2022.08.27更新
報道・情報
福島の特産品、魅力をあつく語る櫻田館長
9月2日(金) 26時50分~27時50分
福島県内で生産された食品や日本酒・工芸品など約5000種類を販売する福島県観光物産館。館長を務める櫻田武は多くの人が認める“福島のセールスマン”だ。仕入れも行い、生産者のもとに足を運び、共に改良に取り組むことも珍しくない。クリスマスに合わせて各地の菓子店からケーキを集め、新たな特産品にしようとしているフグを販売し、鮮魚フェアも企画して…福島のものを売って・魅力を伝える櫻田の日々を追った。
福島市で県内の特産品を販売する福島県観光物産館は、2017年からの5年間で売り上げが倍増した。その立役者が館長を務める櫻田武、52歳。店頭に立てば他のどのスタッフよりも大きな声で・満面の笑顔で客を迎え、誰よりも店内を動き回る。自ら仕入れや生産者と一緒になって商品の改良も行うため、客への商品説明は、生産者の人となりや開発の裏話にまで及ぶ。福島県産品を売り続けて26年。いまでは生産者や自治体の担当者から助言を求められる存在だ。
2021年のクリスマス商戦で櫻田が目をつけたのが、最近になって福島県沖でも獲(と)れるようになった「トラフグ」。サッカー日本代表専属シェフの西芳照にフグ鍋セットを作るよう依頼した。クリスマスに欠かせないケーキは、県内各地の洋菓子店を自ら巡って仕入れる熱の入れよう。クリスマスイブには、この日に合わせて櫻田が厳選した美味しいものが店内に並び、フグ鍋セットも売れていった。しかし、オードブルの発注に漏れがあったことが発覚し対応を迫られる。
地元・福島に対する思い入れが強かったことから、福島のものを売る仕事を始めた櫻田。家庭も顧みず働きづめだったこともあって離婚も経験。それでも、福島を有名にしたい一心で福島のものを売り続けてきた。
福島第一原発事故の後も、「売ること」で風評に苦しむ農家や蔵元など生産者を勇気づけてきた。ただ、原発事故の発生から10年以上経過しても「風評」は根強く残る。櫻田は新たな道を切り開くしか打開策はないと考える。
2022年3月11日。櫻田はそれまで扱ったことのなかった鮮魚を集めて海産物フェアを開催した。「福島県は被災県」という認識を払しょくしたいと考える櫻田の思いが現実となったかのように、海産物は次々と売れていった。
福島県観光物産館に来たお客さんに商品説明をする櫻田館長
左から)櫻田館長、お客さん2人
生産者のもとに足を運び、打ち合わせをする櫻田館長
左から)生産者さん、櫻田館長
「福島のものだからおいしい」「福島の工芸品だからかっこいい・使いやすい」と世界中の人に思ってもらえるようにしたい。目指すゴールに向かって、櫻田は新たな商品を探し・売って、福島の魅力を伝えていく。
風評被害と日々奮闘する櫻田館長
「主人公の櫻田武館長は不器用だからこそ何に対しても全力です。寝るのも全力、食べるのも全力。それはエネルギーの全てを福島県の魅力を広く伝えるという仕事に注ぐためです。こんなにも福島愛に溢(あふ)れた人がいるのだろうかと取材をするたびに感じました。休日でも商品知識を深めるために書店で大量の本を買っては勉強したり、新しい店が出来ればすぐに買って食べてみたり。自分がこうだと思ったことには一直線で妥協を惜しまない。だからこそ物産館の売り上げを5年間で倍増させられたのだと思います。
今回の作品では櫻田館長の奮闘する姿を通して、販売人としての考えやモットー、そして風評被害にどう向き合ってきたのかを描きました。櫻田館長のキャラクターと情熱には多くの人を動かす力があります。この作品を見た人はきっと応援したくなるはず。そしていつか物産館に足を運んで、櫻田館長の愛する福島を知ってほしいです」
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