『ようきたね、またきいや~観光列車が紡ぐものがたり~』

2022.10.25更新

報道・情報

第31回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品(制作:高知さんさんテレビ)

走りながら列車に手を振る田村梅一さん

『ようきたね、またきいや~観光列車が紡ぐものがたり~』

10月28日(金) 27時25分~28時25分

観光列車で楽しむ土佐流のおもてなし

高知の観光列車「志国土佐 時代(トキ)の夜明けのものがたり」が人気を集めている。

景色や料理はもちろんのこと、住民が列車に向かって手を振る“お手ふり”が各地で乗客を楽しませている。中でも87歳ながら、パワフルなおもてなしをしている田村梅一さんに密着。

さらに、乗車回数130回以上の大阪の男性や、列車内で「観光ガイド」デビューをする高校生など、コロナ禍の今、お手ふりによってつながる住民と乗客の心温まる交流をカメラが追った。

コロナ禍の観光列車で感動を生む土佐流のおもてなしとは?

JR四国が運行する観光列車「志国土佐 時代(トキ)の夜明けのものがたり」。2年前にデビューすると、初年度の乗車率は、コロナ禍としては異例の82%を記録するなど、今、密かに人気を集めている。その理由は車窓から見える日本の原風景、高知名物の「皿鉢(さわち)」に見立てた創作料理、そして“お手ふり”だ。これは文字通り、沿線住民が列車に向かって手を振り、乗客をおもてなしするもの。列車が走る県中部から西部までの間、グループから個人、駅のホームから自宅まで、様々な人や場所に広がり、乗客の心を和ませている。

中でも雨の日も雪の日も、去年の夏から1回も欠かさず、このおもてなしをしてきた男性がいる。四万十町に住む田村梅一さん、御年87歳。走って列車を追いかけるなど年齢を感じさせないパフォーマンスで乗客を歓迎するパワフルなおじいちゃんだ。列車の折り返し地点の窪川駅の近くで、仲間と一緒に仮装して列車を出迎える。梅一さん夫婦が始めたおもてなしは、今では多い時に30人を超える人が参加する県内最大規模の応援隊となった。「まん延防止」が明けた2022年春、息子、孫、ひ孫が集まり、4世代10人による“お手ふり”が初めて実現した。田村さんはなぜ手を振り続けるのか?

そして、この列車の最多乗車を誇るのが、大阪市の会社員・本田昇さん36歳。乗車回数は130回以上。ほぼ毎月のように高知を訪れ、列車に乗る。ただ乗るだけでは飽き足らず、列車を追いかけながらおもてなし側にまわるツアーにも参加している。月の給料の7割近くを使うほどお手ふりにハマる理由とは?

また列車内で『観光ガイド』デビューをする高知県立伊野商業高校の女子生徒にも密着。お手ふり住民によるサプライズに、涙する場面も。

コロナ禍で、人間関係が分断されがちな今、お手ふりによってつながる住民と乗客の心温まる交流の姿を取材した。

いの町仁淀川沿いで観光列車に手をふる花見客や住民たち

窪川駅に到着した観光列車を迎える住民たち

ディレクター・南陽介(高知さんさんテレビ制作部) コメント

「料理、景色、サービスなどが求められる観光列車。しかし、高知の観光列車の最大の魅力は、住民による“お手ふり”です。手を振られて振り返すだけですが、いざやってみるとどこか温かい気持ちになります。それも、河川敷、民家、100m先の畑からなど様々な場所で、子供からお年寄りまでが笑顔で手を振ってくれます。するとだんだん乗客も笑顔に変わり、いつの間にか手を振ってくれる人を探すようになります。そう、乗客が楽しんでいるのは高知の人なのです。話を聞いたある女性の言葉が印象に残っています。“手を振るのは、お客さんに楽しんでほしいから。でも一番楽しんでいるのは自分たち”。明るく、世話好きな県民による土佐流のおもてなしを、少しでも感じ取っていただければありがたいです」

【番組概要】

第31回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品『ようきたね、またきいや~観光列車が紡ぐものがたり~』(制作:高知さんさんテレビ)
≪放送日時≫
10月28日(金) 27時25分~28時25分
≪スタッフ≫
プロデューサー・構成:秦泉寺 昇
ディレクター・構成・撮影:南 陽介
撮影:片岡博光、澤村栄治、徳弘涼介、中岡元紀、矢野正義
編集・MA:山本大地(MAD LAB.)、出間龍也(MAD LAB.)
CG:山﨑晴奈(MAD LAB.)
ナレーター:岡本聡一郎(フリー)

掲載情報は発行時のものです。放送日時や出演者等変更になる場合がありますので当日の番組表でご確認ください。