『禍(わざわい)のなかのエール ~先生たちの緊急事態宣言~』

2020.09.19更新

その他

第29回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品(制作:フジテレビ)

3カ月ぶりの学校再開を前に子どもたちに向け絵を描く平澤先生

『禍(わざわい)のなかのエール ~先生たちの緊急事態宣言~』

9月26日(土)25時45分~26時40分

コロナがあぶり出す、学校で本当に大切なこと

突然の休校宣言で、3カ月にわたり学びが止まった学校。
埼玉県新座市にある野寺小学校は、前代未聞の新年度を迎えた。
分散登校や無言の給食…困惑する子供たち。
一方、先生たちには、多忙な業務に加え、感染対策が重くのしかかる。
教育現場は次第に疲弊していった。
「もってあと1カ月…」。
それでも、先生には譲れないものがあった。
コロナによってあぶり出された、学校が本当に大切にすべきこととは…?

前代未聞の休校宣言。先生たちが多忙を極める中、大切なものが危機にひんしていた。

消毒作業に追われる先生たち

2020年2月。新型コロナウイルス感染拡大を受け、安倍首相が全国の小学校、中学校、高校、特別支援学校の休校を宣言した。
前代未聞の環境下で、学校はどのように再開するのか。学びがストップした子どもたちはどうなってしまうのか。日本の未来は…?

我々の取材は休校期間中の5月からスタートする。3カ月ぶりの再開を前に、1人教室で黒板に絵を描いていたのは、新座市立野寺小学校の平澤英子先生。4年1組の担任で、この道18年のベテランだ。再開初日。例年とは違い、6月が今年度の始まりだ。感染対策のため、この日は午前と午後に分かれての分散登校だった。クラスの半分が揃った4年1組で平澤先生は開口一番、「これほどみなさんが、大人が悩んでいる姿を見ることは、初めてだったのではないでしょうか」という言葉を子どもたちに投げかけた。大人だって悩む。悩むことは悪いことではない。学校で一緒に悩みながら進んで行こう。そんな思いを伝えた。無論、先生たちも悩んでいた。

遅くまで残り子どもたちの日記を読む平澤先生

平澤学級では、あることが毎日行われる。1日を振り返る日記だ。子どもたちはその日感じたことを素直に言葉にし、先生に提出する。うれしかったことや楽しかったことだけではなく、悲しかったこと、不安や相談など、子どもたちの喜怒哀楽が詰まっている。平澤先生にとって1番大切にしている時間は、この日記を読む時間だという。だが、そんな大切な時間が危機に瀕していた。先生たちは働き方改革によって、勤務時間削減を求められていた。旧態依然と言われる学校。教育改革によって2020年からは授業時数も増え、仕事も減っていない。それどころか、消毒作業やコロナ対策のための会議など、授業外の負担は増え続けいていた。先生たちが帰路に着くころには外は真っ暗。心も体も限界を迎えていた。それでも平澤先生は、日記を毎日欠かさず読み、子どもたちとの“心のキャッチボール”を続ける。
コロナによってひっ迫した教育現場で、先生たちが悩み抜き、その中で大切にしようとすることは何なのか。歴史的に大きな転換点となる2020年。この激動の年に教壇に立つ先生、そしてかつてない環境下で学ぶ子どもたちに4カ月間密着して見えてきた、小学校教育に本当に大切なこととは…。
新座市の野寺小学校4年1組から、見つめた。

ディレクター・山本将寛(フジテレビ情報制作センター)コメント

「初めて学校に取材に行かせていただいた際、僕は衝撃を受けました。早朝から出勤し、休むまもなく授業を終え、帰る頃には外は真っ暗。先生ってこんなに働いていたのかと。旧態依然の学校。そこに降りかかったコロナ。その多忙さは目も当てられないほどでした。どうしてこんなに大変な仕事をするのだろう、と率直に疑問でした。ただ、子どもたち1人1人と真剣に向き合い心を通わせるその姿は職人そのもの。オンライン化が進む中、学校というオフラインで学ぶ意味を僕は今回まじまじと目の当たりにしました。取材させていただいた野寺小はごく一般的な公立学校です。だからこそ、あんな先生いたなとか、あの先生もこんなに頑張っていたんだとか、自分の地域や地元を思い浮かべながら見ていただきたいです。そして、1人でも多くの方が、今まで当たり前すぎて考えてこなかった“学校で学ぶ”その意味を改めて考える機会になればうれしい限りです」

【番組概要】

第29回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品『禍(わざわい)のなかのエール ~先生たちの緊急事態宣言~』(制作:フジテレビ)
<放送日時>
2020年9月26日(土)25時45分~26時40分
<スタッフ>
ナレーター:趣里
構成:石井成和
撮影:遠藤一弘、水上智重子
編集:宮島亜紀
チーフプロデューサー:宮下佐紀子
プロデューサー:島野 平
ディレクター:山本将寛

掲載情報は発行時のものです。放送日時や出演者等変更になる場合がありますので当日の番組表でご確認ください。