと思えば、飼育員がプールに入ってアシカと一緒に泳いでいる日もある。最新の設備はないのにお客さんの驚きと笑い声が絶えない水族館です。改革を行ったのは土佐弁で男勝りの女性を表す“はちきん”館長、秋澤志名さん。包み込むようなおおらかさがありながら“アジとサバの見分けもつかなかった”と豪快に笑う館長の人柄にひかれ密着を続けました。肝っ玉館長と飼育員、生き物たちの“ちょっと変わった日常”と、その空間に救いを求めて全国からやってくる常連客たち。新型コロナの感染拡大という逆境までもはねのけるたくましい老舗水族館の奮闘を多くの人に知ってもらいたいと思い制作しました。入館したらいつ何が起こるか分からない宝探しのようなひととき。番組を見ながら来館したような気持ちを味わってもらいたいです」

飼育員の盛田勝寛さんに甘える赤ちゃんアシカのコエル

お客さんに大人気。水族館のアイドル・アシカの赤ちゃんコエル

【番組概要】

第32回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品『小さな水族館の大きなキセキ~館長と愉快な仲間の奮闘記~』(制作:高知さんさんテレビ)
≪放送日時≫
<9月15日(金) 27時15分~28時15分>
≪スタッフ≫
ナレーション:川辺世里奈
構成:秦泉寺 昇、川辺世里奈
ディレクター:川辺世里奈
プロデューサー:秦泉寺 昇
撮影:川田卓史、徳弘涼介(フリー)、中岡元紀(フリー)、矢野正義
編集・MA:山本大地(MAD LAB.)、出間龍也(MAD LAB.)
CG:山﨑晴奈(MAD LAB.)、髙橋佑桜水(MAD LAB.)

掲載情報は発行時のものです。放送日時や出演者等変更になる場合がありますので当日の番組表でご確認ください。