第32回フジテレビヤングシナリオ大賞『サロガシー』

2021.03.09更新

ドラマ

大賞受賞作『サロガシー』脚本家・的場さんに聞く!「固定概念を崩し、違う視点を持つきっかけになれば…」

『サロガシー』撮影現場にて
左から)脚本家・的場友見、主演・堀田真由

第32回フジテレビヤングシナリオ大賞『サロガシー』

3月24日(水)24時55分~25時55分

北海道出身の的場さんは早大第一文学部卒業後、アパレル、広告制作、出版社などを経て独立。現在はフリーのコピーライターとして活動している。
ヤングシナリオ大賞は「坂元裕二先生(第1回)や野木亜紀子先生(第22回)など、第一線で活躍されている私の好きな脚本家の方々が受賞しているから」と応募し、2回目の応募で『サロガシー』が大賞を見事受賞。シナリオライターとしての実績はないものの、コピーライターとして10年以上文章を書いてきた的場さん。受賞作はなんとわずか2日で書き上げた。現在、脚本をドラマ化するため、本打ち、顔合わせなどを経験し、3月24日いよいよ放送となる。

この受賞作『サロガシー』は、どのような着想で生まれた作品なのか、的場さんに話を聞いた

Q.『サロガシー』が生まれたいきさつは?
「5,6年の付き合いになるゲイの友人と食事をしていた時に、“僕の場合はもう結婚や子どもを持つ楽しいライフイベントは何もない・・・”と言ったんです。“じゃあ子供を持ちたいという願望はあるの? ”と聞くと、海外だとサロガシー(=代理母出産)という方法があり、実際に彼のゲイの友人には子どもがいるとのこと。“そういうこともあるんだ!”と知り、書いてみたいと思いました。
また、別の友人との会話で“セクシャルマイノリティーの人はかわいそう”とか“つらい思いをしている”と決めつけているような言葉を聞いて、 “セクシャルマイノリティーはかわいそうで、ストレートは幸せだ”という区切り方に疑問を持ちました。そこで、サロガシーという題材で、固定概念を崩し、違う視点を持つきっかけになるような話を書きたいと思ったんです。ノンフィクションだと批判を受ける対象が出てしまうけれど、創作の中で“サロガシーという選択をせざるを得ない今の日本の状況”や、“大手を振ってサロガシーをしましたと言えない状況”とかを、知っていただけたらと思います」

Q.的場さんが最もこだわったところはどこですか?
「ゲイのカップルを、男女のカップルと変わらないように描くというところです。ゲイのカップルが出ているだけで“LGBTモノ”とか“BLモノ”みたいな見え方にはなってほしくないので…。また、環の出産のシーンは自分に経験がないので、リアリティーに気をつけました。でも、できればコメディーにしたくて…。出産のシーンが重いと、全体的にも重いドラマになると思ったので、キャラクターの個性を生かしてコミカルに仕上げました」

Q.主人公・江島環の人物像は?
「環は、“サバサバしている”とか一言では言い表せない人物です。内に深いものを抱えているけれど、それがネガティブな感じではなく、人としての魅力につながっているといいなとイメージして書いていました」

Q.環を堀田真由さんが演じると聞き、どう思われましたか?
「キャストを具体的にイメージして書いていなかったので、イメージにあうあわないというより、最初はただ“へぇ〜”と(笑)。環の役はすごく複雑で、演じるのも難しいだろうと思っていました。それが、実際に撮影現場を見せていただいたら、想像をはるかに超えて“完全に環”だったんですよ。結果論ですけど、完全にベストマッチのキャスティングです。母親に言い返すシーンや、ちょっとバカにして笑うしぐさなど全てに嫌みがなく、“この人は何か思いがあってこういう態度を取っているのだな”というのが伝わってきました。他の家族役の皆さんも、イメージ以上だったのでうれしかったです」

主人公・江島環を演じる堀田真由

Q.撮影現場で堀田さんとはお話をされましたか?
「“台本を読んで、この役は絶対に自分がやりたいと思いました”と言われて、うれしかったです。兄役の細田善彦さんと、そのパートナー役の猪塚健太さんとも話をする機会があったのですが、ずっとペアリングを付けたままお話されていて、本当のカップルのように見えていい空気感だなと(笑)」

左から)細田善彦、猪塚健太、田村健太郎

Q.初めての映像化は、いかがでしたか?
「放送時間の問題で内容を削ったのですが、私は全然抵抗がありませんでした。むしろ監督やプロデューサーの方が思い入れが強く、私が削るのをためらわなくても監督が残したシーンもあり、自分が書いたものの価値を客観的に教えていただけたので、それだけ深く読んでくれてるんだと感じ、日々のやりとりの中で小さな感動を覚えました」

Q.ジェンダーに関しては、特にいま社会全体で考えられているテーマでもありますよね。
「この『サロガシー』だけじゃなくて、私が書いているのはセクシャリティとかジェンダーに関わるものが多いんです。みなさんが興味を持っていただいているこのタイミングでドラマ化できて嬉しいです。私は、性別って人を表す一つの個性でしかないのではないかと思っていて…。子どもを作る時は違いますけど、仕事の場では関係ないじゃないですか。“女性をもっと採用すべき”とか“トランスジェンダーの人をもっと採用すべき”とかではなく、才能ある人が性別によって採用されないのはおかしいので、そういうフィルターは外してほしいとだけ思っています」

Q.的場さんにとって、脚本を書くのは楽しいですか?つらいこともあるでしょうか?
「何もつらくないです!一気に書くので手が痛くなるくらいで(笑)。小説や漫画、映画もドラマも好きなので、今後は原作があるものも書かせていただけるならやってみたいです。書きたいものはいくらでもあります!」

Q.最後に、脚本家を目指している方に向けてメッセージをお願いします。
「私は、楽しくないなら書かない方が良いのではないかと思っています(笑)。脚本家を目指している状態って、まだ誰に頼まれて書いているわけではないので、書きたいものを書いたら良いのではないでしょうか。自分が楽しんで書いたものが一番良いと思います!」

的場さん、ありがとうございました。今後の一層の活躍を期待いたします。

こちらにも注目!
【野木亜紀子のデビュー作他、過去8作品をCSで一挙放送】

CSフジテレビTWOでは、3月14~17日に、野木亜紀子氏の『さよならロビンソンクルーソー』(田中圭ほか)や、桑村さや香氏の『輪廻の雨』(山本裕典ほか)など、「ヤングシナリオ大賞」受賞の過去8作品を一挙放送する。詳しくはフジテレビTWO HPまで

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【番組概要】

第32回フジテレビヤングシナリオ大賞『サロガシー』
<放送日時>
3月24日(水)24時55分~25時55分放送予定(関東ローカル)
<出演>
江島 環  ・・・ 堀田真由 
江島 聡  ・・・ 細田善彦
野池幸四郎・・・ 田村健太郎
水野圭人 ・・・  猪塚健太

西岡麻友 ・・・ 松本若菜 

江島 忠  ・・・ 井上 肇
江島彰子 ・・・  宮田早苗
     
神谷 晃  ・・・ 斎藤 工(友情出演)
<スタッフ>
脚本:的場友見(第32回ヤングシナリオ大賞受賞作品「サロガシー」)
プロデュース:荒井俊雄(『SUITS/スーツ2』『ルパンの娘』
            『モンテ・クリスト伯 ―華麗なる復讐―』など)
演出:清矢明子
制作著作:フジテレビ

掲載情報は発行時のものです。放送日時や出演者等変更になる場合がありますので当日の番組表でご確認ください。