『防災の架け橋~釜石の教訓をふるさと静岡へ~』

2020.07.08更新

その他

第29回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品(制作:岩手めんこいテレビ)

いのちの授業参観日を視察する中川優芽さん

『防災の架け橋~釜石の教訓をふるさと静岡へ~』

7月15日(水)26時50分~27時45分

南海トラフ地震から子供たちを守るために…

「ふるさと・静岡の子供たちを守りたい―」。
元小学校の教師で大学院生の中川優芽さんが研究の場に選んだのは、東日本大震災の被災地・岩手県釜石市。「釜石の奇跡」として注目された防災教育を研究し、釜石小の「下校時避難訓練」に着目。津波から子供の命を守った訓練を、ふるさとで実施したいと奔走する。その熱意が実を結び、静岡初の下校時避難訓練が行われた。釜石と静岡をつなぐ架け橋となった、中川さんの2年に及ぶ活動と思いを伝える。

ふるさと・静岡の子供たちを守るため、東日本大震災の被災地で防災教育を学ぶ大学院生の活動

岩手県釜石市内の高台での聞き取り調査
右)中川優芽さん

「ふるさとの子供たちの命を守りたい―」。
そんな強い思いを胸に岩手から静岡に戻り、この春(2020年)教壇に立つ女性がいる。静岡県出身の中川優芽さん(25)だ。
中川さんは静岡県富士市出身で元小学校教師。勤めていた学校で防災の授業を担当したのだが、そこで自らの力不足を痛感した。いつか来る南海トラフ地震。「その時、私は子供たちの命を守るために何ができるだろうか…」。
思い悩んだ末、中川さんは大きな決断を下した。教職を辞め、慶應義塾大学の大学院生として被災地の教訓と防災教育について研究を始めたのだ。そこで東日本大震災の直後、「釜石の奇跡」として注目された岩手県釜石市の防災教育に注目した。2018年6月、中川さんは「地域おこし研究員」という大学の制度を利用し、2年間釜石市に移り住み、防災教育を研究することになった。震災前から津波に対する防災教育をしていた釜石市は、市内の全児童生徒約3千人が命を守る避難行動をとることができた。中川さんは当時の小中学生や教師などに聞き取り調査などを実施する。

静岡県の小学校で実施された下校時避難訓練

研究の結果、釜石小学校の「下校時の避難訓練」に着目、研究の成果としてその訓練をふるさと・静岡県でも実施しようと思い立った。自ら教育委員会や学校に赴き、粘り強く交渉を重ね、その熱意は教育現場を動かし、ついに静岡県で初めて「下校時避難訓練」が行われた。この新たな取り組みは、今後、静岡県での防災教育にも大きな影響を与えることが期待されている。
番組では、東日本大震災の被災地釜石市で奔走し、釜石と静岡をつなぐ架け橋となった中川さんの2年間に及ぶ活動を紹介するとともに、その思いを伝える。

ディレクター・上川友記(岩手めんこいテレビ報道部 釜石支局)コメント

「中川さんの取材が始まったのは、2018年の夏に津波の被災地を一望できる高台で声をかけたのがきっかけでした。この時中川さんから聞いたのが“震災の教訓を学び、ふるさとの静岡で南海トラフ地震への備えとして生かしたい”という思いです。たったひとりで釜石に移住し防災教育について研究をしているということ、また元小学校教師の大学院生という経歴にも興味を惹(ひ)かれました。震災の被災地で長く取材を続けてきましたが、23歳の若さでこれほどの熱意と行動力をもち、地元の住民に受け入れられて活動をする人はまれな存在だと思います。また中川さんの“一人でも多くの子供を救いたい”という思いは、“報道の仕事を通じて誰かの命を救うことができれば”という自分自身の思いにも重なりました。中川さんの活動と“釜石の奇跡”のもとになった釜石小学校の下校時避難訓練を、多くの人、特に教育関係者の皆さんに知っていただければと思います」

【番組概要】

第29回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品『防災の架け橋~釜石の教訓をふるさと静岡へ~』(制作:岩手めんこいテレビ)
<放送日時>
2020年7月15日(水)26時50分~27時45分
<スタッフ>
プロデューサー:一戸俊行
ディレクター・構成・撮影・編集:上川友記

掲載情報は発行時のものです。放送日時や出演者等変更になる場合がありますので当日の番組表でご確認ください。