2018.10.2更新
大雪のあの日、なぜ息子は死ななければならなかったのか
第27回FNSドキュメンタリー大賞 ノミネート作品
息子が死んだ日 ~検証 白魔の36時間~
10月5日(金)28時~28時55分
今年2月に福井県を大雪が襲い、北陸自動車道は通行止めとなり、国道8号線でも車両1500台立ち往生が発生しました。この二本の大動脈が封鎖した時間、ある19歳の青年が滋賀から富山に向かうため、山中を走る国道364号線に迂回を試みましたが、車は雪に乗り上げ、翌日ひっそりと車内で息を引き取りました。なぜ青年は死ななければならなかったのか。行政や警察、道路管理者、青年の遺族への取材を始め、混乱の発端となる北陸自動車道の通行止めから、青年の死までの36時間に焦点をしぼり、検証しました。
この冬、福井県は記録的な大雪に見舞われ、交通の大動脈が完全にストップ、福井県民の生活に大きな影響を及ぼしました。なぜこんなにも県民生活が混乱したのか。関係機関の動きなどを検証すべきと考えました。こうした中、19歳の青年の車が大動脈以外の山道の国道を通り、雪に行く手を阻まれ車内で死亡する事故が起きました。青年はなぜ地元では交通の難所として知られる国道364号線を迂回ルートに選んでしまったのか。そしてなぜ青年は雪深い国道で車中死してしまったのか。家族の証言をもとに検証すべきと考えました。こうした疑問から取材をスタートしましたが、遺族は当初取材拒否。しかし、春の訪れとともに遺族だけが冬に置き去りにされていることが浮き彫りとなってきました。その姿を広く知らしめることこそが、雪国マスコミの指名と痛感し粘り強く取材交渉し、遺族の声を聞くことができました。
コメント
ディレクター・小川一樹(福井テレビ報道局報道部)
「今年2月に福井県を襲った大雪はまさに“災害”でした。しかし、1カ月後には雪は溶けてなくなり、あの大雪は本物だったのかと疑うほどでした。そして同時に、この溶けてしまった雪のように、記憶が風化することを恐れました。次にもし大雪になったとしても混乱を最小限に抑えられるよう教訓とするため番組化に取り組みました。まずは、なぜ大動脈の国道8号線が3日間に渡り寸断されたのか検証するため、行政や道路管理者への取材をスタート。また、同時に巻き込まれ命を落とした19歳の青年についても、真実を伝えるため、遺族の元へ。何度も富山に足を運ぶ中で、遺族も、訴えたい心情などを話してもらえるようになり、そこから、なぜ彼は死ななければならなかったのかを検証していくと、この大雪での様々な教訓が見えてきました。青年の尊い命にスポットを当て、視聴者の心に訴え、あの時何をすべきだったかを改めて考え教訓としてほしいと願い制作いたしました」
番組概要
- タイトル
- 第27回FNSドキュメンタリー大賞 ノミネート作品
『息子が死んだ日 ~検証 白魔の36時間~』(制作:福井テレビ)
- 放送日時
- 10月5日(金)28時~28時55分
- スタッフ
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- プロデューサー
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- 吉田尚広(福井テレビ)
- 横山康浩(福井テレビ)
- ディレクター
- 小川一樹(福井テレビ)
- 撮影・編集
- 斎藤佳典(福井テレビ)
- 構成
- 岩井田洋光(フリー)
- ナレーター
- 山根甚世
※掲載情報は発行時のものです。放送日時や出演者等変更になる場合がありますので当日の番組表でご確認ください。