2019.7.25更新

消された記録 消えない真実
第28回FNSドキュメンタリー大賞 ノミネート作品
消された記録 消えない真実
8月1日(木)27時05分~28時
確かな「罪の手ざわり」戦争体験者の肉声

<石碑>米軍のB29が墜落した場所に建っている
広島と長崎に投下された原爆。
東京や福岡での大規模な空襲。
そして、敗戦後の大陸からの引き揚げ。
それぞれの日本人が異なる場所で体験した「忘れ得ぬ記憶」は、戦争体験者の心の奥底に今もこびりつき、いびつなわだちとなって固まっている。
戦後70年余、戦争体験者の肉声を聞く機会が年々減少していく中で、その貴重な証言をしっかりと記録し、後世に伝えたい。
戦争は過去の「歴史」ではない
日々、ニュース取材をしている中でお話を聞き、戦争体験者の肉声や直言を、無駄な演出や着色を加えずに、そのまま伝えたいと思った。それが、テレビという媒体の「使命」であると感じた。
米兵捕虜の生体解剖に関わった医師。
極秘の堕胎施設で働いていた看護師。
中国大陸で使用する毒ガスを砲弾に詰めていた女性。
「消したい記憶、消えない真実」
確かな罪の手触りを感じながら、人生を歩んできた戦争体験者の証言を通して戦争がもたらすものは一体、何なのか。
民間人はどのように戦争に巻き込まれていくのか。
戦争は、過去の「歴史」ではない。
映像を通して実感として感じ、想像力を刺激することを目指した。

<生体解剖>九州大学医学部で、アメリカ兵捕虜の人体実験を行った場所

戦後、大陸から引き揚げる途中に強姦されて妊娠した女性に対して実施していた極秘の堕胎手術に関わった元看護師
故・村石正子さん
コメント
ディレクター・岸本貴博(テレビ西日本報道部)
「戦争体験者ではない私が、戦争のことを取材し、このようなドキュメンタリー番組を作らせて頂くということは、正直、恐れ多く、おこがましいと常に感じている。ただ、父親が沖縄出身で海外への疎開も経験していることや、“沖縄戦”や“米軍基地問題”を10年以上に渡って取材してきた私にとって“戦争”“安全保障”という問題は、私の人生において避けて通れない大きなテーマだ。
この問題に関する私の主観は番組内に紛れ込ませず、脇に置いておき、今回のドキュメンタリーでは、戦争体験者の率直な思いを無駄な演出を加えず、そのまま視聴者の皆様にお届けするよう、十分注意した。
この番組が少しでも多くの人々の心に刺さり、この国について、そして日本人について、立ち止まって考える一つのきっかけになれば幸いだ」
番組概要
- タイトル
- 第28回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品
『消された記録 消えない真実』(制作:テレビ西日本)
- 放送日時
- 8月1日(木)27時05分~28時
- スタッフ
-
- プロデューサー
- 古江寛樹(テレビ西日本)
- ディレクター
- 岸本貴博(テレビ西日本)
- ナレーター
- TAMAYO
- 撮影
- 森濵正(VSQ)
- 編集
- 藤本結樹(VSQ)
- 音効&MA
- 新甫宙(ミュージックリザーブ)
※掲載情報は発行時のものです。放送日時や出演者等変更になる場合がありますので当日の番組表でご確認ください。