『“拡張”する家族のカタチ』

『“拡張”する家族のカタチ』

６月21日（火） 25時55分～26時55分

血縁なく共同生活を送る新しい家族関係とは

「近所付き合いナシ」「親戚関係は希薄」「子育ては夫婦だけ」が当たり前となっている今、「家族」という集合体はより親密になっている。さらに新型コロナにより再考させられる家族との時間。一方で虐待やDVなど家庭から生まれる悲しいニュース…。
そんな現代に登場したのが、「シェアハウス」がより親密になった共同生活…「拡張家族」と呼ばれる新しい“家族のカタチ”だ。ひとつ屋根の下で血縁のない人々が一緒に暮らす。表面的ではなく、家と時間、思いを共有し、同じ食卓を囲み、協力して子育てする。それは新しい家族の営み…ワンオペ子育てや育児放棄、孤独死などの問題も解消されるかもしれない。そんな新しい“家族のカタチ“を取材した。

「家族」って何だろう？私はどんな「家族」を作っていくのだろう？

今回、「拡張家族」を取材するのは私、池田茉央・24歳。フジテレビ入社３年目『めざましテレビ』の新米ディレクターだ。
“血縁がないのに家族のように暮らす”、でもシェアハウスとは違う…そう聞いて大いに興味を惹（ひ）かれた。
そこで自ら「拡張家族」になってみることに…。
受け入れてくれたのは、東京・神楽坂のマンションに暮らす松尾さんたち“家族”。松尾ファミリーは親子４人、そこに宇野真明さん、土井菜那さんが同居し、計６人暮らし。菜那さんが引っ越すということで、そこに私が“お試し入居”した。

３LDKのマンションで一人一部屋が割り当てられ、分担は10万円。生活に必要なモノや食費、光熱費は割り勘で月ごとに精算。鍵は皆持っていて、風呂の順番などは自由。ご飯は決められてないが、家にいたら皆で食卓を囲むことが多い。掃除は当番制。
にぎやかで不思議な同居生活で分かってきたこと、それはなぜ松尾夫妻がこの生活を始めたかということ。そして、入居者がこの暮らしを選んだ思い…そこには発見もあった。

もう一軒、新しい家族の場を作り出そうと準備していたのが、千葉・八千代市の池部夫妻。56歳の夫と26歳の妻の“年の差”夫婦だ。大きな一戸建てを活用したシェア生活によって、子育てを助けてあげたいと語る。そこに入居してきたのは21歳のシングルマザー、１歳の男の子と一緒だ。月４万7000円で即入居に。
池部夫妻がこの家族のカタチを目指す理由は、自分たちの家庭での体験からだ。血のつながった家族でもバラバラになってしまったり、子供が寂しい環境に置かれてしまったりという現実。そういう経験から、血縁にこだわらず支え合うことができる場を作れないか？という志を持ったという。
シングルマザーとその子供が入居して２カ月…再び訪れたその部屋には、もう誰も住んではいなかった。一体何があったのか？
新しい“家族のカタチ”と、それを求めてやってくる入居者たち。それは日本の都市部特有の現象なのか？そこに明るい未来はあるのだろうか？取材ディレクターが実体験とともに探る。

ディレクター・池田茉央（フジテレビ情報制作センター）コメント

「コロナ禍で個人や家族がより閉鎖的となり、孤独を感じやすくなったのではないか、また、子育てを夫婦２人だけで行うことは当たり前のようで大変なことなのではないか、そのように感じていた時“拡張家族”という新しい言葉に出会いました。それはひとつ屋根の下で血縁関係のない人々が家族のように一緒に生活し子育てをする新しいシェアハウスの形でした。私は２カ月間住み込みで取材を行い、この生活は現在のさまざまな課題を解決する糸口になると確信しました。子育ては家族だけで行うという当たり前の概念に苦しめられている人がいるなら、誰かの手を借りてもいいし、寂しさを抱える人は誰かと空間を共にしてもいいのではないでしょうか。一緒に住む人が３人も４人もいたらラッキー、そんなふうに考えられる優しくて寛容な社会ができたら素敵だなと思います。この番組が、家族や居場所を考え、生き方を選択するきっかけの一つとなったらうれしいです」

【番組概要】

第31回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品『“拡張”する家族のカタチ』 （制作：フジテレビジョン）

≪放送日時≫

６月21日（火）25時55分～26時55分

≪スタッフ≫

ナレーション：渡邊 渚（フジテレビアナウンサー）
構成：たむらようこ
取材・撮影：清水御冬
プロデューサー：西村 朗（フジテレビ情報企画開発部）
ディレクター：池田茉央（フジテレビ情報制作センター）

制作著作：フジテレビジョン

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