Introduction

ヤクザBL史上、最高の愛。
情に厚い若頭×密命を背負う組員、極道2人がおりなす旅の終着点とは…?
情に厚く侠気もあり、多くの組員から愛される若頭の片岡(和田雅成)。
しかし、とある騒動をきっかけに、組長の実子・桐井(遊屋慎太郎)の命令で、ほとぼりが冷めるまで行方をくらます旅に出ることに。そんな片岡の世話役を任されたのは、かつて組長の付き人をしていた組員・小田島(髙橋大翔)だった。
運転手兼付き人、時には性欲処理までする便利な世話係として淡々と役目をこなしていく小田島。だが、その胸中には “裏の使命”があった——。
小田島は、桐井から跡目争いに邪魔な片岡を「殺せ」と厳命されていたのだ。
7年前の抗争で起きたある事件を境に、片岡に対して強い憎しみを抱く小田島は、使命と復讐心を胸に、片岡と旅に出る。
2人きりの旅の道中、義理人情に厚く出会った誰もが好きになる片岡の人間的な魅力に惹かれていく小田島。一方片岡も、普段は寡黙で淡々としている小田島が見せる意外な一面に興味をもち、だんだんと二人の距離は近づいてゆく。
過去、使命、そして愛情。不器用に揺れる感情に苦しむ小田島が出した答えとは———。
旅の果てに、待ち受けるのは——死か、それとも愛か。
憎しみと愛情が交錯する、危うく切ない任侠ラブストーリー。
Episode1 旅のはじまり

情に厚く侠気もあり、多くの組員から愛される若頭・片岡(和田雅成)は、とある騒動の責任を取る形で、組長の実子・桐井(遊屋慎太郎)から「ほとぼりが冷めるまで身を隠せ」と命じられ、行方をくらます旅に出ることに。
そんな片岡の世話役に任命されたのは、かつて組長の付き人をしていた小田島(髙橋大翔)だった。運転や食事から性欲処理まで、便利な世話係として淡々と役目をこなしていく小田島。だが、その胸中には“裏の使命”があった。小田島は桐井から片岡を「殺せ」と厳命されていたのだ。埠頭で釣りをする片岡の背後には銃口を向ける小田島の姿が…


Episode2 7年前の事件

桐井(遊屋慎太郎)から「さっさと片岡を始末しろ。7年前の恨みがあるんだろ」と急かされた小田島(髙橋大翔)は、親友・朝日(堀海登)が死んだ日のことを思い出していた。一方、片岡(和田雅成)は全国を放浪しているという自称“社長”の老人・比嘉(小沢直平)と、死刑囚の夫を持つ女性・小峰(天野麻菜)と出会い親しくなっていた。
小田島に「今夜は帰らない」と告げ、小峰の勤めるスナックへと向かう片岡。一人になった小田島は、静かな夜の港で朝日と過ごした日々を思い返していた。片岡に強く憧れていた朝日は、いつか自分も出世し、小さな島で暮らす母に家を買うという夢を語っていた。その家で「お前も一緒に住もう」と誘われ、戸惑う小田島に、朝日は「当たり前だろ。家族なんだから」と言うのだった。


Episode3 見せたいもの

小田島(髙橋大翔)は、行き先も目的も告げぬまま片岡(和田雅成)を連れ、船で小さな島へ向かった。辿り着いたのは、島の外れにひっそりと草が生い茂る、人の気配のない場所だった。2人で鎌を手に草を刈っていくと、徐々に姿を現したのは、ヤクザという理由で家族の墓に入ることを許されなかった、小田島の親友・朝日(堀海登)の墓だった。その前で小田島は、静かに口を開く。「朝日はあなたに殺されました」――。
一方その頃、片岡をいまだ始末しない小田島に苛立ちを募らせた桐井(遊屋慎太郎)は、新たな刺客の投入を画策していた…


Episode4 三代目の訃報

「あなたが初めての男です」――小田島(髙橋大翔)の予想外の告白に、驚きつつも意を決して結婚を宣言する片岡(和田雅成)。意表をつかれて戸惑う小田島が、島から戻り下船した直後、わずかに目を離した隙に刺客が襲いかかり、片岡はナイフで刺されてしまう。幸い命に別状はなく、病院へ搬送された片岡は一命を取り留める。
小田島は背後に桐井(遊屋慎太郎)がいるのではと探りを入れるが、「片岡を狙っている奴は他にもいる。先を越されないよう気をつけるんだな」とはぐらかされる。病室に戻った小田島は、眠る片岡の首を絞め殺そうとするが…。
そんな中、三代目組長・桐井清三(工藤俊作)の訃報が届く。組へ戻るための準備をする片岡を前に、小田島は「行けば、死にます」と告げる。


和田雅成
「ヤクザ×BL」 自分にとってどちらも挑戦的で初めて触れる世界、そして演じさせて頂いた片岡という人物は、自分には無いモノをたくさん兼ね備えていて、それを探す旅でもありました。
BLとしての濃密なドラマと、極道の世界特有の緊張感。
この作品の持つ魅力を存分にお伝え出来ればと思います。
髙橋大翔
小田島漣役を演じました、髙橋大翔です。
小田島はヤクザの組員で、悲惨な生い立ちがあり、無表情で多くは語りません。
今までの自分の人生と経験では補えないものばかりで、和田さんと監督とも撮影前から何度も作品について話し合い、丁寧に時間をかけて役作りしてきました。
演じてきてここまで苦しくて、寄り添えた役はありません。
僕たちの旅路を、是非見届けていただきたいです。
原作者 浅井西
『あなたを殺す旅』にドラマという新しいかたちを与えていただき、更にたくさんの方々に知っていただけることがほんとうにうれしいです。和田雅成さん演じる片岡の圧倒的な輝きと、髙橋大翔さん演じる小田島の壊れそうな透明感。2人が辿ったあの夏の旅をぜひ体感してください。
主題歌 山本大斗
「あなたを殺す旅」の主題歌を務めさせていただき光栄です。
作品のもつ軽快さと物悲しさが入り混じった空気感、そして複雑な過去や心境を抱えながらも純粋で真っ直ぐな感情をどこかに隠し持つ小田島のこと、それらを読み解かんとするように曲を書き進めていきました。
ドラマと共に、観てくださった方々にとって大切な曲になってもらえれば嬉しいです。