『蔵を継ぐ~6代目が醸す日本酒の未来~』

2023.08.13更新

報道・情報

第32回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品(制作:NST新潟総合テレビ)

イベントで日本酒を販売する阿部酒造の6代目・阿部裕太さん

『蔵を継ぐ~6代目が醸す日本酒の未来~』

<8月20日(日) 27時30分~28時25分>

廃業寸前の酒蔵 継いだのは蔵を飛び出した息子

新潟県柏崎市で淡麗辛口の日本酒を造り続けてきた酒蔵・阿部酒造。少子高齢化や若者の日本酒離れなど、業界の厳しい現状を受け廃業を決めていた。この決定に待ったをかけ、蔵を継いだのはかつて新潟県を離れたはずの息子の6代目だった。「蔵をやっていくのは大変」先代が日本酒の未来を憂うなか「日本酒の未来は明るい」どん底から挑戦を続け、可能性を見いだした6代目が見つめる日本酒の未来とは。

手がけるのは新潟伝統の淡麗辛口ではなく「酸味」を生かした日本酒

地域によってさまざまな味わいがある日本酒。新潟県伝統の、キレのある辛口でさっぱりとした後味を特徴とする「淡麗辛口」もそのうちの1つで、今や多くの飲食店や酒販店が取り扱っている。その一方で少子高齢化に若者の日本酒離れなど時代の変化と共に日本酒の消費量は減少を続け、2021年度にはピーク時の4分の1にまで減っているなど日本酒を取り巻く環境も大きく変わっていた。「新潟の酒はもういらない」6代目が蔵に戻った1年目に東京の酒販店などに浴びせられた“忘れられない”言葉。日本酒の飲み手が減り続け、消費者から選ばれる日本酒しか求められない状況の中で、廃業予定だった小さな酒蔵が同じ淡麗辛口を造っていたのでは太刀打ちできない。この気付きと悔しさから生み出されたのが「酸味」や「甘み」を生かした新たな阿部酒造の日本酒だった。
どん底から始まった6代目の挑戦。全国の日本酒を飲み、県外の酒蔵に修行に出るなど自らの味を追い求めた末に生み出された6代目の日本酒はいま、日本酒ファンだけでなく女性や若者からも大きな注目を集めている。しかし、目を背けられないのが日本酒の飲み手が減少している現状だ。この未来を覆すため、6代目が取り組むのは日本酒に興味がない人、飲まない人に向けたさまざまなアプローチ。さらには日本酒文化を後生に残すための活動も動き出している。
「日本酒の未来は明るい」6代目が醸す日本酒の未来とは。その挑戦の日々を追いかけた。

ディレクター・小林祥郷(NST新潟総合テレビ 報道制作部)コメント

「新潟と言ったらコメと日本酒。私を含め多くの人が抱く新潟のイメージではないでしょうか。酒蔵数は89蔵と全国で最も多く、出荷量も全国で3位。しかし、県内の酒蔵の中には、売上の落ち込みや担い手不足などにより蔵を持続させることがままならず、廃業や別の会社に事業承継するところが出てきているのです。県民の1人としてさみしさを感じ、何か取材を通して伝えられるものはないかと県内の酒蔵に現状を取材していた時に出会ったのが阿部酒造でした。“廃業予定の蔵に戻った”“酒で地域を守りたい”“日本酒の飲み手を増やしたい”といったさまざまな活動に取り組んでいる話を聞いて興味を引かれ、阿部酒造の日本酒を飲んでみると、新潟の淡麗辛口とは全く違う“酸味”や“甘み”を感じる味で衝撃を受けたのを覚えています。その味に込めた思いや業界の未来のために取り組む活動を通して、広がる日本酒の可能性を多くの人に感じていただければ幸いです」

完成した日本酒のラベル貼りも自分たちで

新潟県柏崎市の小学校で日本酒の授業をする阿部裕太さん

【番組概要】

第32回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品『蔵を継ぐ~6代目が醸す日本酒の未来~』(制作:NST新潟総合テレビ)
≪放送日時≫
8月20日(日) 27時30分~28時25分
≪スタッフ≫
プロデューサー:丘山 慶(NST新潟総合テレビ 報道制作部)
ディレクター:小林祥郷(NST新潟総合テレビ 報道制作部)
構成:小林祥郷(NST新潟総合テレビ 報道制作部)
ナレーター:杉山萌奈(NST新潟総合テレビ 報道制作部)
編集:韮澤由紀夫(株式会社コム)
MA:佐藤誠二(株式会社コム)

掲載情報は発行時のものです。放送日時や出演者等変更になる場合がありますので当日の番組表でご確認ください。