FNSドキュメンタリー大賞

FNSドキュメンタリー大賞

2018.10.15更新

熊本地震から立ち上がったバレー部の挑戦!

第27回FNSドキュメンタリー大賞 ノミネート作品
エースの証~鎮西バレー部 砂のコートからたどり着いた日本一~

10月26日(金)27時05分~28時

過去5度の日本一を誇る、鎮西高校バレーボール部。2年前の熊本地震で体育館を失い、部員たちは学校の運動場から練習をスタートしました。73歳の名将・畑野監督が目指すのは“エースで打ち勝つチーム”。21年ぶりの日本一を託された、キャプテンでエースの鍬田憲伸(くわだけんしん)さんは高校生活集大成の舞台「春高」で、ついに覚醒します…。さまざまな壁にぶつかりながらも、たくさんの人たちへの「感謝」を胸に春高のコートに立った選手たち。これは、砂場のコートから出発した鎮西バレー部の日本一への挑戦の物語です。

その瞬間、キャプテンでエースの鍬田憲伸さんはコートに膝をつき、これまでのクールな表情とは一転、何かから解き放たれたような表情で客席を見つめ、その目からは涙がこぼれ落ちました。震える右手の人差し指で、彼は「1」を示した。高校生バレーボーラー最大にして最高の舞台、「春高」で鎮西高校が21年ぶりに頂点に立った瞬間でした。彼のそのしぐさからも、3年間が想像以上に苦難の連続だったことが分かります。

2年前、久しぶりに春高でセンターコートに立った鎮西。しかし決勝戦で敗退。21年前に優勝して以来、決勝戦では5連敗となり、まさに「準優勝の鎮西」とさえ呼ばれるようになっていました。鍬田さんは当時1年生。次こそはと新チームとなり動き出した直後、熊本地震が襲いました。鎮西の体育館は壊れ、彼らは練習場所を失ったのです。

2週間後、学校のグラウンドで再出発した鎮西バレー部。鍬田さんの2回目の春高は、まさかの初戦敗退に終わりました。そして3年目のスタート。中学で熊本を日本一に導いたメンバーがそろって鎮西に入学。なかでも突出した能力を持つ水町泰杜(みずまちたいと)さんの入学は、鎮西日本一へ欠かせない戦力となります。

1年生が3人即戦力として加わった鎮西は、21年ぶりに夏インターハイの王者に。そして鍬田さん3年間の集大成の舞台「春高」が幕を開けました。

Wエースを擁し優勝候補筆頭として挑んだ春高、しかし彼らにはさまざまな試練が待ち受けていました…。

熊本地震によってどん底に突き落とされた彼らが、もがき苦しみながらバレーを通して成長していく物語。砂場のコートから、光り輝く春高のセンターコートで日本一までたどり着く軌跡をたどりました。

コメント

ディレクター・後藤祐太(テレビ熊本報道部)

「水、食べ物、着るもの、お風呂、布団。日常にあふれる、ありとあらゆる“あって当たり前のもの”を突然奪った熊本地震。私の家も建物は半壊。水も電気も止まり家族を実家に避難させ、被災地取材に飛び回っていた時に、鎮西バレー部のコーチからかかってきた電話。“体育館が使えなくなった、とりあえず運動場でバレーやります”。熊本では絶対王者として君臨する鎮西、得点を決めても絶対に喜ばないあの子たちが砂場でバレー?クールぶった、かっこつけた男たちのかっこ悪い姿を撮っておくか、と始めた取材でした。そんなかっこつけの男たちが、バレーの楽しさを思いだし、周りの支えのありがたさに気づき、その人たちのために青春をささげる物語。そして夢をかなえた時の子供のような無邪気な笑顔。地震が彼らを苦しめ、逆に地震が彼らを成長させた2年間。砂場からはい上がった正真正銘の格好いい男たちのドラマです」

番組情報

タイトル
第27回FNSドキュメンタリー大賞 ノミネート作品
『エースの証~鎮西バレー部 砂のコートからたどり着いた日本一~』(制作:テレビ熊本)
放送日時
10月26日(金)27時05分~28時
スタッフ
プロデューサー
古閑康弘
ディレクター
後藤祐太
編集
可児浩二
撮影
渡辺典昭
ナレーション
米岡誠一(PINES)
MA
森仁(U2)

※掲載情報は発行時のものです。放送日時や出演者等変更になる場合がありますので当日の番組表でご確認ください。