『私の家族~奇跡を生んだ調律師~』

2023.08.07更新

報道・情報

第32回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品(制作:福島テレビ)

調律師・遠藤洋

『私の家族~奇跡を生んだ調律師~』

<8月13日(日)27時30分~28時25分>

奇跡のピアノと調律師一家の震災12年

ピアノ調律師の遠藤洋とその家族は東日本大震災の直後に1台のピアノの修復にあたった。津波をかぶり修復は困難とされながらも再び命が吹き込まれ、「奇跡のピアノ」と呼ばれるようになった。
この1台を修復したことで、家族の元には全国から被災したピアノの修復依頼が届くようになった。一方で、被災後から復興に向け歩む家族の姿を見ていたのが次女でフルート奏者の優衣。12年間くすぶらせていた思いを晴らすように奇跡のピアノと共演を果たす。

“困難”と言われた津波被害からの修復 奇跡のピアノはなぜ生まれた?音色で語り継ぐ震災の記憶

調律師の遠藤洋は調律師歴44年のベテランで、直したピアノは3万台を超える。遠藤の元には他の業者では買い替えを勧めるような状態の悪いピアノの依頼も届く。時間がかかる作業になろうとも「どんな状態のピアノでも直す」と決める理由は、ピアノの1台1台には再び元の音を響かせるようになる時を待つ持ち主がいるからだ。時代の変化で家庭では「電子ピアノ」が主流になったが、アンティークピアノだからこそ、それぞれの家庭の「思い出の音」になると調律を続ける。
遠藤には4人の子供がいる。長男、次男、長女の3人は同じく調律師で「ピアノ家族」。それぞれ性格も違えば、役割も違い、会話は多くはない。それでも「ピアノを直す」という気持ちは共通している。
4人の子供の中で唯一、ピアノの調律師ではない次女の優衣はプロのフルート奏者。東日本大震災時に中学2年生だった優衣は、家族が始めた「奇跡のピアノ」の修復や、再び奏でたピアノの音色を聞き、同じ家族でありながらもその姿がまぶしく見えていた。そして、家族の中で何もできない自分に“もどかしさ”も感じていた。その優衣は、家族が直した「奇跡のピアノ」と奇跡の共演を果たした。家族が当時示した音楽による復興の思いを、「奇跡のピアノ」の音色に乗せて。

ディレクター:丹野裕之(福島テレビ 報道局報道部)コメント

「私自身は普段、音楽を聴く習慣が全くありません。そのため音楽で感動したこともなく、ましてやピアノの調律のことは全く知識がない中で取材を始めました。振り返ってみると取材当初は家族が話す“音楽の力”をどこか信じ切れていなかったように思います。しかし、取材を重ねる中で家族が繋ぎながら取り戻すピアノの1音1音や、被災経験から特別な思いを抱くピアノの持ち主の演奏、12年間の感情を込めて吹く優衣さんのフルートの音色などを聴くたびに“こんなに言葉にしなくても伝わる”“人の心に語り掛けることができる”と感じる日々でした。
当事者たちにとって、“音楽の力”がどれだけ大切なことか、それを信じている家族の取材を担当できたことをうれしく思っています。私自身が痛感した“音楽の力”を、番組を見た人、聞いた人に感じてもらえるように本編は可能な限りナレーションを少なくしました」

津波被害から修復した奇跡のピアノ

1台1台心を込めて調律する遠藤洋

フルート奏者の次女・遠藤優衣

【番組概要】

第32回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品『私の家族~奇跡を生んだ調律師~』(制作:福島テレビ)
≪放送日時≫
8月13日(日)27時30分~28時25分 ※関東ローカル
≪スタッフ≫
ナレーション:遠藤優衣
撮影・編集:貝沼大輔(福島映像企画)
:渡邉 哲(福島映像企画)
音声:熊谷和浩(福島映像企画)
MA:新國伸太郎(福島映像企画)
CG:鈴木紗綾香(福島映像企画)
:佐藤彩佳(福島映像企画)
取材・構成:丹野裕之
プロデューサー:平岩 岳

掲載情報は発行時のものです。放送日時や出演者等変更になる場合がありますので当日の番組表でご確認ください。