『夫婦食堂』

2023.08.20更新

報道・情報

第32回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品(制作:石川テレビ)

入院中の夫・悦晶さんとリモート面会する加藤純子さん

『夫婦食堂』

<8月27日(日) 27時30分~28時25分>

食堂を営む妻と難病の夫…支えあう夫婦の姿

最愛の夫が難病で入院し、食堂を始めた女性。コロナ禍で、許されているのは2週に1度のリモート面会のみ。画面の向こうのわずかな目の動きで夫とコミュニケーションをとることが彼女の励みだ。SNSでは「お父さん、きょうの体調はどうでしたか?」と話しかけ、掃除のときは夫の長靴を履く。頑張っている姿を見せれば、夫に安心してもらえると、明るく店を切り盛りする。困難に負けず、二人三脚で生きる夫婦の愛の物語。

食堂の店主が頑張る理由…それは難病の夫を安心させるためだった

番組の主人公は金沢市内で食堂を営む加藤純子さん。純子さんの夫・悦晶(よしあき)さんは、難病の多系統萎縮症で長期入院中。コロナ禍で面会はリモート。しかも2週間に1度だけだ。病気のため、悦晶さんは、目しか動かすことができないため、コミュニケーションはまばたきのみ。そんな状況でも、純子さんはいつもケラケラ笑っている。夫婦のテーマソングは『ひょっこりひょうたん島』~だけど僕らはくじけない泣くのはいやだ笑っちゃお~。

純子さんが営む食堂は、地元産のレンコンを使ったお好み焼き「かどやき」が評判の人気店。「かどやき」は自販機でも販売するなど食堂のファンは全国に広がっている。
困難に負けず明るく店を頑張る理由はただ1つ。心配しているだろう夫を安心させるためだ。寝たきりの悦晶さんはもう自分で読むことはできないが、昔からそうしてきたように、純子さんは夫にSNSや手紙で近況を伝えている。
そのSNSや手紙の朗読を含め、ナレーションは女優の柴田理恵さんにお願いした。純子さんが書く金沢弁の手紙を、同じ北陸出身の柴田さんが優しく話しかけるように読んでいる。
「お父さん、またお父さんの手や足をさすってあげるからねぇ。まだかな~。わがまま言って困らせたらダメやもんね。お母さんも我慢するねぇ~」

番組にはもう1組夫婦が登場する。木村隆さんと妻の紀子さん。紀子さんは多系統萎縮症で2022年9月に亡くなった。木村さんは、妻が大好きな花を植えた庭を、妻亡きあとも手入れし続けている。
純子さんにとっての店も、木村さんにとっての庭も同じ、相手を喜ばせるための手段だ。相手のためと思って続けていることだが、逆に、自らの励みとなっているのだ。

ディレクター・山本美寿(石川テレビ 報道部)コメント

「ニュースで『かどや』を取材したディレクターから、店主の純子さんには難病の夫がいて、いつも夫の体調を気づかっていると聞きました。自らを振り返ると、元気な夫のことですら、大切にできていません。純子さんが偉大なのか、そうさせる夫が素晴らしい人だったのか。疑問だらけで取材をスタート。初めは、純子さんが一方的に、店を頑張ることで夫を元気づけていると捉え、片思いの番組になるのでは…と思っていたのですが、取材を進めるうち、頑張っている報告を夫に聞いてもらうことが純子さんの心のよりどころになっていて、そうやって互いが支えあっているんじゃないか…と気づき、両思いの番組が完成しました。また、木村さんは、亡き妻と築いた庭の手入れに没頭することで、さみしさを紛らわしていました。どちらも、相手を思う優しさにあふれていました。番組を見た人が優しい気持ちになってくれたらいいなと思います」

店に飾ってある加藤悦晶さんと純子さん夫婦の似顔絵

リモート面会も中止になり入院中の夫・悦晶さんにラブレターを届ける純子さん

【番組概要】

第32回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品『夫婦食堂』(制作:石川テレビ)
≪放送日時≫
<8月27日(日) 27時30分~28時25分>
≪スタッフ≫
ナレーション:柴田理恵(ワハハ本舗)
撮影・編集:和田光弘(フリー)
構成:五百旗頭幸男(石川テレビドキュメンタリー制作部)
プロデューサー:才澤 孝(石川テレビ報道部)
ディレクター:山本美寿(石川テレビ報道部)
制作:石川テレビ放送

掲載情報は発行時のものです。放送日時や出演者等変更になる場合がありますので当日の番組表でご確認ください。