『ジェンダーレスですけど何か?』

2022.12.01更新

報道・情報

第31回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品(制作:TOS テレビ大分)

「青壁童子」を演じる日野樹さん

『ジェンダーレスですけど何か?』

<12月8日(木) 27時30分~28時25分>

ジェンダーレスですけど何か?

大分の舞台に立つ「青空めじろ」という役者がいる。本名は、日野樹(ひの・いつき/21歳)。完璧なメイクに白く美しい指先。ヒールを履くと身長は190センチになる。第一人称は「わたし」。「私、ジェンダーレスなの」と笑いながら、アッサリと話す。聞いていいのかどうなのか?そんな考え自体、特別扱いしていることに初めて気づかされた。樹はこれまでどんな思いを抱えてきたのか?何を感じてきたのか?「日野樹」というこれまでの人生を、生き方を追った。

舞台に立てば圧倒的なオーラを放ち、舞台を降りればチャーミングな人懐っこさで関わる多くの人を夢中にさせる「青空めじろ」、本名「日野樹」21歳。周囲は口を揃えて「いい意味で人たらし」と言い、気づけば誰もが樹ファンになっている。その理由が取材を重ねていくうちにわかってきた。

幼い頃から舞台に立っていた樹にとって、メイクをすることも、きれいな衣装をまとうことも日常だった。でもこれまでの人生、悩んだ事が全くなかった訳ではない。そんな時に支えてくれたのが周囲にいる大人たちだった。例えばダンスの先生。「メイクしたら自分が変われるんでしょ?だったらあなたの好きな独自のスタイルを作ればいい」。いつもそう声をかけてくれていた。そしてメイクをすればきれいだと褒めてくれた。樹の家族もまた同じ。特に祖母はいつも樹を気にかけてくれていて、舞台用のメイク道具や欲しがれば人形だって買ってくれたという。そこにはいつもありのままの樹を受け入れてくれる“居場所”があった。

左から)日野樹さんの祖母・なるみさん、日野樹さん

ここ最近LGBTQという言葉は知られるようになってきた。しかし当事者にとっての状況はまだまだ変わらず、実際には理解も進んでいないのが現状。だからこそ樹は、誰にも打ち明けられず悩んでいる人に観てほしいと情報番組に出演。ジェンダーを考える特集で「こんな人もいるよ」とメッセージを送った。LGBTQの若者たちがありのままで大人になれる社会を作るには何が必要なのか?今、自分ができる役割を樹は考え始めている。

日野樹さん

プロデューサー・ディレクター:工藤健太(テレビ大分制作部) コメント

「ここ数年メディアでLGBTQに関して取り上げられることが多くなりましたが、差別や偏見を恐れてカミングアウトできない人がいまだ多いのが現実です。特に地方であればなおさら。私自身これまで何度も取材を試みましたが対象者を見つけることができずにいました。そんな時出会ったのが樹さんです。180センチを超えるスレンダーなスタイル、シックな色合いのチュニックにハイヒール。印象的な切れ長アイメイク。最初に会った時、表現し難いほどのオーラに圧倒されたことを今も鮮明に覚えています。取材の申し込みにも“私でお役に立てるのなら”と快諾してくれ、撮影を重ねるたびにチャーミングな魅力に引き込まれていきました。思うように生きられない人たちはまだまだ多い。しかしありのままに自分らしく生きることで こんなに人生は魅力的に変わる可能性があるということを“日野 樹”という存在を通じて感じていただけたらと思います」

【番組概要】

第31回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品『ジェンダーレスですけど何か?』(制作:TOS テレビ大分)
≪放送日時≫
12月8日(木) 27時30分~28時25分
≪スタッフ≫
プロデューサー:工藤健太
ディレクター:工藤健太
構成:安藤かおり (クリエイド)
ナレーター:小西綾音 (TOSテレビ大分アナウンサー)
MA:映像新社

掲載情報は発行時のものです。放送日時や出演者等変更になる場合がありますので当日の番組表でご確認ください。