『古里SDGs ~過疎法50年 スキーのまち~』

2021.11.09更新

その他

第30回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品(制作:福井テレビ)

登校する娘とともにバス停に向かう巣守和義さん(左)

『古里SDGs ~過疎法50年 スキーのまち~』

11月16日(火) 27時05分~28時

古里の生き残りをかけ奔走する男性!SDGs理念推進の中、過疎地域の持続可能性とは何かを問う

国が指定する全国820の過疎地の中のひとつ、福井県大野市和泉地区。ここで生まれ育った福井和泉スキー場の経営者・巣守和義さんは、地区の生き残りをかけて、コンビニ店誘致やキャンプ場経営などに奔走する。世界的にSDGs理念が叫ばれる中、過疎地の持続可能性とは何か…。歴代首相が唱えてきた「地方活性化」、「地方創生」の理想と地域の現実の乖離(かいり)を浮き彫りにしながら、日本の行く末を問う。

圧雪車を運転する巣守さん

今年3月、国会で可決成立した「新過疎法」(過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法)。4回目の改正となる今回は、法の目的を「過疎地域の持続的発展」と見直し、人材の確保・育成ほか4つの目標を掲げた。国連が提唱する持続可能な開発目標「SDGs」の精神に相通じるが、「過疎地域の持続的発展」は容易ではない。全国には、生産労働人口の減少に苦しみ、明るい将来を見通せない「消滅集落」、「限界集落」と言われる地域が多数存在する。

今回の舞台は、国が指定する全国820の過疎地の中の1つ、福井県旧和泉村(現・福井県大野市和泉地区)。岐阜県に接し、2005年に平成の大合併で大野市に編入された雪深い地区である。約100年前には、スペイン風邪で消滅した集落もある。1981年の豪雪では、約3週間、地区全体が「陸の孤島」に。その頃から住民転出に拍車がかかり、かつて約5700人いた人口は443人にまで減少した。

旧和泉村は、雪を資源に観光で活性化を図ろうと、1990年、バブル経済期のリゾート法の下、地域2つ目となる「福井和泉スキー場」を誘致。スキーブームもあり、順調に動き出すと見られたが…。バブル経済崩壊で経営破綻。先行きが不安視される中、その経営権を買い取った人物がいる。地元で生まれ育った巣守和義さん、53歳。スキー人口の減少、記録的な雪不足、そしてコロナ禍…。相次ぐ逆風の中、スキー場の経営だけでなく、コンビニ店誘致やキャンプ場経営など、古里の生き残りをかけて奔走する巣守さん。彼は、国が法で掲げる以前から「過疎地域の持続的発展」を目指して奮闘し続けてきたのだ。多忙な巣守さんの心の支えは、2人の娘。なにげない娘との会話の中で、巣守さんは、娘、そして古里の未来に思いをはせる。

リフトの高額メンテナンスに悩む巣守さん

過疎法制定から半世紀。世界的にSDGs理念が叫ばれる中、過疎地域の持続可能性とは何か。歴代首相が唱えてきた「地方活性化」、「地方創生」の理想と地域の現実の乖離(かいり)を浮き彫りにしながら、日本の行く末を問う。

ディレクター・大久保直輝(福井テレビ 報道部)コメント

「福井県内のスキー場で廃業や休業が相次いでいる。それが取材のきっかけでした。その後、スキー場は“雪の多い中山間地域を支える唯一の産業”と知り、視野を過疎地域全体に広げました。廃業が地域の存続に直結するというのです。人口減少が進み、税収の伸びも見込めない状況で、この国ではありとあらゆる場面で効率化が重視されています。しかし、過疎地域の衰退は、都市部の住人にとっても他人事ではありません。国土の荒廃は災害リスクを高めます。そもそも、人々の営みは平等に守られるべきではないでしょうか。半世紀に及ぶ国の過疎対策も十分とは言えません。作品の舞台は、福井県内で最も雪深い地域。撤退を決めた大資本からスキー場を買い取り、古里の生き残りをかけて奮闘する男性に焦点を当てています。ただ、こうした光景は、全国各地の同じような土地でも繰り広げられているはずです。過疎地域の現状を知り、将来を考えるきっかけになれば幸いです」

【番組概要】

第30回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品『古里SDGs ~過疎法50年 スキーのまち~』(制作:福井テレビ)
<放送日時>
11月16日(火) 27時05分~28時
<スタッフ>
プロデューサー:横山康浩(福井テレビ)
統括・構成:前川佳之(福井テレビ)
ディレクター:大久保直輝(福井テレビ)
       澤田美紀(福井テレビ)
編集:西村大輔(福井テレビ)
ナレーター:大和田伸也

掲載情報は発行時のものです。放送日時や出演者等変更になる場合がありますので当日の番組表でご確認ください。