『太一の光～全盲の少年 ７年間の記録～』

『太一の光～全盲の少年 ７年間の記録～』

９月17日（土） 27時15分～28時15分

全盲の少年 家族や仲間と共に歩んだ７年間

幼い頃、病気を患い両目の視力を失った長野県松本市在住の平林太一さん（15）。小学１年生の時に視覚障がい者のスポーツ「ブラインドサッカー」に出会い、練習に励み、力をつけてきた。夢は日本代表選手、そして、パラリンピックへの出場。明るい性格の太一さんが大切にしてきたのは、人とのつながりと、人とのコミュニケーション。番組では、太一さんが小学３年の時から７年に渡って取材。家族や仲間と関わりながら成長していく姿を描く。

平林太一さん「ブラインドサッカー」にかける思い…家族や仲間と共に歩んだ成長と自立、そして共生への願い

パラスポーツ「ブラインドサッカー」界の若手で、注目を集めているのが、長野県のクラブチーム松本山雅B.F.C所属の15歳、平林太一さん。長野県東筑摩郡生坂村で生まれ育った太一さんは、１歳で網膜芽細胞腫という目の癌（がん）が見つかり、両目を摘出。生活は両親と祖母、３人のきょうだいがサポートしてきた。小学１年の時に、担任教師からブラインドサッカーのキャンプを勧められたのをきっかけに、その楽しさに魅了され、以後、練習に励む中で力をつけ、日本代表を目指すユーストレセンにも選出された。太一さんは、競技はもちろんのこと、サッカーを通して多くの人とつながることができる喜びを感じていく。中学生になって地元のクラブチームに所属。公式戦で活躍し、得点王にも輝いた。そんな太一さんを日本代表エース、川村怜さんも注目している。また、小学６年で自立を目的に盲学校の寄宿舎に入り、親友や仲間、教師に支えられて、成長していく。子どものころからの変わらない夢は、ブラインドサッカーの日本代表、そしてパラリンピックへの出場。

一方、太一さんに誘われて、ルームメイトの親友もサッカーを始めた。障がいがあるなしに関わらず楽しめるブラインドサッカーを多くの人に広めることも、太一さんがサッカーに情熱をかける理由の一つだ。

番組制作のきっかけは、弊社の番組に出演していた太一さんに出会ったことだった。障がいがあることを忘れる位の明るさと無邪気さ、そして太一さんを包み込む家族に魅力を感じ、太一さんが小学３年の時から取材を始めた。ある日、太一さんが心に抱えていた思いを打ち明けてくれた。それは、「共生社会への思い」。障がいの有無に関わらず、共に生きる社会を広めるために、太一さんはサッカーを続けていると言う。その根底となった小学２年の時の出来事を話してくれたのである。そして中学に進む中で、その思いは膨らみ、新たな第一歩を踏み出すための進路を決断した。

成長する太一さんの姿を通じて、「共に生きること」を考えるきっかけになったら幸いだ。また、随所に取り入れた太一さん自らの思いを表現した作文にも注目していただきたい。

小学３年の時の太一さん

ブラインドサッカーの練習をする太一さん（小学３年）

ディレクター・東澤鈴美（長野放送管財）コメント

「初めて見た太一さんの笑顔に惹（ひ）かれて、会いに行ったのが７年前です。明るく無邪気な太一さん。転んでも、転んでも立ち上がってボールを追うけなげな姿。まるで目が見えているかのように生活している様子からは障がいを全く感じさせません。そんな太一さんが家族の中で成長する姿を捉えようと取材を始めました。ブラインドサッカーを頑張っている太一さんは、常に生き生きとした姿でしたが、番組の中で何をテーマに伝えるか模索する中、太一さんが秘めていた思いを話してくれた時がありました。それが“障がいの有無に関わらず、共に生きることの実現”です。その根底となった出来事を乗り越えたからこそ、今の太一さんの姿があります。明るさも暗闇も知らないと言う太一さんにとっての“光”とは？この番組が、太一さんの思いを伝える一翼を担うことができたら幸いです」

白杖を使った歩行学習（太一さん、小学３年）

ブラインドサッカー公式戦（太一さん、中学２年）

【番組概要】

第31回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品『太一の光～全盲の少年 ７年間の記録～』（制作：長野放送）

≪放送日時≫

９月17日（土） 27時15分～28時15分

≪スタッフ≫

ナレーター：柳沢三千代（青二プロダクション）
撮影：吉川勝義（長野放送管財）
音効：矢島善紀（マイサウンドカンパニー）
ディレクター：東澤鈴美（長野放送管財）
構成・プロデューサー：春原晴久（長野放送管財）、伊藤晴彦（長野放送）

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